「、、、さん、、、」
声が聞こえる
「、、、さん!」
ん、、、誰、、、?
起きなきゃ、、、
てか準備して仕事しないと、、、
朝弱いのによく公務員なれたな。俺。
凸さん料理出来たんかな、、、
あっうたいさんがトースト作ってくれてるかもだしどっちだろ、、、
「さもさん!」
目が覚めたのは
病院だった。
隣にいたのは凸さんでもうたいさんでもなく、、、
べるさんだった。
なんで病院?
「だから、、、行かないで、、、って言ったのに、、、馬鹿、、、」
起きて早々。
べるさんに愚痴愚痴言われているほんとに何故か分からない
「1ヶ月ずっとさもさん目覚まさなかったんだからね!」
「ねぇ、、、べるさん、、、」
「ん?どったの?」
「凸さんと、、、うたいさんは、、、?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私はずっとうたいさんに頼まれていた。
さもさんとうたいさんの距離を離すこと。そりゃそうだあんなのを聞かされてるからこそわかるが、さもさんとうたいさんが接触したらやばい事になる。
ただうたいさんは自分の罪状を話すと決めた。
それまでは良かった。
ただ、、、
一緒に死ぬ道までは辿らせては行けない。
絶対に阻止しなければならなかった。
ただそれでもさもさんは一緒に死ぬことを選んで、、、
うたいさんだけが死んだ。
その結果2人が居なくなった今次に関わっていたのは私とななっし〜で私の方が職場が近いというのもあり高頻度で面倒を見ていた。
その結果がこれ。
ってか起きて早々愚痴ったのやばかったかも、、、
だから会話がワンテンポ遅れる。
ましてやちゃんと話聞いてないとさもさんに話の主導権握られるのに、、、
「凸さんと、、、うたいさんは、、、?」
えっ、、、
忘れてる、、、?
私に聞くのは酷すぎない??
「えっとね、、、」
どーしよどーしよ
私一人が伝えていいもんなの??
ってかななっし〜!
「ちょっとまってて」
電話出来る場所まで行きななっし〜に連絡する。
「ってことなんだけど、、伝えていいと思う?」
『さぁ〜?伝えるんなら伝えれば〜?』
「なんでそんな他人事なのよ、、、」
『まぁ頑張れ!私編集あるから〜!今日やんないとやばいから』
そう言って一方的に通話が切られる。しょうがない、、、か。
そう思いながらさもさんの個室の扉を開ける。明日から検査なのかな?
「べるさんおかえり」
「ただいま」
言えない。
2人がさもさんだけを置いて死んだなんて。
だから、、、
「実はさ~ななっし〜がやらかしたらしくて〜!呼び出しくらっちゃったから帰んないと行けなくなっちゃったんだよね~ってなわけなのでごめん!帰る!」
ごめん、、、!
さもさんマジごめん、、、!
何とか走って背けたいと言う気持ちを抑えてさもさんを後にするのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日も面倒を見る。
検査の結果記憶が少し混乱してるらしい。私は怖すぎて現場の写真を見ていないが相当衝撃なもので記憶が混乱するぐらいにやばかったのだろうか、、、
ただ、、、
医者にちゃんと伝えられる事実は伝えて欲しいと言われてしまった。
「べるさんごめんそこにあるSwitch取ってくれない?」
「いいけど、、、本調子じゃないならスプラやめとけばいいのに、、、」
たしかにエペと違って頭空っぽでもできるけど、、、
「やっぱ凸さんとうたいさん忙しいのかな、、、?」
「っ、、、」
混乱して知らないに等しい瞳が私の方をみる。
本当は私だって言いたい。
2人は生きてるって。
絶対に死んでないって、、、
でもここは、、、ここは現実で、、、
2人とも死んじゃって、、、
「、、、私ね、、、さもさんに話さないといけないことあるんだよね、、、」
ちょっとだけさもさんの顔が歪む。
絶対凸さんとかなら告白とか〜?って言って馬鹿にするのに、しないのがすごくさもさんらしい。
だからこそ言うのを躊躇う。
私とかななっし〜とかうたいさんみたいな捻くれ者ならいいがさもさんみたいにちゃんと受け止めようという意思があるとむしろ話すこっちまで辛い。
「凸さんとうたいさんはね、、、」
「うん」
「、、、死んじゃったの、、、」
言っちゃった。でも言わないとだし、、、
「う、、、、、、そ、、、?」
ーーーーーーーーーーーーーー
なんで、、、?
なんで俺だけ残って、、、
「あっ、、、」
全て思い出す。
凸さんが捕まったこと。
自分の手で処刑したこと。
うたいさんから全貌を聞いた事。
うたいさんと死のうとしたこと。
うたいさんが目の前で死んだこと。
俺だけまだ生きていること。
「ごめん、、、ごめんなさいっ!、、、」
「さもさんを、、、さもさんを苦しめたいわけじゃないの、、、!」
「私もずっとずっと見てて苦しくて、、、私も2人が生きてて欲しくて、、、でもさもさんが病院で目が覚めてから2人のことを待ってる姿を見るのが私も苦しくて、、、本当に、、、本当に自分勝手でごめんなさいっ!」
べるさんが珍しく俺に抱きついてまでぐずる。
「本当は言わなきゃ良かった、、、!言わなければまたさもくんが気づくこともなかった、、、むしろ幸せだったかもしれないのに、、、ごめんな、、、さい、、、さもさん、、、ごめんな、、、さい」
むしろ俺はこんなにまでべるさんを追い詰めてしまうほどこの入院してる期間何してたんだろう、、、
記憶が無い。
「べるさんは悪くない、、、悪くない大丈夫だよ。」
そう言って彼女の頭を撫でる。
「でも、、、!」
「大丈夫。、、、べるさんは一緒にいてくれるでしょ?」
あれ、、?なんか意図せずヤンデレみたいになっちゃった、、?
「、、、うん」
「だから、、、泣かないで、、、」
俺だってずっとべるさん泣いてるの見るの辛いし、、、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それじゃぁさもくん。また、、、1ヶ月後会おうね!」
「ん。気おつけてねベる。」
「やだな〜転勤で飛ばされなければいつでも会えるのに~」
「はいはい。ちゃんと待ってるから」
「またね!」
「気おつけて」
『2番線〇〇号〇〇行きです。自由席は〇〇、、、』
そう言って今の恋人であるべるを送り出す。
帰りは少し遠回りをする。
海を見たいから。
ゴタゴタしたあの日々からまた1年たった。
今年はうたいさんもいないです。
べるも好きだけどそれでも凸さんのことが忘れられないです。
このまとわりつくようなじめじめした季節はいやでも2人を思い出します。
でも海に行くと自然とうたいさんを思い出せるような気がします。
でも、、、
俺だけが幸せになっちゃダメですよね。
この罪を背負って頑張って無理やりでも生きていこうと思います。
2人に託された俺の命が尽きるまで。
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