君の初めてを奪った
バレンタイン。
私は好きな人にチョコを作った。
正直本命にだけ綺麗な形とか選んで、悩んで作った。
上手くいった、
味見もしたけど美味しかった
家族にも友達にも褒められた傑作
勇気を出してあげに行った
「勘違いしないでね」
その一言と一緒にあげたチョコ。
義理チョコって勘違いしないでね。
なんて、言わないと伝わらないかな…
たまたま自転車がなくて歩きでいろんな人の家に回って配りに行った。
そのことを本命にも雑談のように言ってみた。
「もうくらいから一緒に行くよ?」
優しさだけで言ってくれた言葉
そんなのもう…
正直に言います!もう私好きバレしてます!
結構前から、
諦めるって本人に言って振られてるのに諦められなくて…
毎日電話して、
寝落ち通話もして
花火大会も一緒に見に行って。
夜暗い中自転車を押して車道側を歩いてくれた
途中後輩に見られたけど付き合ってるのを隠すカップルみたいに2人でコソコソした。
幸せだった。
距離も近くて
本命は私より少し背が高い
165の私は人を見上げることがほとんどない。
自分より小さい人とは目を合わせるけど背が高い貴方には目を合わせることすら自然にできなかった。そんなの言い訳だ。
本当は心臓の音がうるさくなるから。
たまに好きな人の目を見て話した。
私服はすごいきめてるとかそういう感じではなく、めっちゃラフ。
今思えば、
同級生も近くにいたし先輩もいたから2人でめっちゃコソコソした
先輩には気遣われてしずかーに横すれ違いられた
あの時の私は耳まで真っ赤だと思う。
そのあと家まで送ってくれた。
手を振って気をつけてねって、
「本命だよ」
私の声が静かで真っ暗な道に響く。
君の背中に届いた声は君を振り向かせた。
「ん?」
何も聞こえなかったと言わんばかりの返答。
でも知ってるよ、その「ん?」は、動揺でも、聞こえなかったわけでもない。
そのあと電話した
めっちゃ明るく話した
一緒に帰った時のことを話した
バレンタインのお菓子の感想も聞いた
もう我慢できなかった
想いを告白した
「いいよ」
君の初めてをもらえた。
すっきりした
少し嬉しかった
泣きそうだった
そのあとわかりやすかった話とか色んな話をした
今度のボーリング行く約束はどうするか、とか。
私は振られた。
君は初めて人を振った
*
*
吹っ切れられた、
私は、
「君のこと諦められそうにないや、だから振ってくれる?」
って言った。
ごめんね、
可愛くもない私が君のこと好きになっちゃって。
だいすきだったよ
これで諦められる。
そう信じてる。
今この文章を書きながら泣きそうになってるけど。笑
でも、
幸せだったよ
彼女にも、親友にもなれなかったけど、
君が好きなのはあの子。
猫が好きな君。
君のために作ったお魚クッキーも、
君を思い浮かべて聞いたラブソングも
全く信じてなかったのに毎日引いた当たるって噂の恋みくじも
君のことを考えながら話した恋バナも
全部全部、楽しかった
幸せだった
今は
君のことを思って聴く失恋ソングも
君が好きな猫も
DM欄の一番上にいる君も、
全部、みるだけで胸が痛いよ、
好きでもなんでもないからラフな服で、好きでもなんでもないから習い事の子が可愛いって言えて、好きでもないから…だから、
吹っ切れたつもりだけどまた好きでいてもいいですか?
夏休み前から好きだった、振られてるのに。
こんなに一途に人を好きでいたの初めて。
だから、私が諦めるその時、もしくは君が振り向いてくれるまで
バイバイ。
多分バレンタインデーが一番寒い2月なのは顔が赤くなってもバレないように。だと思う
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