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今日は流星群の日。
なのに若井は寝ようとしている。
滉斗「涼ちゃん、もう寝るよ」
涼架「えー?まだ眠くないよぉ」
確かにここ最近、仕事は多く疲れていた。
でも、でもさ…
涼架「一緒に流星群見るって約束したじゃん!」
僕は約束を破られたことがすごく嫌だった。
今日なら…今日しかあの言葉を言えると思っていたのに…
滉斗「ごめん…疲れてるから…」
そう言って若井は眠りについてしまった。
仕方ない。一人で見るか…
滉斗「っだぁぁぁぁ!寝れねぇ!」
急に若井が大きな声で叫んだ。
涼架「うわぁ、びっくりした」
滉斗「あぁ、ごめん…」
寝れなかったのか。
え、だからといって大声あげないでよ…
滉斗「涼ちゃん、一緒に流星群見ていい?」
若井はキラキラとした目でこっちを見てきた。
まぁ、一緒に見れるなら…
涼架「もちろん!隣どーぞ!」
そう言って僕は窓に面している椅子を指さした。
近くで若井の顔を見たいから隣の席を選んだ。
本人は気づいてないみたいだけど。
滉斗「ありがとっ」
流れ星が来るまで少し時間あるし話そ。
涼架「そういえば、流れ星って願い叶うんでしょ!」
滉斗「まぁ、そうだね。」
涼架「ねぇねぇ!何願う?」
滉斗「えっ、」
あぁ、まだ決めてなかったのか。
滉斗「まだ…決めてないかな。涼ちゃんは?」
え!?僕!?
いや、言えるわけないじゃん!
言ったらきっと嫌われちゃう…
涼架「え、いやぁ…..秘密!」
滉斗「はぁ…?」
…って、嫌われるとか考えてたら伝えられないじゃん!
そうやって僕は何年も逃げてきたんだ。
若井に、本当の想いを伝えることから。
ふと横を見ると若井が何か呟いでいた。
何かは聞き取れなかったから、
涼架「なんか言った?」
と、訊いた。
若井は何故か焦ったように、
滉斗「あ!いや…その…なんでもないっ!」
と言った。
聞かれちゃまずいことでも言ってたのかな?
外を見ると一筋の光が流れた。
涼架「あ!流れ星!」
反射的に僕は言った。
滉斗「え!?」
若井も外を見た。
見上げると、空には無数の光の筋が降り注いでいた。
これが流星群。
綺麗だな…若井の隣で見られるなんて…
そうだ!お願いごとしないと!
僕はずっと若井に言いたかったことを流れ星に願った。
いつか若井に好きって気持ちを伝えられて、
付き合って、幸せになれますように。
まぁ、言う度胸もない僕だから叶うわけないよね。