テラーノベル
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放課後の独占
その日の部活後。
「奏音、帰ろ」
那月が自然に鞄を持つ。
するとすぐに太陽が割り込んだ。
「待って。今日俺も帰る」
「毎日帰ってるじゃん」
「今日は特に」
バチバチ。
さらに塁まで来る。
「数学教える約束」
「今日じゃなくてよくない?」
「よくない」
佳亮は奏音のマフラーを直しながらぼそっと言った。
「寒いんだから早く帰せ」
奏歌は苦笑い。
「みんな奏音ちゃん好きすぎない?」
「お前もな」
太陽のツッコミが速い。
その時、奏音は小さくため息をついた。
「……みんな過保護」
すると六人は同時に奏音を見る。
「だって奏音だから」
また重なる声。
「なんでそんな揃うの!?」
奏音が叫ぶと、那月がふっと笑った。
「もう慣れた」
「慣れないよ!!」
でも。
そんな騒がしい帰り道が、少しずつ奏音にとって当たり前になっていく。
コメント
1件
ああ、もうこの空気感がたまらないですね……! 六人全員が奏音ちゃんにべったりで、でも誰一人として嫌味がなくて、むしろ「だって奏音だから」の一言に全部詰まってる感じがすごく好きです。那月くんの「もう慣れた」も、奏音ちゃんの「慣れないよ!!」も、それぞれの距離感がちゃんとあって微笑ましい。騒がしい帰り道が当たり前になっていくラスト、じんわりきました。次も楽しみにしてますね🌷