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ty目線
僕は居酒屋でバイトをしている。
酔っぱらいのおじさんがたくさんいる空間は苦手だが、少しでも将来のためにお金を貯めたいことからバイトを始めた。
その居酒屋でよく来る人がいる。
kg「……」
綺麗なミルクベージュの髪、スラッとした高身長なその人は毎回一人で居酒屋に来ている。
[おーいty!これ2番カウンター!!]
ty「あ、はーい!」
注文されていた焼き鳥を届けろと言われた。
2番カウンターは丁度その人がいるテーブルだった。
ty「お待たせいたしました、こちら焼き鳥です。 」
kg「ぁ、ありがとうございます…っ!」
その人は顔が少し赤くなっていた。
酒による酔いなのか、はたまた別の理由なのか。
僕が厨房の方に戻ろうとすると、その人は声をかけてきた。
kg「あっ、あの、!」
ty「…?どうかしましたか?」
kg「あまり、良くないかもしれないのですが、
よかったら、連絡先、教えてくれませんか、?」
その人はさっきより顔が赤く染まっていた。
以外にも僕は可愛いと思ってしまった。
ty「…いいですよ。……けど、
…店長には内緒ですよ?」
なんだか面白くなってきたので連絡先を交換してみることにした。
kg「ほ、ほんとにいいんですか…!?
こんな見ず知らずの人に……」
ty「……あははっ、
あなたが聞いてきたんじゃないですか、笑」
kg「…!…それはそうですね…笑」
そうして僕たちは連絡先を交換した。
アカウントに表記されている名前を見るとkgmさんと言うらしい。
kgmさんは玩具会社の社長なんだとか。
結構年上だったことにも驚いたが、仕事に戻らなければいけないので厨房の方に戻った。
kgmさんがお店から帰って、僕のバイトも終わり、帰り道を歩いている時。スマホからピコンッと通知音がなった。
その通知はkgmさんからのDMだった。
kg<今日は交換ありがとうございました。kgm hytです。
よろしくお願い致します。
なんとも丁寧な文章が送られてきた。
歩きスマホはいけないと分かっているが、返事をした。
ty<こんばんは。knmc tyです。
よろしくお願いします。
すぐに既読が着き、少し経ってから返事が返ってきた。
kg<急に連絡交換したいなど言ってすみません。
よければ今度お食事に行きませんか?
食事の誘いだ、こいつぁ大人だぜ……。
ty<いいですよ。 僕はバイトがなければ行けますよ、いつにしますか?
kg<では、土曜日なんてどうでしょうか?
時間はいつがいいですか?
ty<土曜日行けますよ。
午前は部活なのでなるべく午後にしていただけたら。
kg<分かりました。17時はどうでしょうか?
ty<土曜日の17時ですね。大丈夫ですよ。
kg<ありがとうございます。
では○○駅前で待ち合わせなんてどうでしょう?
ty<いいですね、楽しみにしてます。
お互い気を遣うようで敬語ばかりの文面でなんだか堅苦しいが、仕方ないことだ。
土曜日のスケジュールに待ち合わせ場所や時間を書いて、スマホをカバンにしまった。
そしていよいよ土曜日。
僕は○○駅前に向かう。
僕は配信は遅れるが、待ち合わせには10分前に着く人間だから、5時ちょっと前についたつもりだった。
だが目的場所に着いた時には既にkgmさんはそこにいた。
kg「…あっ!knmcさん!」
結構年上の大人なはずなのに手を振ってこっちに駆け寄ってくるkgmさんはなんとも可愛らしいような、まるでロリを想像させるような仕草だった。
ty「こんにちは、kgmさん。 」
kg「っあ、はいこんにちは…!」
…え、何もしてないよ、顔を赤くしないで。
kg「と、とりあえず、行きますか…?」
ty「…んふ、じゃあお願いしますね。 」
kgmさんはよく知っているお店に行くらしく、ちょこちょこ喋ってお互いのことを知りつつ、お店へ向かった。
高級そうなレストランに着き、kgmさんは店員さんとなにか少し話してから、僕たちは席に案内された。
kg「すみません…もう少し好きなものとか聞いてから来た方が良かったですかね…?」
ty「ッいえいえ!にしてもすごく綺麗なお店…」
kg「…ふふ、私の行きつけなんです。
好きなのを頼んでください?私が払うので」
そう言ってメニュー表を渡してきた。
メニュー表を開いて中を見てみると、どれも美味しそうではあったが、高かった。
ty「こんな高いもの頼んでいいんですか…??」
