コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「マナのことなんでしょ?」
「そうなんだ」
「何か良い案でも浮かんだの?」
「俺の母親に知り合いの産婦人科の先生がいるから、そこで何とかしてもらえないかって考えてる」
「お母さんにマナのことを話すの?」
「そのつもりだ」
「絶対無理だよ。いくら圭太のお母さんがマナを知ってるからって、子供をおろす手伝いをしてくれる訳ないよ」
「普通はそうだよな。でも――俺の子だと言ったらどうだ?」
「えっ!? そっ、そんなの――許される訳ない! ダメだよ、そんなの!」
振り返ると、眉間にシワを寄せて俺を睨みつけているゆずきがいた。
「でも、誰にも知られずにするにはこれしかない」
「ダメだって! マナのためにそんなことまでしてあげる必要なんてないよ。自分で撒いた種なんだから自業自得でしょ。少しは痛い目にあわないとわかんないんだよ!」
「ゆずき、言ってることがメチャクチャだぞ」
「そうかもしれない。でも、マナのためだからって圭太が犠牲になるのは認めないから」
「そう言ってくれるのは有り難いよ。でも、このままだとあいつ学校にいられなくなっちゃうだろ。あいつの友達って俺かゆずきしかいないし、あいつを助けてあげられるのって俺らしかいないだろ」
「そうだけど――私はそんなの許さない! もし圭太がそんなことするなら私は黙ってるつもりはないから!」
ゆずきがそう言って、この場から走り去ろうとしたので腕を掴んで制止した。
「離してよ!」
「待てって! まだ話はおわっ――」
あっ!?
飯塚「どうした? こんなところに呼び出して」
「飯塚先輩、実は私――」
飯塚「何か言いにくいことなのか?」
「はい――」
飯塚「言ってごらんよ」
「私、妊娠したみたいなんです」
飯塚「はぁ? 妊娠? おい、お前ら妊娠だってよ」
A「まじかよ」
B「おいおい、一体誰の子なんだ?」
飯塚「本当に妊娠してるのかい?」
「ほっ、本当です」
飯塚「でも何で俺にそんなことを言ってくる訳?」
「だって――」
A「飯塚が妊娠させたって言いたいの?」
「そうです――」
静まり返った放課後の屋上で、突然聞こえてきた聞き覚えのある声に、俺とゆずきはを息を飲んで見守っていた。
B「何か証拠あるの?」
A「ある訳ないっしょ。だって五十嵐さんて誰とでもやってるんでしょ?」
B「そうそう、俺たちともやった訳だし、誰が妊娠させたなんてわかんないでしょ?」
「わからないけど、あなたたち以外にやっていません」
飯塚「本当に? 俺たち以外にやってないの? マナちゃんてヤリマンだって噂だよ」
「私――そんなんじゃありません」
飯塚「そんなの信じられないよ。ヤリマンの君の言うことなんてね」
「そんな――」
飯塚――許せねえ。