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吉沢亮(短編)

32 - 彼女の下着姿を見てしまったら

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2025年08月18日

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【彼女の下着姿を見てしまったら】



リビングに置き忘れた資料を取りに、亮が寝室のドアをそっと開けた。


──その瞬間、視線が止まる。

「……っ」


背中を向けて着替えている〇〇。

肩から滑り落ちそうなキャミソール。思わず目をそらさなきゃと思うのに、固まったまま動けない。

布が落ちて、下着姿があらわになった。


「……っ、亮!?」

振り返った彼女と目が合う。頬が一瞬で赤く染まる。

「あ、ご、ごめん!俺、ほんとに今のは……」

慌てて目を逸らして、ドアを閉めかける亮。

でも──。


「待って」

彼女が小さな声で呼び止めた。


振り返ると、恥ずかしそうに両腕で胸元を隠しながら、でも視線を逸らさずにこちらを見ている。


「そんなに……変だった?」

心臓が跳ねた。

亮は数歩近づき、彼女の髪に触れる。


「変じゃない。……綺麗すぎて、目、離せなかった」


熱を帯びた声。彼女の耳まで赤くなる。

距離が近づくたびに、着替えを中断したままのその姿が余計に意識されて、呼吸が乱れていく。


「……そんな顔、されたら」

亮は視線を逸らさず、彼女の頬に唇を落とした。


「もっと見たくなるだろ」


彼女が小さく震えて、ぎゅっと亮のシャツを掴む。

その仕草が、さらに彼の理性をかき乱していった──。




ベッドに押し倒された瞬間、シーツがくしゃりと音を立てる。


亮の体温がすぐ近くにあって、逃げ場のない熱に包まれる。


「……もう隠すなよ」

低く囁きながら、彼の指がそっと肩ひもをずらす。白い肌があらわになるたび、視線が熱を帯びていく。


唇は一度触れただけで終わらない。

何度も角度を変えて深く重なり、舌が絡まるたびに息が漏れる。


「声、我慢するな。……俺に全部聞かせろ」

耳元でそう言われると、身体が勝手に震える。

胸元に落ちる熱いキス、撫でる手、シーツの上で絡み合う脚。


理性を失ったみたいに強く抱き寄せられて、ベッドがギシ、と軋んだ。

触れ合うたびに熱が増して、もう後戻りできない。


「……〇〇、もう離さない」

低い声と一緒に、さらに深く重なるキス。

愛しさと欲望が混ざり合って、夜は甘く濃く溶けていった。


ベッドが軋む音が絶え間なく響く。

亮の体温が覆いかぶさって、息も触れる距離で絡み合う。


「……っ、〇〇……可愛い、もう、離せない」

低く震える声と同時に、身体が強く引き寄せられる。

肌と肌が密着して、どこに触れられても熱が走る。


重なった唇は何度も離れてはまた求め合い、深いキスのたびに声が漏れる。

「もっと……聞かせて」

囁かれるたびに、抑えようとして も小さな声がこぼれてしまう。

彼の動きに合わせてベッドが何度も音を立て、乱れる呼吸が部屋を満たす。

絡み合う指先、熱に浮かされた瞳。


「俺だけを感じてろ。……他のこと考えるな」

独占欲のにじむ声に、胸がきゅっと締め付けられる。

その言葉通り、もう亮のこと以外なにも考えられない。


夜は、甘く、激しく、果てしなく続いていった──。



窓の外はもう静かな夜の色。


ベッドの上で、乱れたシーツにくるまれながら、亮の腕に包まれていた。


まだ速い心臓の音が耳に響く。

それが自分のものか、彼のものか分からないほど近い。


「……大丈夫?」

額に落ちる彼の声は、さっきまでの激しさとは違って優しい。

「うん……」と答えると、亮は安堵したように微笑んで、髪に唇を落とす。


「可愛すぎて、俺、やばかった」

「……そんなこと言わないで」

恥ずかしくて顔を隠すと、その手をやさしく外されて、唇が重なる。

今度はゆっくり、確かめるようなキス。

互いの呼吸が混ざり合って、言葉よりも深い想いが伝わってくる。


「ねぇ……亮は、ずっと一緒にいてくれる?」

震える声で聞くと、彼は少し強く抱きしめた。

「当たり前だろ。……一生離さない」

その言葉に、胸の奥までじんわり熱が広がっていく。


腕の中で目を閉じると、彼の体温と心音に包まれて、安心に溶けていった。



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