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流れ星(☆彡♡)
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コメント
1件
うわ、これめっちゃ好みのやつだわ…! 冒頭の毒リンゴの描写、一気に引き込まれた。しかもそれが夢オチかと思いきや、現実でもさつきが平然とリンゴ突っ込んでくるところがたまらん。 「天使のように微笑む」って書かれてるのに悪魔に見えるって、やばいよこの親友…。 やよいの“姫扱い”されてる感じとか、無意識にさつきを基準にしちゃう心情もすごくリアルで刺さる。 続きめっちゃ気になる!
赤林檎と白い雪
⚠️注意事項
・この作品は創作BL(一次創作)になっております
・グロ表現・流血・過呼吸(?)・4ネタなどが含まれています(正確には受けの子が4にかけます)
・受けの女装があります
・かなりドロドロです
・白雪姫をモチーフにしてますが、普通にドロドロです
主役は**和樺さつき×雪代やよい**という男の子たちです!(やよいくん右)
基本やよいくん目線で始まります!
途中何回か**野崎あきと**とやよいくんのcpらしきものが挟まりますが、ちゃんとさつやよなので安心してください!
以下のことに気をつけてお読みください!
おれの目の前にアップルパイが置かれる。マカロン、ショートケーキ、カップケーキなど、もっと甘いものがそこにあるのに。親友はわざわざおれにそのパイを渡した。
「、、、アップルパイ?」
「そうだよ。やよい好きじゃなかったっけ?」
「その逆。おれ、りんご嫌いなんだけど?」
「えぇ〜、好き嫌いはダメだと思うよ?」
「うるせぇな、、、。お前はおれのなんなんだよ」
「親友、でしょ? 」
彼がおれの前に座る。ここはどうやらガーデニングらしく、おれ達は外でお茶会を開こうとしていたらしい。
「ほーら、食べて」と彼がフォークをおれに向ける。そのフォークには、おれが嫌いなアップルパイが刺さっていた。
有無をも言わせない彼の笑顔に負けて、おれは一口だけ食べてみることにした。
ほんの少しだけ口に入れ、すぐに奥へと飲み込んだ。
「美味しい?」
「、、、嫌い」
一瞬しか口に入れてないのに林檎の味が口いっぱいに広がる。それを流し込みたくて仕方なかった。
目の前にある紅茶を手に取り、急いで味をかき消そうとする。だが、紅茶の味は林檎の味に負けてしまった。
「ゲホッ、ゴホッ、!!」とおれはつい咳き込んでしまった。彼はそんなおれの背中を優しく摩る。おれは余計咳が出てしまった。
止まらない。ずっと咳き込み続けてる。どんどん息ができなくなってきて、咳が出る前に急いで息を吸おうとする。
「ゲホッ、ゴホッ、!!ひゅ、ゲホッ、、はっ、ゴホッゴホッ、、、!!」
息ができない。苦しい。おれってこんなに林檎が嫌いだったっけ?
頭に疑問がよぎり続ける。なのに苦しくて何も考えられない。その質問に答えられないのだ。
ようやく頭が働いてきて気づいてきた。こんな反応おかしいって。
きっと、このアップルパイには毒が仕込まれてたんだっと。
おれは彼を睨む。こんなものに毒を仕込めるなんてこいつしかいない。
彼はおれの背中をさすりながら、ずっと笑っていた。その笑顔が絶えることもなく。本当にずっと。
なんだか、とても怖く感じた。
そんなことを考えている間にも毒が回ってくる。口が林檎の味から鉄の味へと変わっていく。
ダメ。これ以上は、、、!!
