テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
る あ 。
743
#イラスト投稿
鬼灯 哀雷⚔️🥀
3,831
361
スタートーー❗️
プロローグから三日後――
横浜港。
初夏の青空の下、世界最大級の豪華客船「ブルー・レガシー号」が静かに停泊していた。
白く輝く船体は海面に映り込み、まるで一つの街が海に浮かんでいるかのようだ。
船内には劇場やプール、美術館、展望デッキまで備えられ、世界中の富豪や研究者、芸術家たちが招待されている。
この航海の目的は一つ。
“海の文化遺産”をテーマにした国際展示会。
世界各地から集められた宝飾品や歴史資料、そして数々の秘宝が公開される夢のイベントだった。
⸻
「すごーい!」
歩道橋の上から船を見た歩美が目を輝かせる。
「ホテルみたい!」
「いや、ホテルより大きいぞ!」
元太も思わず口を開ける。
光彦はガイドブックを見ながら説明する。
「全長四百メートル以上、乗客は六千人以上だそうですよ。」
「まるで海に浮かぶ都市ですね。」
その横で阿笠博士は嬉しそうに笑った。
「今回は特別招待じゃからのう。」
「船の最新システムの見学もできるそうじゃ。」
⸻
「ねぇコナン君!」
蘭が手を振る。
その隣には小五郎が腕を組んで立っていた。
「ワシは豪華ディナーだけ楽しめれば十分だ。」
「事件なんて起きなきゃいいがな。」
コナンは苦笑する。
(……そう言うと大抵事件が起きるんだけど。)
⸻
そこへ一人の少女が近づいてきた。
肩まで伸びた黒髪。
首から一眼レフカメラを提げている。
白石美月。
高校二年生の写真部員であり、これまで幾度もの事件をコナンたちと乗り越えてきた少女だ。
「おはよう!」
「みんな、待った?」
蘭は笑顔で手を振る。
「全然!」
「美月ちゃんも招待されたの?」
「うん。」
美月は船を見上げる。
「今回は船旅の写真コンテストもあるんだって。」
「夕日や海の写真をいっぱい撮りたいな。」
コナンも微笑んだ。
「美月さんなら最優秀賞を取れそうだね。」
「えへへ。」
少し照れながら、美月はカメラを握り直した。
⸻
一方その頃――
船内の特別展示室。
警備員たちが厳重な警戒を続けていた。
ガラスケースの中には、一つの青い宝石。
その名は――
“アクア・レガシー”
深海のような青色を放つ巨大なサファイア。
約四百年前、伝説の探検家が南太平洋で発見したとされる秘宝であり、「海が生んだ奇跡」と呼ばれていた。
館長のエリック・ローウェルは宝石を見つめながら静かにつぶやく。
「この航海が終われば、世界巡回展示が始まる……。」
「どうか何事も起きませんように。」
しかし、その願いとは裏腹に、展示室の監視カメラには黒い影が一瞬だけ映り込んでいた。
フードを深くかぶった人物。
その姿はすぐに暗闇へ消えていく。
⸻
乗船手続きが始まる。
大勢の乗客が次々と船へ乗り込む。
「それじゃ、行こうか。」
コナンたちもタラップを渡り始めた。
その時――
美月はふと足を止めた。
海風に揺れる一枚の紙が視界に入った。
それは船のパンフレットではない。
誰かが落とした古びた写真だった。
写真には若い男女四人が笑顔で並び、その後ろには現在と同じアクア・レガシーが写っている。
しかし裏面には、赤いインクで一文だけ記されていた。
「真の遺産は、海の底で眠る。」
「……これ、誰のだろう?」
美月がつぶやいた、その瞬間。
一陣の強い海風が吹き抜ける。
写真は美月の手から離れ、船の甲板へと舞い上がった。
「あっ!」
コナンが追いかけて拾い上げる。
裏面を見た彼の表情が、わずかに変わった。
「……この文字。」
「誰かが俺たちを、この船へ導こうとしているのか……?」
汽笛が鳴り響く。
ボォォォーーッ!
巨大なブルー・レガシー号はゆっくりと港を離れ、蒼い海へ向かって動き始めた。
まだ誰も知らない。
この航海が、日本を飛び出し、世界を巻き込む壮大な事件の幕開けになることを――。
⸻
第一章 終
次回・第二章「洋上の晩餐会」
船内で開かれる華やかな歓迎パーティー。その最中、「アクア・レガシー」が何者かに狙われる事件が発生します。コナン、美月、そして蘭たちは、豪華客船の中で始まる謎に挑むことになります。
コメント
3件
おお、第3話読んだわ!豪華客船の船出、めっちゃワクワクする導入だね🛳️✨ 新キャラの美月ちゃんが写真部って設定は、コナンたちの推理とどう絡むのか気になるし、「真の遺産は海の底で眠る」って赤いインクの一文がめっちゃ不穏でいい感じ🔥 次回の晩餐会でアクア・レガシーが狙われるって予告もニヤリとしちゃう——連載楽しみにしてるわ!