橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
橙side
橙「はぁ、疲れた…」
さとみがいちごの王国の王子だと分かってから1ヶ月。俺はというと大学が長期休みに入ったのでバイトに没頭していた。
「とか言いながら何処か楽しそうだよねジェルくんw」
橙「?そうか?てか何笑っとんねん莉犬」
俺が溜息をついていると笑いながら話しかけてきた後輩の莉犬。
赤「あ、あれか前先輩が言ってた家族のおかげ?」
橙「うわーあいつ莉犬に話しやがって」
赤「ちょっと、それどういう意味ー?」
莉犬はジト目で俺を睨む。
こいつ人の事情にはグイグイ来るからめんどいんよなぁ、…
赤「家族ってことは弟さんとか?あれ、でもジェルくんって末っ子だよね?」
橙「……ま、なんでもええやろ」
赤「あ、はぐらかした!」
橙「いいから、ほら休憩終了!」
赤「ケチー!!」
誰がケチやねん
橙「ただいまー」
桃「!おかえり!」
玄関に入ると、さとみがリビングのドアからひょっこりと顔を覗かせた。
橙「お留守番ありがとな」
桃「俺に任せとけば留守番なんて朝飯前だよ」
橙「そうやなw因みに今は夕飯前やな」
桃「あははッwwwジェル最高!」
さとみは前よりも笑うことが増えてきた気がする。本人はきっと俺を心配させないようにしているのだと思う。
本当は罪悪感で押し潰されそうなくせに。
俺は泣いたせいか目を赤くしたさとみの頭をそっと撫でてキッチンへ向かう。
桃「…今日のご飯はなんですか〜」
橙「なんでしょ〜」
買ってきた材料を取り出し恒例となった夕飯当てゲームが始まる。
桃「これは〜卵だよね!」
橙「そうそう、じゃあこれは?」
桃「お肉…だけど何のお肉だろ…」
俺はヒントとして手をパタパタさせる。
桃「あ!鶏だ!」
橙「正解!」
桃「あとは…葉っぱ?」
橙「それは“みつば”って言うんやで」
桃「みつば…ま、まぁ知ってたけどね」
橙「なんやねんw」
知らなかったんだろうなぁ…と負けず嫌いなところも可愛くて仕方がない。
桃「むぅ…でも何作るのか分からない」
橙「あ、あと1番大事なもの忘れとったわ」
俺は炊飯器を開けて見せると?マークを浮かべるさとみ。
橙「今日は、ご飯が主役!親子丼を作りま〜す!」
桃「おやこどん…?」
さとみは目をキラキラさせながら「手伝う!」と張り切っている。
幸せだな…と感じつつ、あと何回このやり取りが出来るのだろうと悲しくなる。
もしさとみが王子じゃなかったら
もしさとみが悪役じゃなかったら
もしさとみがこの世界の人だったら
こんな思いしないで済むのだろうか
桃「っ!じぇる!天才!」
橙「ほんま?美味しい?」
桃「さいこう!!」
出来上がった親子丼を口いっぱいに詰め込むさとみ。
猫舌だから時々凄い顔になるけど…w
桃「ごちそうさまでした!」
橙「お粗末様でした」
そこから風呂に入り、テレビを見て1日の疲れを飛ばすようにさとみと過ごす。
桃「ん…」
橙「さとみ、眠いなら布団行こうな」
桃「んぅ…寝る前にあれ…」
橙「…分かった」
寝る前にやることが1つある。
桃「…今日は満月だね」
橙「…そうやね」
それは月の観察。
さとみ曰く、あちらの世界とこちらの世界の月は真逆らしい。
橙「今が満月…としたらあちらの世界は新月か」
桃「…じぇる」
橙「ん?どうした?」
桃「……もし、もしだよ。俺が、元の世界に戻れることになったら…じぇるはどうする?」
橙「……」
もし、さとみが元の世界に戻れるなら。
それは喜ばしいことだし望んでいたこと
でも
橙「…わからないわ」
桃「…」
橙「それでお別れ、ばいばいなんて嫌やし。それに…」
桃「…それに?」
橙「……、やっぱりなんでもないわwほら、もう寝ような?明日は朝の散歩に行きたいんやろ?」
桃「…うん!」
さとみと離れたくないんだ。
桃「うぅ…さっむ…」
橙「もう秋も終盤やなぁ〜」
久しぶりのバイト休み。せっかくなのでさとみと公園でピクニックをしに行った。
桃「じぇる、手ぇ痒い」
橙「あぁ…霜焼けやな、痒いやろ」
桃「寒いし痒い!」
橙「今度手袋買ってやるからな」
桃「む……」
橙「???」
何やら不満なことでもあったのか、さとみはぷくっと頬を膨らましている。