おれは口を押さえ込んだ。が、そんな小さい蓋は当然意味がなく、おれの口から大量の赤い液体が出てきた。ドロドロと赤黒くて、気持ち悪い。
全身から汗が吹き出て止まらない。これは焦りなのか毒の反応なのか。もうわからない。
もう、むり、、だ、、、。
「、、、そんなに嫌だったんなら、断わればよかったのに。 」
視界が急に白く光る。親友の声が聞こえてきて、それで目を覚ました。
「いつまで寝てるの?もう昼だよ?」
彼は呆れたような顔をして溜息をつく。彼の手には2つの弁当が握られており、おそらく片方はおれのために持ってきてくれた弁当なのだろう。
「おはよう。大丈夫?死にそうなの?」
「、、、さつき、大丈夫。生きてる」
「ならよかった。けど、君が寝たら死んでるみたいだからやめてね」
「寝るなってこと?」
「そういうこと」
「無理に決まってんだろ」
目の前にいる男はおれの親友、さつき。
ガタイがよく、 黄色の髪に緑のグラデーションが入っている天然パーマ、綺麗に整っている顔立ち。
「女子にモテる男と言えばこいつ」と言われるくらいにはいい外見を持っている。
しかも、こいつは性格的にもかなりモテる。気遣い上手で優しい。正直男でもキュンとするくらいには普通にイケメンである。
(尚、本人はそういうことに興味がないそう)
かと言うおれはその逆。逆と言っても外見が悪い訳ではなく、普通にいい方ではある。だが、華奢な体と少し丸みのある目のせいで、女子にモテるより男子にモテていたりする(本人自覚あり)
よく「姫みたい」と言われるが、そんな言い方されるのはウザイしムカつく。だが、おれ自身もこの容姿をかっこいいと思ったことはない。
だから正直こいつの容姿が羨ましいのはかなり共感できる。おれもこのくらい大きくなりたいものだった。
さつきがおれの顔を覗き込む。顔は少し不服そうで怒っているように見えた。
「、、、怒ってる? 」
「怒ってない。僕の話全然聞いてくれないな〜って見てた。」
「怒ってんじゃん。」
さつきは頬を膨らませながら、おれに弁当を渡す。怒っててもおれのために弁当をくれるというのは、こいつが優しいという証拠だろう。
「拗ねんなよ。ほら、早く食べようぜ」
「、、、それ、さっき僕が言ったよ」
「、、、めんどくせぇ」
「今度からお弁当いらないね」
「うそうそ、冗談だってば!」
と言いつつも二人で向かい合いながら席につく。そしてお弁当の蓋を開けた。
いつも通り豪華なおかずばっかり詰め込まれている。おにぎり、唐揚げ、卵焼きなど、おれが好きそうなものがギュッと詰まったものだった。
しかし、さつきの手に持っている物で顔をつい顰めてしまった。
「お前それ、、、」
「?これ?林檎だけど?」
「よりにもよってなんで林檎なんだよ、、、。 おれが食べられないの知ってんだろ?」
「仕方ないでしょ。お母さんが林檎買いすぎちゃって余ってるんだから」
「別にやよいに渡す気なんかなかったし」
そう言い、さつきは弁当の中からオカズをつまんで食べた。よくわからないが、さっきから妙に冷たい気がする。
なにかに怒っているのだろうか。それとも、おれが何かしてしまったのだろうか。考えても思い当たる節はない。
ジーッと眺めてるとおれの視線に気づいたさつきがクスッと笑った。
「なぁに?食べたいの?」
「いや、別にそんなんじゃ、、、」
「ちょうどやよいのお弁当に入れてないものがあるんだ〜」
「え?なんだよそれ」
「ふふっ、食べたい?」
「何かによるんだけど、、、」
「それなら、目瞑って」
さつきがニコッと笑う。いつも通りの感情が無さそうな笑顔に内心ホッとしつつも、無意識に目を瞑ってしまった。
「はい、あーん」とさつきの落ち着いた声が聞こえる。口の中になにかを入れられた。
口の中のものを噛んでみると、シャクッという音が聞こえる。そして、そのあとすぐに何を入れられたのか気づいた。
「んぐっ、!?!?おまっ、これっ!!!」
急いで口からそれを出す。最悪だ。口から出されたそれを見ると、案の定林檎だった。
「おまえ、、、やりやがったな、、、っ!! 」
「ん?なんで?食べたかったんでしょ?」
さつきが天使のように微笑む。(今なら天使ではなく、悪魔に見えてきた。)おれは精一杯の顔で睨んだ。口から残りの林檎を吐き出して。
「ん”ん”ん”ッ!!」
「ん?もしかしてなんでこんなことしたか聞いてる?」
「だって、そんなに見られたら気になっちゃうでしょ?」
「そんな理由で林檎を入れんなよっ!!おれが食べられないの知ってんだろ!!」
「アレルギーではないんだよね?じゃあ大丈夫大丈夫〜」
「お前の場合アレルギーでもやってくるだろ!!」
「やらないよ。もう1回お口塞ぐ?」
「物騒だわ!!」
さつきと言い争っていてもキリがない。おれが1番さつきに聞きたいことを聞いてみた。
「なんかお前今日変だぞっ!!何に怒ってんだよっ!!」
「、、、、、、」
さつきが無言になる。普段ならここで「別になんも怒ってないけど?」とか嫌味ったらしく言ってきそうなのに今日は何も言わない。
それどころかいつもより怖い顔で睨まれる。
「、、、何に怒ってるんだと思う?」
「は?」
「だから、何に怒ってるんだと思う?」
「な、なににって、、、。わかんねぇから聞いてんのに!?」
さつきが溜息をつく。そしておれに向かって倒れ込んできた。
「うわっ!!」とおれは彼に抱きつく。彼はそんなおれをギュッと抱きしめて、離さない様子だった。
「な、なにすんだよ、、、」
「、、、やよいさ、僕たちの文化祭の演し物覚えてる?」
「だ、演し物?たしか演劇だよな、、、??」
「そう。それで僕たちはなんの劇をするか覚えてる?」
「えっと、、、たしか『白雪姫』だろ?」
「はぁ、、、ここまで言ってるのにまだ分からないの?」
さつきが呆れたように言う。分かんないから困ってるのに。だが、そんなこと言ったらこのあとどうなるか分からないため、真面目に考えてみる。
今年の文化祭の演し物、、、なにかあったっけな?
