どうも皆様、サカナです
ずっと膝を曲げる体勢で色々やってるので、膝が死にかけてます
今回はタイトル通り、未知と未知が未知の遭遇をします
ある時、ライヒタングルは散歩をしていた。
それはもうゆったりと、彼とは思えないほど穏やかに。
乾いた風が吹き、木の葉が舞い散る公園。
背の高い彼は全てを見下ろしながら、大きな一歩で歩み続ける。
コートを揺らし、溢れる殺意を鎮め、ただ平凡に。
そしてこちらにも、涼しげな秋風に吹かれるものが1人…否、1羽。
オムスクバードである。
全ての国(主にロシア)に殺意を向け、危険な薬物を押し付ける彼もまた、安らかな午後の雰囲気には抗えない。
ただ1羽のめちゃくちゃでかい鳥として、公園で歩き回っている。
彼を見かけた皆は不気味がりながら全力ダッシュで逃げ帰っているが、そんなものを気にするほど繊細ではない。
それは突然のことだった。
ライヒタングルとオムスクバードが出会ったのである。
ライヒタングルは思った。
なんだろうこの赤いやつ、と。
オムスクバードは思った。
なんだこの四角いやつは、と。
だが、2体とも何か通じ合うものを感じていた。
こいつは…同類だ…!
言葉は発さないが、溢れ出る異様な気配は互いの存在を知らしめ、彼らは彼らなりに挨拶をしようと動く。
「Guten Tag」
普通に声をかけるライヒタングルと、無言でクロコダイルを差し出すオムスクバード。
たくさん来ていたはずの人間どもは、とっくに避難していた。
そして挨拶を済ませたあと、何故か取っ組み合いをしだす2体。
ギリギリギリ…と軋むような音が聞こえそうなほど強く握り合う手は、片方が羽であるにも関わらず拮抗している。
彼らは基本的に他国のアンシュルスなどの暴力行為を目的に行動するので、肉体言語でこそ仲良くなれるのだ。
そんなことを数時間もやっていれば、当然保護者が迎えにくるわけで。
ドイツ帝国「…何をしているんだ…」
ロシア帝国「ねえもう1時間やってるんだけど」
無言でギリギリと張り合い続けるライヒタングルとオムスクバード。
ドイツ帝国とロシア帝国は間に入るのは面倒だとして、終わるまで静観している。
ドイツ帝国「はぁ…どうしてこうなったんだか…」
ロシア帝国「あの鳥もお前の四角形も、侵略しか考えてなさそうだもんな。知らない国なんだからこうなるわ」
ドイツ帝国「呆れるほど平和に争っているがな」
ロシア帝国「平和か…?」
ドイツ帝国「急にどこかへ走り出されるよりはいいだろう」
ロシア帝国「…確かに」
じゃあいいか、と再び静観するロシア帝国。
体格的にはライヒタングルの方が良いが、力はオムスクバードの方が強いらしく、やはり拮抗状態から抜け出せない。
ここでようやく変化があった。
なんと、ライヒタングルがオムスクバードを蹴り飛ばしたのである。
独帝・露帝「あ」
長い足は綺麗にオムスクバードの胸に当たり、向こうの木まで吹っ飛んでいった。
蹴り飛ばした当人であるライヒタングルは、ドイツ帝国に抱きついた。
ドイツ帝国「…空腹らしい」
ロシア帝国「空腹に負けたのか…オムスク…」
ドイツ帝国「…なんというか、すまない 」
ロシア帝国「別にいいけど…まあ、こっちも回収して帰るよ」
ドイツ帝国「それでは、私たちはこれで」
一礼してライヒタングルの手を引きながら、ドイツ帝国は帰って行った。
ロシア帝国は手を振って見送り、悲しげに佇むオムスクバードに声をかける。
ロシア帝国「今回は負けたみたいだけど、また次があったらやり返せばいい。今日はもう帰るよ」
コクリと頷いて、オムスクバードはロシア帝国の隣についた。
コメント
5件
ライヒタングルが独帝に抱きつくの可愛いw
ちょっとほっこりしてしまった、、、w