橙「ど、どしたん?」
桃「ん!」
怒ったように俺に手を見せるさとみ。
あぁ…そういうことか
橙「繋ぎたいなら素直に言えばええのに、w」
桃「別に、繋ぎたいとかじゃないし。寒かったから!お前の手あったかいんだよ!」
さとみと繋いでるから温かいんやで。
赤「わーお…」
橙「あ゛」
店の前を通りかかると丁度終わったのであろう莉犬と鉢合わせしてしまった。
赤「え、ジェルくんその子…もしかして」
彼女?とでも言わんばかりのニヤついた表情で見てくる莉犬にムカつきながら否定する。
橙「前言ったやろ家族やって」
赤「ふーん」
桃「じぇる、この人だれ」
橙「バイトの後輩の莉犬」
赤「はじめまして、莉犬です!」
桃「……さとみ」
赤「………もしかして…男?!」
橙「もしかしなくても男やで」
まじか!と驚く莉犬。まぁ驚くよな俺も女やと思ってたし。
赤「そっかぁ…さとみくん、よろしくね」
桃「………うん」
桃「…俺、あの人ニガテ」
莉犬と別れて帰路につくとさとみがポツリと言った。
橙「あの人って…莉犬?」
桃「うん、笑顔が…なんか怖い」
橙「そっかwまぁああ見えて良い奴やから」
桃「……うん」
桃side
橙「ほな、いってきま〜す」
桃「いってらっしゃ~い」
もう何度目だろうか分からないやり取りを終え、テレビをつける。
ジェルから貰ったノートとペンをテーブルに置き、録画を再生する。
女の子が好きであろうポップな曲調のオープニングを飛ばし、見始める。
俺の日課となったプ〇キュア鑑賞。
俺にはこの上ない手がかりだから、じっくりと見ながら少しの情報でも直ぐにメモをとる。
今分かっていること。
・俺は操られていた
・占拠された王国は元々いちごの王国だった
・俺はその国の王子だった
・俺はプ〇キュアとの戦いで心を浄化する攻撃をくらい、元に戻るはずが消えてしまった(こちらの世界にやってきた)
桃「…はぁ……」
溜息ついて涙を流しても解決方法は見つからない。
せめて、この世界と元の世界の関係さえ知れればいいのに……。
『はーっ!!』
『くそっ覚えてろ!』
『これでまた、平和へ一歩近づきましたわ!』
桃「平和ねぇ…、」
まだ王国は元に戻ってもいない。
俺が戻らなくちゃ話が繋がらない。
でも戻る方法なんて見つからないし。
桃「諦めるか…、」
『きっと戻ってきます!!!』
桃「…?」
『王子はきっと戻ってきます!私は信じています!』
俺のことを信じて待ってくれている人がいる。
桃「俺が諦めたら駄目だよな、w」
大丈夫。なんとかなる。
俺には最強で最高の味方がいるんだから。
桃「よし!じゃあお洗濯しなくちゃ!」
『_________』
桃「……?」
『___________!』
桃「あれ…この人って____」
橙side
モ「ジェル〜休憩入っていいぞ〜」
橙「はーい」
勝手口から出てゴミを出しに行く。
今日は早く上がれそうやからなにかお土産でも買おうかな。
あ、前のたいやき冷めてもうたからな〜出来たて買って帰ろうかな〜、
さとみ…喜んでくれるかな
橙「よいしょっ…と、」
ズキンッ
橙「ッ?!…、なんやろ疲れてるんかな」
ズキッ
橙「ッ!!…ッいった…」
『___________!!!』
橙「な…に…ッ」
『______!!ッ_________!!!』
橙「…、ッ?………はぁッ」
『……_______』
橙「…ッごめ、…さ、とみ…………」
赤「ちょっとジェルくん〜?勝手口開けっ放しにしないでよね〜、ってッジェルくん?!ジェルくんっ!」
皆さん〜!!!どうも!生きてます!てんです!
全然浮上出来ていませんでした…すみません…。
こちらの連載もやっと手をつけられた!
さて!次回は話の展開が大きく動きますよ!
楽しみに待っててくださいね!!
いじょ〜!!!
ベリーベリーグッパイ☆
コメント
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お久しぶりですてんチャン🙌🙌 あッたかい日常生活みてほわほわしてたら急に展開進ンでめちャ凄かッた…🫶(語彙力が…ない) 寒くなッてきてるから体調気をつけておくれ🙇ゆッくり自分ノペースで書いてね!✨
うわぁぁ!! 待ってたよ!てんちゃん✨ 楽しみにしてるねっ