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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「……始末……ですか……?」

「ええ。貴方達のせいで我らが“王”は非常にお怒りです」

リデルはブラックの首を絞める手を全く緩めずあくまでも冷静に答える。

「……私達が何をしたと?」

「……貴方達が居る限り我らはこの街の人達を救う事は出来ません。その事を“王”は嘆いておられます。故に私は貴方達を始末せねばなりません」

そう淡々と告げリデルは更に強く絞める。

(……私とした事が不覚でした……こんな時間にやって来る人に何の疑いも持たずに近付くなんて……疲れていたのでしょうか……)

その時。

「すまなーい!」

その声と共に現れたすまない先生がリデルを吹っ飛ばす。その衝撃でリデルはブラックの首から手を離す。

「ゲホッ……ゴホッ……」

「ブラック、怪我はない?」

「はい。問題ありません」

顔を上げると吹っ飛ばされたリデルがゆらりと立ち上がったところだった。

「……貴方達は……何をするんですか……私達はただこの街の人々を救うために、害となる貴方達を排除しているだけですのに……」

「僕達が害?こじつけもほどほどにしてくれるかな?何も迷惑は掛けてないんだから」

すまない先生は剣を構えながらリデルに近づく。リデルは顔を伏せている。

「貴様らなんかに……貴様らなんかに!トアール様の何が分かる!」

リデルは隠し持っていたナイフを振るう。

「なっ……!」

「貴様らなんかが!正義を語るな!そんな中途半端な正義が蔓延るから!影の部分はいつまで経っても劣悪な環境のままなんだ!」

リデルの振るうナイフを紙一重で避けるすまない先生。単純な戦闘のセンスはそこまで無いため避けるのは難しくないが、リデルの叫びが頭から離れない。彼女もまたすまない先生とは別種の、独特の正義感を持って戦っているのだ。

(例えそうだとしても……私達を始末する理由にはなりません……)

ブラックは電磁砲のエネルギーチャージを開始する。

キュイィン……

「っ……!」

ドォンッ!

電磁砲のエネルギーがリデルに直撃する。

「……消し飛びましたか……」

土煙が晴れるとそこにはリデルが無傷で立っていた。彼女の周りにはシルバーバリアに酷似した“ダークシルバーバリア”とでも言うべきものが貼られていた。

「なっ!あれは……シルバーバリア!?」

「それは銀さんの……まさか!」

すまない先生は顔を上げリデルを睨む。

「君が、銀さんを拐ったんだね?」

しかしリデルはあくまでもしらばっくれる。

「何の事かしら?銀さんなんて人拐った覚えはないわ。と言うかそもそも人を拐ってなんかいないのよ」

「シラを切っても無駄だ!そのシルバーバリアは銀さんの技だ!銀さんを拐ってないというならどこでそれを知ったんだ!何故それを使えるんだ!」

「……そうね……」

リデルは小さく呟くと身を翻した。

「取り返したければ来ると良いわ」

そう言い残して消えた。


____後には夜の静けさだけが残された____

白銀を染めし闇の宝冠

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ブラックが無事でよかった…でも銀さんを返せよっ!!

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