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死者のヴィーナス
スーナヴィーに来てから2週間が経った。僕らは毎日死者のヴィーナスについて調べた。そして僕はあの美しいヴィーナスにどんどん惹かれていった。ほっそりとした手首、整った顔立ち、、、あのヴィーナスから頭が離れない。
そしてとある夜、僕はハシュラムさんと夜、スーナヴィーのとある居酒屋へ飲みにいった。お店の建物にツタみたいな植物が張り巡らされ、独特で個性的な置物が置いてある、オシャレな店だ。お店に入るなり、ハシュラムさんと僕は飲み物を頼んだ。ハシュラムさんの長く、白い髭でどう飲むんだろうと思いながらハシュラムさんと話していると、ハシュラムさんがとある興味深い話しを始めた。
「死者のヴィーナスには都市伝説があるって知ってるかい?」
「都市伝説?なんですか、それは?」
「死者のヴィーナスは、満月の夜、月明かりに誘われて洞窟の外へと出るらしい。そこで、ヴィーナス達は動きだし、ダンスを踊るそうだ。まるで生きているかのように。」
「ダンス、、ですか、、、」
「そのダンスの中に生きている人間が入っちゃいけないよ。その人も死者のヴィーナスとなっちゃうから、、、」
「、、、」
「なんて、、ただの迷信だと思うけどな。」
僕はその都市伝説が気になった。もしその都市伝説が本当なら、あの美しいヴィーナスが生きているかのように動くところをみたいと思ったから。華やかに踊るあのヴィーナスの事を頭に浮かばせた。僕の心は死者であるあのヴィーナスに奪われていた。
そして僕は決心した。咄嗟にスマホを取り出し、次の満月の日にちを調べた。