77日目
今から絵名とまふゆと奏のお見舞いに行ってくるよ!!
今日も3人共、元気だといいなぁ…
行ってきます!
瑞希
絵名とまふゆのお見舞いを終えた後、
恐る恐るノックをし、奏の病室に入った。
『…奏!今日もお見舞い来たよ~!』
「……今日も来たのね、来なくて良いのに…」
奏は冷たく突き放した後、また口を開いた
「…少し話がしたいの。……話せる?」
『…!うん、話せるよ!』
「それなら……屋上に行きましょう」
『分かった!』
この時ボクは奏が自ら話そう、と言ってくれたのが嬉しくて気付かなかったけど、
__別に話す場所は屋上じゃなくても良かったのに…
屋上のフェンスに腰掛けながら奏は淡々と話して行く。
「……瑞希、貴方は死にたい?」
『え…、……まぁ、そりゃあ…ね?』
『……でも前よりは死にたい、って思わなくなったかな~』
「……そう」
奏は一つ溜息を吐いた後、また口を開く。
「…実は私がまふゆの事を突き落としたの。」
『………………え、、?』
奏の言ってる意味が理解出来ず、顔は引き攣る
『えっと、…どういう事、?』
『まふゆは自ら落ちたんじゃ……』
「…いいえ、それは違うわ」
「……私がまふゆの事を落としたの、突き落としたのよ」
『ッ……、!!』
「そして今…屋上には私と瑞希だけ。」
「……頭のイイ貴方なら分かるわよね?」
奏はニヤッと不気味に微笑む。
『ッ……!』
ボクは身の危険を感じ、屋上を出ようとした。
ただ……
「その扉は鍵を掛けたから開かないわよ」
「……鍵なら此処にあるけど…」
そう言って奏は鍵を見せびらかす。
『ちょっと!…どうして、こんな事……』
もうダメだ、と思い座り込む。
「……私がしたい事、だからよ」
「全員、入院させてあげなきゃね…♪」
そう言って笑う奏は死神に見えた。
『待って…待ってよ……、』
奏はヒタヒタゆっくり近付いてくる。
「無様ね……」
見下してくる奏に対しボクは涙を零す事しか出来ない。
『ヤダ…、折角、「まだ死にたくない」って思えてきたのに……!』
泣き叫ぶボクを無視しながら奏はボクの胸ぐらを掴み、フェンスに突きつけた。
『ッ……離、ッ…し、て…』
死にたい、と思っていたあの時の自分と変わってあげたい。
何処から、何処から間違えたんだろう…
「……もうウンザリよ…」
「私は幾ら苦しめばいいの!?」
奏は声を荒らげる。
「皆、皆私を置いて死のうとする…!」
「どうして、どうしてなの……!!」
『ごめッ…、ッがはッ…』
奏にカッターで手首を刺される。
「…そんなに死にたいなら、私が死なせてあげるわよ……!」
そう言って奏はボクの事を突き落とした。
『……』
ゆっくりとボクは目を閉じる。
もう、ダメだって覚悟する。
涙なんか出なくて、
奏にカッターで切られた所から出る血が服に滲むだけ。
(ごめんなさい……)
分かっている。
だって話を聞いたからね
皆に手伝ってもらっているけれど…やはりしっかりと受け止めるには場所を確認しないとね。
微かに屋上から怒鳴っている声が聞こえている。
ピンク色のふわふわのサイドテールがフェンスからはみ出ている。
「ッてか待ってくださいよ神代先輩…
普通に警察とかに通報すればいいじゃないっすか、何で態々こんな…」
『それだと面倒だからね…それに、試してみたかったんだよ』
「ちょっと、それで暁山さんが死んだら……」
『大丈夫だよ、寧々…きっと上手くいく 』
「……あ!瑞希が落ちそうですよ!」
『フフフ、じゃあ…準備はいいかい?』
「はい、暁山を助ける為なら……」
落ちていく瑞希は綺麗に僕達が受け止める事に成功した。
『…ん、?』
目を開けるとボクの家のベッドの上だった。
あれ?お見舞いに行ったはずじゃ…
なんて思っていると奏に落とされた事を思い出す。……夢だった、?
「瑞希、起きたのかい?」
「瑞希……!!もう、心配したんだから! 」
聞き慣れた声が沢山聞こえて、目をゆっくりと開ける。
『……みんな、?何で此処に…』
「…絵名から話を聞いたんだよ」
弟くんが淡々と説明してくれる
「__それで、朝比奈さんも突き落とされたから、次は暁山かもしれない…ってな。」
「うん、それで東雲くんが僕達を呼んでくれてね」
『そう、だったんだ…?』
「でも、暁山さんが無事で良かった…」
「嗚呼、成功したな 」
『ッ…!』
大粒の涙が頬を伝う。
こんなの、泣かないとか無理…!
『ッ…ありがとう、皆……!』
皆に慰められながらボクは幸せな空間に浸った。
コメント
3件
瑞希ちゃんはとりあえず一安心… 奏ちゃん心配だよぉ…これ以上やったら取り返しつかなくなる…
よかった…… 奏…どうしたんだろう…?