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…あれからしばらく経った。
夏も終わりに差し掛かって、僕は学校に通えるようになっていた。
前みたいに、ソ連や…満洲国、中国とも話せるようになった。
平穏、平凡な普通の日々。
嘘偽りで固まっている僕には、とても相応しくはないだろう。
ソ連)またな、日帝
去り際。
今日も自分より頭一つと半分程大きな身体から、低く落ち着いた声で…
片目を眼帯で覆ったままの、真っ赤な隻眼は僕を見下ろしてた。
それがすごく落ち着く。唯一偽らないでいられる気持ち。
日帝)…またね、ソ連
…ああ、今日もこんな気持ちで1日を終えられて良かった。
偽らないで済む。
僕の罪が減る。
…あれ、また…こんなに独善的で利己的。
僕は自分のことを好きになれない。
…僕は……
なんで?
なんで…?
思考が巡らない
呼吸が止まる
視界が揺れる
近くから、車の音。
……聞いたことある声だ。