「よし!それじゃあ何の演劇をやるか決めてくぞ!!」
高校生の大切な行事、文化祭。1年B組(さつきとやよいのクラス)では、先生の要望で演劇をすることになった。
と言ってもまだ1年生なため、技術的にも弱いだろうし全力でやっても意味はないと思う。が、一応前向きに協力しているように見せていこう。もしサボってるのがバレて、目をつけられたら溜まったものではないからな。
「先生から貰った候補は『赤ずきん』、『シンデレラ』、『ロミジュリ』とかだったぞ!」
どうしてこんなに童話縛りなのだろうか。童話は魔法やファンタジーが多いから、表現するのは難しいだろうしかなりキツいだろう。それにロミジュリに関してはプロの人たちが演劇でやってるくらいだ。
おれたち1年生がやるのは高難易度だろう。
さすがのみんなもそれを分かっているのか、あまり乗り気では無さそうだった。大人しくカフェとかにしとけばいいのに。
だが、急に1人が手を挙げた。
「なら、『白雪姫』でよくない?」
『白雪姫』はたしかにファンタジーではあるが、小物とかで再現できるしやるとしたら楽そうではある。
「それなら『白雪姫』でいいか?」
満場一致で手を挙げる。つまり、今年のおれたちの演劇は『白雪姫』に決まったということだ。
正直、おれにはあまり関係ないだろうし、そのままボーッと時が過ぎるのを待っていた。
「、、、ということで、クラス会議は終了だ!これから文化祭に向けて頑張ろう!!」
と、クラス委員長が喋っていた時には、おれはもうぐっすりと眠りについていた。クラス全員が「えいえいおー!!」と元気な声を出していた。
そして、おれは夢を見た。親友に毒を盛られて殺される夢。
最後に言っていた親友の言葉は何だったのだろうか。思い出せない、、、。
「、、、ごめん、さつき」
「おれ、その時ちょうど寝てて覚えてないわ」
さつきが呆れた顔で睨んでくる。自分より遥かに大きい彼に睨まれると、少し怖く感じる。
「、、、それじゃあもしかして、劇の配役のことも覚えてないの?」
「配役?あー、それ決められてる頃にはもう寝てたわ」
「、、、そう。なら、白雪姫の配役も知らないんだね」
「白雪姫?知らんな。」
「そんなことで文化祭やっていけるの?」
「はあ?裏方くらいならおれにでも、、、」
おれが否定しようとした瞬間、さつきは「違うよ」と話を遮った。
「ち、違う?」と首を傾げると、さつきはため息を着いて言った。
「白雪姫の役はやよいに決まったんだよ。」
「、、、は?」
「だからね、やよいが文化祭のときに白雪姫役をやらないといけないの」
「、、、な、なんでだよ!?!?!?」
「なんでって、自分がOKを出したんじゃん」
おれは「はあ!?」と大声を出した。思い出そうと試みるが、全然思い出せない。さつきが困ったように説明した。
「君がクラスの人に誘われたんだよ。ダメ元でね」
「そしたら君、何回も首で頷いてたんだよ?」
変な汗がダラダラと出てきた。頷いてると言うよりかは、眠たくて首がこくこくと上下に動いてたんだと思う。
「今からでも降りる方法は、、、」
「ないでしょ。諦めて」
さつきに冷たくあしらわれる。くそっ!さつきも助けてくれないのかよ!!
