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髙野視点。2人は幼なじみ設定。家は隣。
若井:中学3年生で生徒会長を務めている。サッカー部。髙野にはツンツンしているが髙野のことが好き。髙野と同じクラス。
髙野:中学3年生。委員会は放送委員会。帰宅部。若井のことが好き。若井と同じクラス。
髙「ひーろとっ、はやく帰ろーぜ」
若「いいけど、俺今日部活の奴らに呼ばれてんだよね、ちょっと待っててもらっていい?」
いつもそうじゃん。俺のことは後回し。小学校の時もサッカーやりたいからって、俺のこと1人で帰らしてさ。なんでだよ、なんで俺のことは見てくれないんだよ。
髙「わかったよ」
若「ごめん、ありがと、ちょっと待ってて」
絞り出すような声でそう言って昇降口に行き、靴を履く。壁に寄りかかって図書館で借りた本を開く。本は面白い、もやもやと陰ってしまった俺の心を晴らしてくれる。
物語が盛り上がってきたところで肩に強い衝撃を感じた。
若「ごめんっ、遅れた」
髙「ぅおっ、びっくりした、、」
若「ふは、こんなんでびびってやんの、笑 まーいいや、とりあえず帰ろ」
髙「いやいや、びびるだろ誰でも…」
昔から並んで歩いたこの道も変わらない。変わったのは俺らだけ。ちょっと前まで少年のように高かった滉斗の声も、厚みが出て少し低くなった。ぐんぐんと身長も伸びて俺よりちょっと低いくらいまで伸びてきた。
若「声出しづれぇんだよな、なんか気持ちわりぃ、すげー裏返るし」
髙「お前声変わるの遅すぎんだよ」
若「ちげーよ!髙野が早いだけだろ!!」
髙「音楽会どうすんだよ」
若「指揮者やる」
髙「生徒会長に指揮者って……忙しいよなほんと」
若「生徒会長は俺がやりたくてやってるわけじゃないし」
髙「実際そんだけの人気あったんだろ」
俺は去年、クラスで誰が生徒会選挙に出るかを決める選挙で滉斗に負けた。それを根に持ってしまって、つい嫌味ったらしく言ってしまう。そんな自分が本当に情けない。自分は何もできないのに、つい滉斗を妬んで嫉んで羨ましいと思ってしまう。なんで俺はこんなことしかできないんだ。
若「……髙野?」
髙「ぇ、あ、ごめん、ちょっと考え事してた」
若「なんだよ、らしくねぇじゃん」
髙「言い方、俺だって考え事くらいするわ」
若「何お前キレてんの?」
髙「は?どこがだよ、キレてねぇし」
若「お前、俺とのクラス内選挙で負けたのそういうところだぞ」
髙「ふざけんな、いつの話掘り返してんだよ、お前もそういうところだからな、黙れ」
俺のその言葉を最後に、帰り道は沈黙に包まれた。
あぁ、最悪だ。絶対言いすぎた。なんでいつもこうなるんだよ。
気づけば家の前まで来ていて、俺は仲直りしないと…と思ったままずっと歩いていたことに気づく。
このままじゃ、だめだ。仲直りしないと。俺は滉斗のことが好きなのに、このまま終わりたくない。
俺は勇気を振り絞って喉の奥から声を出した。
「「さっきはごめん」」
え?今滉斗もごめんって…?
髙「え?滉斗も…?笑」
若「なんだよ髙野もかよ笑」
髙「いや、帰るまでにはさすがに言わないともう話せなくなっちゃうかなって思ってて…」
若「俺もなんだってば!!笑」
髙「ったくほんと心配して損したわ」
若「そんな言い方はねぇだろ〜笑」
髙「ごめんごめん笑」
若「なんだよほんとに心配したわ笑」
屈託のない笑顔で笑った滉斗はあー、おもろかった、とさっきのことは何も気にしない様子だった。
髙「じゃ、また明日な」
若「おう、明日もいつもと同じでいい?」
髙「いいよ、また連絡するわ」
若「おっけー、じゃ、またな」
髙「おう、またな」
紅く熱えるような夕焼けに俺らの声が響いた。