そんなある日、革命が起きた。
銃声が家の前から聞こえて、驚いて見に行くと、ロシア帝国さんが、ソ連さんに殺されていた。
これは、後から聞いた事だが、実の息子に殺される化身はそう少なくは無いそうだ。
辺りは血の匂いが充満してて、白銀の雪は、血に染まっていた。
正直、何の感情も生まれなかった。ただ、命って脆いんだな。と痛感しただけだった。
ロシア帝国さんは、頭を銃で撃ち抜かれ、身体は鎌で斬り刻まれていた。
でも、ロシア帝国さんの死に顔は、穏やかだった。何故、そんな顔をして死んだのか、俺には到底理解できなかった。
ただ1つ、俺が気になったのは、兄さんの事だ。
ドールは、自身の主が死んでしまえばガラスが砕け、空に溶け込むように死ぬと聞く。
もしかしたら、兄さんも死んでしまっているかもしれない。そう考えて、俺は慌てて兄さんの部屋に向かった。
冷や汗が流れる。
心臓の音がやけに五月蝿い。
俺の息が荒くなってるのがわかる。
でも、笑えるぐらいに、頭は冷静だった。
俺の後ろから兄貴は血相を変えて兄さんの部屋に向かってる。
兄貴、自分の主の事、置いてけぼりにしてる。
なんて事を思考していると、兄さんの部屋の前に着いた。
冷たく感じてしまう鉄のドアノブをに手を掛け、ガチャッと音を立ててドアを開ける、
「兄さん!」
気が付けば俺は叫んでいた。今まで叫んだ事なんて無いのに。