kg「いいんですよ!高校生は大人に甘えなさい!笑」
ty「子供扱いやめてくださいよ……じゃあ僕はこれで。 」
これ、と言ってオムライスを指差した。
kg「……ふはっ、knmcさんって案外可愛いらしいもの食べるんですね笑」
ty「なっ…オムライス好きで何が悪いんですか、!」
kg「いえいえ…想像と違ったので驚いただけですよ笑
では注文してもいいですか?」
ty「む…注文お願いします、 」
慣れたようにkgmさんは注文を終わらせ、あっという間に料理が届いた。
ty「わ…美味しそうですね…!」
kg「どうぞいただいてください。」
ty「はい、いただきます。
……ん、おいしいです!」
kg「それは良かったです笑、いただきます。 」
いただきますちゃんと言う人だ、現代の大人にはいないと思ってた。
その後はご飯を食べ進め、2人が食べ終わったかなというところでkgmさんが口を開いた。
kg「あの…knmcさん、
実は私、knmcさんの事が好きで…!」
びっくりして顔を上げてkgmさんの顔を見た。
そこには顔や耳を真っ赤にしたkgmさんがいた。
ty「……どうして、僕だったんですか?」
kg「…初めてあの居酒屋に行って、真面目に仕事をこなすknmcさんがとてもかっこよく見えて…いわゆる一目惚れ、なんですかね、。 」
特に深い意味はなかったが理由を聞いてみるとこちらも少し照れるもんだ。
ty「…でも、僕はまだkgmさんの事を全然知らないですし、第一僕でいいんですか…?」
kg「私の事はこれから知れば良いかなと…私はknmcさんがいいんです。
私と、お付き合いしてくれませんか…?」
正直本当に悩むのだが、僕は男子校通いだし女性との関わりも全然ない。
ty「…いいですよ、お付き合い。 」
kg「…っへ、いいんですか…?」
ty「はい。でもkgmさんのこと、もっと教えてくださいね?」
kg「……!はい!」
日が暮れ始めていて、帰り道危ないからという理由でkgmさんが家まで送ってくれるそうだ。
kg「knmcさんってどの辺に住んでるんですか?」
ty「僕の家は本当近くですよ。あと2回くらい信号渡ったら着きます笑」
kg「そうなんですね笑、じゃあ一緒にいれる時間は短いですね…」
しゅんっとあるはずのない垂れ下がった犬耳が見えそうな顔をしているkgmさんを見て不覚にもきゅんと来てしまった。
……いや、僕がそんなこと思うわけないか。
ty「……kgmさんって結構天然タラシなんですね。 」
kg「へッ!?ち、ちがいますよ…!!」
ty「ふーん……?」
kg「な、なんですか…!見つめてこないでください…!!」
ty「別にー?僕以外にも言ってるのかなーってね」
kg「言ってませんよ!こうやって人を好きになること自体無かったですし……」
ty「…え、そうなんですか?……じゃあ僕が初めてですね、笑」
kg「なっ…あんまり大人にそういうこと言わない方がいいですよ…?」
ty「えーなんでですか?」
kg「大人は勘違いしちゃいますよ!」
ty「僕はそのつもりで言ったんですけどね笑」
kg「大人をからかわない!!」
ty「んはは笑 あ、じゃあ僕ここなんで、今日はありがとうございました。 」
kg「いえこちらこそ…!では、また、!」
ty「はい!また〜」
玄関の扉を開け、帰っていくkgmさんに手を振ってから家の中に入った。
ty「あー…kgmさん、好きかも…」
部屋のベッドに顔を埋め、そう言う。
一日でそんなに好きになるものなのか…。
スマホから通知音が鳴った。kgmさんからのDMだ。
パッとスマホを手に取って素早くメッセージを見る。
kg<今日はありがとうございました。またご飯行きましょうね。
先にメッセージを送ってくるところ、やっぱり大人だと僕は思った。
ty<はい。また行きましょう!
パタンとスマホを閉じたが、ちょっと悪戯したくなり、メッセージを送った。
ty<次はご飯じゃなくてデートにしましょうね?
さすがに攻めすぎたかぁと思いつつ返信を待つ。
5分ほど経ってから返信が来た、なんて返すか困ったんだろうな。
kg<そうですね。なら映画館とか良いかもしれませんね。
めっちゃ真面目だった、そうだったよ。
…面白いから放置しておこ。
(( はぁい記念すべき短編集の1話目をtykgにさせていただきました!!
ちなみに第2話はこれのしゃちょ目線です😌
更新時間とか決めたら時間通りに書けるようになるんだろうか🤔
もし決まったらいち早くお知らせいたします☺️
それでは!