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コメント
2件
私はTikTokから拾った知識だけど、もしかしたら小柳は雑学好きだから知ってそうですけどね^ ^
もう最高です!(*´꒳`ノノ゙☆パチパチ 喜多見くんの人格ちょっと怖かったですねww 無線がポケベルで愛してるなのめっちゃcoolですねさすがこやさん
〜side北見〜
俺はネスに言われて無線機を取り出す
きっと忙しくて無線番号変えることを忘れてるんだ
無線番号入れようとするとローレンさんが覗き込んで来る
「2番?それとも3番?」
「いえ、えーと‥‥114.106です」
「適当過ぎだろ。よく覚えてたな」
「ロウさんが決めたんです。ロウさんが使う時だけこの番号でやってます」
「ローレンさん、この番号わかりませんか?」
「いや、わからないけど。ネス君には何かに読めるの?」
「たまたまTikTokで見ただけですけど、昔ポケベルで使われてた数字ですよ」
「へぇ‥‥なんて読むんだ?」
ネスが俺をチラッと見た
「‥‥何だよ」
「‥‥ロウさんがたまたま使っただけかもしれないですけど、『愛してる』って事らしいです」
「えっ⁈」
2人が俺を見てる
俺は本人が居ないのに、急に愛の告白を受けて顔が真っ赤になった
「まっ、お前達の恋愛事情は置いといて、小柳がいるのか無線してみるか」
「そっ、そうですね!」
俺は慌てて番号を打ち込み、無線を入れる
“ロウさん居ますか?”
“北見!裏口の倉庫だ!”
ガンッ!‥‥ザザーッ‥‥‥‥
「え?裏口?」
「しかも無線落ちた音してたな‥‥」
俺達は顔を見合わせてすぐに裏口へ向かう
裏口を出て左
不自然に開いた扉を見つける
ドアノブに触れる直前、ロウさんの大きな声が聞こえた
「‥‥っクソ!離せっ!」
「うわっ!!」
声と共に俺の目の前に何かが飛んできた
「え?‥‥喜多見‥‥?」
倉庫の中に入り、飛んできた奥に目をやる
そこに居たのは服を破かれ、床に倒れているロウさんだった
落ちたフラッシュライトは見当違いの方向を照らしている
頭の中で何かが切れる音が聞こえる
気付くと目の前に倒れている喜多見の胸ぐらを掴み、拳を高く振り上げていた
鈍い音がする
もう一発‥‥
「北見っやめろ!」
ロウさんの声‥‥
そしてまた振り上げた腕をローレンさんに掴まれる
「北見!一発でいい、あとは法が裁くから」
「あ‥‥俺‥‥」
「一発は見逃してやる。彼氏として殴っとかないとな」
彼氏と言われ、奥で倒れているロウさんに駆け出した
「ロウさん!」
「‥‥っ北見‥‥」
羽織っていたジャケットを脱ぎ、ロウさんの身体を包む
「‥‥ロウさん‥‥何で‥‥」
「油断した俺が悪い。大丈夫だ‥‥何でも無い」
「何でも無い事ない!」
俺達の向こうでローレンさんが喜多見に手錠をかける
「喜多見陽人。小柳に何か言うことはあるか?」
ローレンさんが喜多見を立たせながら問う
謝罪の言葉を言わせたいのだろう
喜多見は殴られた顔を触りながらロウさんを見た
「‥‥街で1人歩いてたら今度こそグチャグチャにしてやる」
「喜多見君‥‥これは喧嘩では済まされない。お前の場合は新たな犯罪に繋がる気がするからな。喜多見陽人、お前は警察にはなれないよ」
ロウさんの言葉に笑ってやがる
ローレンさんが喜多見を連行していく
俺もロウさんと一緒にロッカーに寄り、医務室へ向かった
消毒液で首元を拭う
痛いはずなのに目を伏せて黙ったままのロウさん
三本の爪で引っ掻かれた痕
喉と鎖骨辺りに5センチくらいの長さで赤くなっている
そのうちの一本が余程強く爪が入ったのか皮が捲れてしまっている
しかもその傷の上には歯形と強く吸われ過ぎて、辺りが黒紫になっている
どどめ色って言うやつだ
傷を全部覆うようにガーゼを貼り、左手の人差し指に湿布を貼った
どんな力で噛んだら噛まれた指が青くなるんだ?
「‥‥アイツ、サイコパスなのかも」
「早めに見つけれたのは手柄か?」
「そんな、ロウさんが‥‥‥‥」
ロウさんがこんな姿なのに手柄だなんて言いたくない
口を噤んだ俺の顔にロウさんがそっと触れる
「でも‥‥ロウさんが傷付くのは嫌です」
「すまない。俺もお前の事考えずに言ったわ」
「ロウさんはいつも俺の事考えてくれてます。だから無線番号で愛を伝えてくれたんですよね?」
「‥‥それ今言うの違くないか?本当にちゃんと恥ずいじゃん‥‥」
これ以上重い空気はごめんだ
ロウさんだってそう思って手柄だなんて言ったのかも知れないし
“北見、ちょっとロビーに来れる?”
ロウさんと笑い合っていると、すぐにローレンさんから無線が入った
待っててと言ったのにロウさんも俺に着いてロビーまで来た
「小柳も来たのか。‥‥一緒に見る?気持ち悪いもの‥‥」
俺達は頭に『?』を浮かべながらローレンさんに着いて行く
喜多見の使っていたロッカー
開けるとそこにはロウさんの写真が多数貼られていた
そして喜多見が無くしたと言ってロウさんがあげたスマホも袋の中から出てきた
その他にもロウさんの手帳やペン
ハンカチやサングラスまで‥‥
「ロウさん‥‥取られ過ぎじゃない?」
「‥‥どこかに置き忘れたんかなぁって思うだろ?」
「いや‥‥でもマジでアイツ‥‥ヤバすぎ」
こんな奴にロウさんが捕まってしまっていたらと考えたら背筋が凍りそうだ
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