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第17話
〖広い大浴場〗
――夜。
歓迎パーティーも終わり。
紅魔館の廊下を、咲夜が青霊夢を案内していた。
青霊夢「そういえば、部屋の案内?」
咲夜「その前にお風呂です」
青霊夢「お風呂?」
咲夜「ええ」
咲夜は微笑みながら扉を開ける。
ガラッ。
青霊夢「……は?」
そこに広がっていたのは。
巨大。
ただただ巨大。
そして豪華。
もはや温泉旅館かと思うほど広い大浴場だった。
青霊夢「でっか!?」
咲夜「紅魔館自慢の大浴場です」
青霊夢「大浴場ってレベルじゃないわよこれ!?」
魔理沙「お、来たか」
霊夢「遅いわよ」
レミリア「待ってたわ!」
フラン「青霊夢ー!」
美鈴「どうですか?」
小悪魔「広いでしょう?」
パチュリー「静かに入れると思ったんだけど」
全員いた。
青霊夢「全員いるじゃない……」
レミリア「歓迎会第二弾よ!」
魔理沙「風呂なんだぜ!」
霊夢「それただの入浴よ」
青霊夢は思わず笑ってしまう。
青霊夢「ふふっ……」
咲夜「どうしました?」
青霊夢「いや……」
青霊夢「私の世界の紅魔館にも、こんなお風呂があったなって」
レミリア「へぇ?」
青霊夢「もっと落ち着いた雰囲気だったけど」
パチュリー「そっちの私らしいわね」
青霊夢「そうね」
フラン「そっちの私も遊んでくれる?」
青霊夢「もちろん」
フラン「やった!」
レミリア「私も?」
青霊夢「あなたも」
レミリア「ふふん♪」
魔理沙「人気者なんだぜ」
霊夢「まあ、なんだかんだで面倒見いいしね」
湯気が立ち上る。
賑やかな声が響く。
その中で。
青霊夢は、静かに目を閉じた。
青霊夢
(懐かしいな……)
亜紅魔館。
大人びたレミリア。
優しい咲夜。
本を読むパチュリー。
穏やかな美鈴。
元気なフラン。
皆で他愛もない話をしていた時間。
青霊夢
(みんな……)
青霊夢
(私、ちゃんと笑えてるわよ)
すると。
魔理沙「なんだ?」
青霊夢「ん?」
魔理沙「なんか嬉しそうなんだぜ」
青霊夢「そうかしら?」
魔理沙「そうだぜ」
霊夢「顔柔らかくなったわよ」
レミリア「いいことじゃない」
青霊夢「……ありがとう」
レミリア「?」
魔理沙「?」
霊夢「?」
青霊夢「なんでもないわ」
そして。
誰にも聞こえないくらい小さな声で。
青霊夢「……生きててくれて、ありがとう」
その言葉は。
湯気の中に消えていった。
――第13話 終。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第17話、読み終えました……。 広い大浴場、みんながわいわい集まってるのに、青霊夢がふと元の世界を思い出すところ、すごく沁みました。最後の「生きててくれて、ありがとう」——あれ、彼女の心の奥からやっと出せた言葉なんだろうなって。湯気に消えていくのがまた切ないし、でもちゃんと笑えてる自分に気づけてるのが、何より嬉しかったです🌙 いい回でした。