──とある少女が17歳になった日
「長いね~ここでの生活」
と、愛が語り始めた、その言葉に少女は
「そうだね~」
と返す、いつもいつも似た様な会話を続けている
一昨日もこの様な事から会話が始まった
「けど、後三年でこことはおさらばだね」
と、愛が話を続け始める…いつも通り、少女はそれを黙って聞いている
「あたし達、ここから出たら離れちゃうのかな?」
と、愛が寂しそうな瞳で問いかけてくる
「……分かんない」
と少女が返す、未来は誰にも分らない
今の自分次第で未来が決まるのだから、無難な答えだろう
「こんなに仲良くなったのに、離れるなんて酷だね」
と、愛が哀愁漂う声色で語り掛ける
「……そうだね」
少女は少し考えながら返す
「…じゃあさ!約束、作らない?」
と、愛が提案する、その言葉に少女は
「…約束、??」
と返す、急な提案に頭が追い付いていない様だ
「そう!離れても忘れない様に…みたいな?」
と、愛が少女に説明する
「あ~…なるほどね」
と、少女は言う、理解出来た事が判明した為、愛が話を続ける
「とは言っても、どういう約束にしようかはまだ決めてないんだよね~…」
と愛が語る、唐突に決定した事なので
提案した本人もまだ、どういう約束をするかは決めていない
「じゃあこういうのは如何?SNSってあるじゃん?」
「んで、SNSの~…X、だっけ?の名前に、それぞれの名前の一文字入れようよ!」
と、愛が持ち掛ける…SNSを使用した約束だそうだ
「うん、いいと思う…!!」
と少女が返す、少女も納得した様子である
「じゃあ決まり!忘れないでよ~??」
と、愛が茶化すと…
「も~、忘れないよ!!」
と少女が返す、いつも通りの平穏な日々
──少女はこの平和な日常を、ずっと続けていきたいと思っていた
‐第三章∼狩人の誓約∼‐ Fin