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とうとう開幕した、リアル人狼ゲーム。
僕は、恐ろしくて怖くて仕方がない。
もし、僕自身が人狼になって、みんなを殺すことになったら…
そう考えただけで、胸が苦しくなって…。
『それでは、部屋割りを発表しますね。』
学園長が言った途端、僕たちの頬に刻まれたバーコードが光り輝き、部屋割りが浮かび上がった。
『最初に表示されたフロアは二階です。名前は『ディスペアーフロア』。フロアリーダーはジェイド・リーチさんです。』
二階のフロアの名前は、『ディスペアーフロア』…。
ディスペアーって…
「『絶望』、という意味ですね。」
ジェイド先輩が目を細めた。
「つまり、翻訳すると『絶望の階』…」
僕は震え上がった。
絶望だなんて…とても嫌な予感がする。
『次に表示されたフロアは三階。名前は『マッドネスフロア』。フロアリーダーはアズール・アーシェングロッドさんです。』
次は『マッドネスフロア』。
「マッドネスは『狂気』という意味だ。」
ツノ太郎がぽつりと呟いた。
「『狂気の階』…か。」
このまま行くと、僕の部屋の階も変で不気味な名前が付けられているのだろう。
『最後に表示されたフロアは四階。名前は…あれっ、名前がありませんねぇ。』
「えっ…? 名前がない?」
「どういうことだ? 僕たちのフロアには、恐ろしい名前が付けられていたぞ?」
デュースが問う。
『運営が名前をつけるのを忘れていたらしいですねぇ。まぁ、『ノーネーム』でいいでしょう。』
「ノー、ネーム…??」
『名無し』。
管理者が名前をつけるのを忘れるだなんて…。
どうしたのだろうか。
管理者なら、もっと責任を持ってほしいものだ。
『まぁこういうアクシデントもあるものですから。さぁ、部屋に向かってください。この廊下を真っ直ぐ行った突き当たりを右に曲がると、銀に輝く小鳥が羽ばたく階段があります。左に曲がると、金に輝く蝶が舞う階段があります。どちらからでも部屋に向かうことができますので、ご自由にどうぞ。』
学園長の声は、それを最後に聞こえなくなった。
周りが明るくなり、周囲が見えるようになった。
そこは、舞踏会の会場のような輝くフロアだった。
金が散りばめられた床に、僕たちは立っていたらしい。
凹凸一つない、踊りやすそうな感じだ。
吹き抜けの天井に、真新しいシャンデリアが飾ってある。
様々な宝石が散りばめられて、より一層輝いている。
「俺たちはこんな場所に突っ立ってたってわけか。チッ、面倒くせぇ。」
レオナ先輩が威嚇した。
「まぁ、とりあえず部屋に向かうわよ。」
ヴィル先輩が先頭になって、階段に向かっていった。