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吉沢亮(短編)

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吉沢亮(短編)

31 - 彼女が一人でシていたら

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2025年08月18日

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【彼女が一人でシていたら】


湯船から上がり、髪から滴る雫をタオルで拭いながら、静かにバスルームの扉を開けた。


深夜の静けさ。彼女はもう眠っていると思っていた。

けれど、寝室のほうから小さな息遣いが聞こえてくる。


……不自然に乱れた吐息。

足音を殺して廊下を進む。

ドアの隙間から漏れる月明かりに照らされて、彼女がベッドの上で身を震わせているのが見えた。


胸がざわつく。

俺の名前を小さく呟きながら、シーツを握りしめている彼女。


――俺がいないときに、そんなことしてたんだ。


喉が渇くような感覚に襲われる。

けれどすぐには声をかけず、そっと部屋に足を踏み入れた。気づかれないように、呼吸まで浅くして。


彼女のまつ毛が震えて、今にも涙が零れそうな表情。愛しさと切なさが一気にこみ上げ、ベッドのすぐ傍に腰を下ろした。


「……なにしてんの」

低い声で囁くと、彼女はびくんと跳ねて、慌ててシーツを胸元まで引き上げる。

振り返ったその瞳は真っ赤に潤んでいて、言い訳なんてできない状態だった。


「……俺に隠れて、そんなことするなんて」

思わず笑ってしまうくらい、可愛すぎて。

彼女の手を掴んで布団から引き寄せる。

「……もう一人でしなくていい。俺がいるから」


そう囁くと、亮はゆっくりと彼女の衣服を脱がしていく。

布越しに隠していた熱を、ためらいもなく露わにする。


彼女は恥ずかしさに顔を覆ったが、亮がその手を優しくほどき、深く口づけた。


指先が彼女の奥を探り当て、柔らかく動き出す。

「…..っ、あ……亮……」

声を漏らす彼女の様子に、亮の瞳は熱を帯びる。


「……〇〇、愛してるよ、」

そう言うと、 彼は自分の身体を彼女に重ねる。

熱を帯びたものが彼女の中にゆっくりと押し入っていく 瞬間、彼女は息を詰め、小さな声を上げた。

「んっ…..!」

「大丈夫……ゆっくり入れるから」


一番深いところまで到達すると、彼女の体は小さく震え、熱に包まれていく。

亮はしばらく彼女の中の感触を味わうように静止し、彼女の頬を撫でながら唇を重ねた。


やがてゆっくりと腰を引き、再び押し入れる。

その動作に合わせてベッドが軋み、彼女の口から抑えきれない声が洩れる。

「んっ……あ、ぁ…..」

「…..可愛い声。我慢しなくていいから」


打ち込むたびに彼女の身体が小さく跳ねる。

彼女の腕が亮の背中に回って、必死に抱きしめ返す。


「亮……もっと……来て……」

涙を滲ませて求める声に、彼はさらに強く彼女を抱きしめた。

「……こんなに俺のこと欲しがって……たまんねぇ」

吐息混じりに囁きながら、彼の腰の動きは次第に激しくなっていく。


深く繰り返される衝撃に、彼女は息を乱し、脚を震わせながら彼を受け止める。

「んっ、あぁ…..っ、亮…..っ、もう……」

彼女の中が甘く締めつけるたび、亮は低く唸るような声を漏らし、堪らずさらに奥まで突き上げる。


「…..〇〇、俺もう……」

限界に近づく二人は、互いの名を呼び合いながら最後まで深く重なり合い、同時に大きな波に呑まれて果てた。

亮は荒い息を吐きながら彼女を抱きしめ、額を合わせ る。

「…..俺以外、絶対考えるな。俺が全部満たしてやるから。」


彼女は力の抜けた身体を亮に預け、幸せそうに微笑ん だ。

熱に包まれた二人の夜は、まだ終わりを迎えそうになかった。



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