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【彼女が一人でシていたら】
湯船から上がり、髪から滴る雫をタオルで拭いながら、静かにバスルームの扉を開けた。
深夜の静けさ。彼女はもう眠っていると思っていた。
けれど、寝室のほうから小さな息遣いが聞こえてくる。
……不自然に乱れた吐息。
足音を殺して廊下を進む。
ドアの隙間から漏れる月明かりに照らされて、彼女がベッドの上で身を震わせているのが見えた。
胸がざわつく。
俺の名前を小さく呟きながら、シーツを握りしめている彼女。
――俺がいないときに、そんなことしてたんだ。
喉が渇くような感覚に襲われる。
けれどすぐには声をかけず、そっと部屋に足を踏み入れた。気づかれないように、呼吸まで浅くして。
彼女のまつ毛が震えて、今にも涙が零れそうな表情。愛しさと切なさが一気にこみ上げ、ベッドのすぐ傍に腰を下ろした。
「……なにしてんの」
低い声で囁くと、彼女はびくんと跳ねて、慌ててシーツを胸元まで引き上げる。
振り返ったその瞳は真っ赤に潤んでいて、言い訳なんてできない状態だった。
「……俺に隠れて、そんなことするなんて」
思わず笑ってしまうくらい、可愛すぎて。
彼女の手を掴んで布団から引き寄せる。
「……もう一人でしなくていい。俺がいるから」
そう囁くと、亮はゆっくりと彼女の衣服を脱がしていく。
布越しに隠していた熱を、ためらいもなく露わにする。
彼女は恥ずかしさに顔を覆ったが、亮がその手を優しくほどき、深く口づけた。
指先が彼女の奥を探り当て、柔らかく動き出す。
「…..っ、あ……亮……」
声を漏らす彼女の様子に、亮の瞳は熱を帯びる。
「……〇〇、愛してるよ、」
そう言うと、 彼は自分の身体を彼女に重ねる。
熱を帯びたものが彼女の中にゆっくりと押し入っていく 瞬間、彼女は息を詰め、小さな声を上げた。
「んっ…..!」
「大丈夫……ゆっくり入れるから」
一番深いところまで到達すると、彼女の体は小さく震え、熱に包まれていく。
亮はしばらく彼女の中の感触を味わうように静止し、彼女の頬を撫でながら唇を重ねた。
やがてゆっくりと腰を引き、再び押し入れる。
その動作に合わせてベッドが軋み、彼女の口から抑えきれない声が洩れる。
「んっ……あ、ぁ…..」
「…..可愛い声。我慢しなくていいから」
打ち込むたびに彼女の身体が小さく跳ねる。
彼女の腕が亮の背中に回って、必死に抱きしめ返す。
「亮……もっと……来て……」
涙を滲ませて求める声に、彼はさらに強く彼女を抱きしめた。
「……こんなに俺のこと欲しがって……たまんねぇ」
吐息混じりに囁きながら、彼の腰の動きは次第に激しくなっていく。
深く繰り返される衝撃に、彼女は息を乱し、脚を震わせながら彼を受け止める。
「んっ、あぁ…..っ、亮…..っ、もう……」
彼女の中が甘く締めつけるたび、亮は低く唸るような声を漏らし、堪らずさらに奥まで突き上げる。
「…..〇〇、俺もう……」
限界に近づく二人は、互いの名を呼び合いながら最後まで深く重なり合い、同時に大きな波に呑まれて果てた。
亮は荒い息を吐きながら彼女を抱きしめ、額を合わせ る。
「…..俺以外、絶対考えるな。俺が全部満たしてやるから。」
彼女は力の抜けた身体を亮に預け、幸せそうに微笑ん だ。
熱に包まれた二人の夜は、まだ終わりを迎えそうになかった。