別に役自体をやるのはいいのだが、白雪姫役というのが気に入らない。おれはこれでもれっきとした男だし、姫役なんて務まらないだろう。
ふと、急に気になったことをさつきに聞いてみた。
「、、、ちなみに王子役は?」
「あー、、、あれ」
さつきが指をさしたのは、 陽キャグループのリーダーである野崎だった。
野崎はこのクラスにいる中で上位に入るくらい顔がいいモテる男だ。ノリが良くて面白いし、普通にイケメンである。
女子が立候補しなかったのが逆におかしいくらいだった。
野崎と目が合う。ニコッと王子様スマイルで微笑まれた。正直王子様スマイルだったらさつきで慣れてるし特にドキッともしなかったが、気まづさで目を逸らしてしまった。
「、、、、、、」
「?さつき?どうした?」
「、、、いや、別に?」
いつも通りの顔で笑う。が、さつきの目は笑っていないようだった。
5時間目。文化祭準備が始まった。おれたちは演劇をやるためか、舞台セット・衣装・演技練習などでかなり忙しいようだった。
かと言うおれは白雪姫役だからだろうか。何もせずみんなが動いているのをジッと見ているだけだった。
何か手伝おうとしても、「姫なんだから何もせずにそこで見てて」と言われる。もう姫扱いなのがイライラするが、そこら辺は大目に見てやった。
さつきが忙しそうにバタバタと準備をしている。さつきは今回裏方らしく、舞台セットなどの担当をしているらしい。
色々な人に指示を出しては、自分もすぐに出来るところに取り掛かろうとする。社畜の鏡とはあれのことを言うんだろうか。正直、1番忙しそうにしているのが、さつきな気がする。
だが、そんな彼の様子を気にせず、みんな彼を頼ろうと声をかけている。
こんなときにまで笑顔で対応しているのは、流石だと言うべきだろうか。
おれが不貞腐れたような顔でさつきを見つめていると、彼は気づいたようで近づいておれの頬を抓った。
「にゃ、にゃにすんだよっ!!い、いひゃいいひゃい!!」
「なに見てるの?見世物じゃないよ?」
「おみゃえらがここで見とけつったんだりょ!! 」
「口が悪い。白雪姫はそんな事言わないよ?」
そう言うとさつきはおれの頬から手を離した。抓られたところが赤くなっている気がする。ムスッと頬を膨らませてさつきを睨む。
さつきはそれを全て無視して、また作業に取り掛かってしまった。
すぐ、そうやって作業に戻るんだな。お前が1番疲れてるだろうに、、、。
理由は分からない。が、なんだか無性にイライラしてくる。なにか気分転換がしたい。
そう思った時、ふと後ろから声が聞こえた。
「やべっ!衣装のための布とか材料を買い足すの忘れてた!!」
「ど、どうするよ!?俺たちまだ作業終わってねぇぜ??」
好都合だ。おれは立ち上がって2人に話しかけた。
「材料が足りないって言ったか?」
「あ、姫」
「姫って言うなっ!!」
「そうなんだよ!でも買い足しに行く時間が無いし、、、。」
「ならおれが行ってきてやるよ」
「えっ!?いいのか!?」
「でも雪代1人じゃ不安だぞ? 」
「おれも男だぞ?1人でも行ける、、、」
「いやいや!!お前すぐナンパされそうだもん!!誰か呼ぶか、、、。」
いいって言ってるのに何も聞いてくれない。これでも一応男だぞ。もしナンパされたとしても普通に回避くらいは出来る。
だが、そんな話聞いてくれそうになくておれはそのまま放置した。
「そうだ!!野崎!!一緒に行ってやれよ!」
彼に呼ばれたのは、まさかの野崎だった。多分白雪姫と王子とかいう繋がりにしたかったのだろう。
野崎が奥から出てくる。「どうしたの?」と優しそうな声で聞いてきた。
「実は雪代が買い足しに行ってくれるみたいなんだけどさ、なんか不安で、、、」
「お前は大袈裟なんだよ。おれ1人で普通に行ける。」
「んー、でも荷物とかが多くなったら大変でしょ?俺も行くよ」
野崎は優しそうに微笑む。モテるというのも納得が出来る。さり気ないフォローは好きになる理由の一つだ。たしかに、これは男でもドキドキするのかもしれない。
「わりぃ。じゃあ、一緒について来てくれ」
「大丈夫だよ!それじゃあ、行こっか」
野崎はおれの手を握って外へと連れて行った。
「、、、、、、」
おれと野崎がショッピングモールへとつくと、野崎はおれの手を引っ張ってクレープ屋へと手を伸ばした。
「あっ!ねぇ、あれ食べてみたくない?」
「あれって、、、クレープのことか?」
「そう!」
野崎が目を輝かせて言う。たしかに、クレープというものは本来女子が食べるものであって、おれたちが食べるようなものではないからな。
食べてみたいと思うのもわかる。
「なら買ってくるか」
「えっ?いいのっ?」
「最初っから買うつもりだったくせに、、、」
「えへへ、嬉しいな」
野崎は照れくさそうに笑うと、クレープ屋さんへと向かって行った。
手から持ってきたのはチョコバナナといちご生クリームと、かなり定番なものだった。
「どっちがいい? 」
「バナナ」
野崎にチョコバナナクレープを貰う。それを一口だけ食べてみた。
甘いチョコの味とバナナの味が混ざって伝わる。甘いもの好きとしては、かなり嬉しいものだった。
「んっっま!」
「だよね!!俺も好きだな!」
たまにはこういうのも悪くないと思い、口にもう一口入れる。今度はさつきと遊ぶ時に食べてみたいものだ。
さつきだったらきっと、おれへの嫌がらせで林檎とかのクレープを買ってくるのだろうか。そもそも、そんなクレープがあるのかは知らないけど。
「美味しいね!」と野崎が話しかけてくる。おれは慌てて返事をした。
本当に悪い癖だ。さつきとは中学の頃から一緒だったせいか、なんでも新しいことに挑戦するとさつきを誘いたくなってしまうのだ。
この癖は本当に治さないと、いつか社会に出たときに困るだろうから治したいものだ。
「てか、食ってたらダメじゃね?」
「早く目的のもの全部買って帰ろーぜ」
「そうだね!お腹も膨れたしね!」
野崎はすぐに立ち上がり、ゴミ箱にクレープのゴミを捨てた。そして、またおれの手を握る。こいつはおれのことを子供か弟のなにかだと思ってるのだろうか。
そう思われたら思われたら嫌だと感じる。まあそんなこと思ってるのかどうかなんて、知らないことなんだけど。
「って、その前にお手洗いに行ってきてもいい?」
「おう、いいぜ。ここで待ってるからゆっくりでもいいからな。」
「ありがとう!」
そう言うと彼はトイレのある方へと走って行った。
暇だ。1人になることが苦というわけではないが、せっかく買い出しに来たのに何も買えずにここにとどまるのもキツイだろう。
まあたかがトイレなんだから、何時間もかからないとは思うけどな。
そうやって待ってると目の前で綺麗な女の人が男の人たちに話しかけられている現場を目撃した。所謂ナンパというものである。
「お姉さん今暇だよね?俺達と遊ばない??」
「結構いい店知ってんだよね〜!!」
「あの、私用事があるので、、、」
「そんなこと言わずにさ!ねっ!!」
男は女性に許可も取らず、腕を肩に乗せる。女の人は嫌がっており、迷惑そうな顔で追い払おうとしていた。だが、女と男の力の差は明確だ。
女性は押されていき、最終的に壁ドンのような体勢になっていた。
「ねぇ、ちょっとだけ。いいでしょ?」
「無視されると悲しいんだけど〜??」
「ほ、本当に迷惑なので、、、」
さすがに見ていられない。おれはその場から去り、女性の前へと立った。
「すみません。この子おれの知り合いなので」
キリッとした顔で睨む。男たちはナンパを邪魔されて、一瞬嫌そうな顔で「あ”あ?」と圧をかけてきた。 だが、これでも一応男だ。動じないし、なんなら怖くない。
「俺達今この子と話してんだけど??」
「だから、この人はおれの連れだって言ってるじゃないですか」
「邪魔なだけなのでどっか行ってください」
「ちっ、舐めやがて」
男に舌打ちをされる。だが、急に男たちの勢いが止まる。おれの顔をしっかりと見てから、また勢いが増してきた。
「よく見たら君も可愛いじゃん!」
「もしかしてこのお姉 さんの妹さん?美人姉妹だね〜!!」
「イケメンの俺たちとダブルデートとかどう?」
態度が一変する。どうやらおれのことを女だと勘違いしているようだった。頭に血が上る。普通にキレそうだった。
「っっ!!だっれが妹だよっ!!」
「おれは男だっ!!正真正銘のなっ!!」
声を荒らげてそう伝える。が、冗談だと思われ、「えぇ〜wそうは見えないけどな〜w」と笑われてしまった。
イライラする。腸が煮えくり返りそうだ。
しつこいナンパ師にキレようとすると、おれの前にある男が立った。野崎だ。きっと今お手洗いが終わったのだろう。
「あの、俺の連れになにか?」
「は、はぁ?お前に関係ないだろ!!」
「そ、そーだそーだ!!てか、その子とどういう関係なんだよっ!!」
「君たちに関係ないでしょ。」
野崎が男たちを睨みつける。男たちは完全に野崎にビビっているようだった。
無理もない。だって野崎は普通に学年の中でトップレベルに体格がいいからだ。
1番はどうせさつきだろうけど、さつきにも普通に追いつけそうなくらい身長が高く体格がいい。
ここでもおれとは正反対だった。