コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
8回目の夢が始まり、今回夢の世界へと誘われたのは…
「ん…ここは?…」
目を覚ますと知らない部屋にいた。
だがしかし、部屋にある物や荷物は私の物だった。
「うそ…まさか本当に夢が…」
私の名前は高橋れな、中野さきと村田友香3人でいつも遊んだりしている。
ベッドから起き上がると自分は学校の制服を着ていた。
部屋から出ると、ちょうど白井拓馬と黒岩竜一が違う扉から出てきた。
「ほんと…だったんだね…」
高橋れなは床に座り込み、
こんなにも早く自分の番が来てしまうとは思っていなかった。
そして夢が本当だったことも、心のどこかでそんなことはありえないと思っていた。
だが、これは現実だ。
「しかたない…やるしかないのよね」
高橋れなは立ち上がり竜一と白井の目を見て心に決める。
「必ず脱出しよう!」
3人は頷き、みんなで脱出することを誓う。
白井はいつも通り、自分の部屋で監視することした。
そして竜一は、今までこの家で何があったのか見せるために、まず図書室へと向かった。
図書室へ入ると、本が、散乱していた。
すると、高橋れなはこの図書室で起きた記憶が見え始めた。
「これは…」
相川はるとと黒岩竜一が図書室へ入り、怪物に襲われる記憶だった。
「これは俺が2回目に見た夢の記憶…」
相川はるとが無惨に喰われる夢を見て、高橋れなは吐きそうになった。
「まだまだこんなものじゃないよ」
前までは、竜一の目はまるで死んだような目をしていた。
そして今までみんなの死に際を見てきたというのに、逆に強く真っ直ぐな目をしているように見える。
次は寝室に行き、玄関ホールへの扉を開けると、
次は田中みゆの記憶が映し出された。
「この記憶も…」
記憶の中は黒岩竜一が手を伸ばすが田中みゆの手には届かなかった。そして田中みゆも無惨に貪り喰われてしまった。
次は玄関ホール1階へ行くと、松村ライキと藍沢叶が何か言い合っているが、次の瞬間、ものすごいスピードで藍沢叶が怪物に喰われてしまった。
松村ライキ、そして近藤翔太がそれぞれ時間軸が違うが牢屋の部屋で怪物に殺された。
みんなが死ぬ理由はほぼ全てあの怪物の仕業だと高橋れなは思った。
牢屋の部屋から玄関ホールへ戻る途中、黒岩竜一から怪物に関する情報も聞いた。
「なるほど…ありがとう竜一」
そして2人は玄関ホール1階の左の扉を開け、また奥の扉を開ける。
次の部屋は、学校の体育館のような広い大広間だった。
部屋にはいくつもの高級なテーブルや椅子が置いてある。
「ひ…ひろすぎる…」
竜一と高橋れなはあまりの広さに呆気に取られている。
隠れられそうなところもたくさんあり、これなら容易に逃げることもできるかもしれないと竜一は考えていた。
すると、白井がなにやら焦った声で竜一と高橋れなに話しかけてきた。
「玄関ホールから怪物達が2体向かってるぞ!」
竜一と高橋れなは近くの大きいタンスの中に入り、息を潜める。
高橋れなの息が竜一の首元にかかる。
女子の体を肌で感じ、竜一は緊張している。
「息を止めろ」
高橋れなは息を止め、
大きいタンスの中は意外にも小さかった。
お互いの心臓の音が聞こえてきそうだ。
部屋に怪物が入ってきて、怪物が唸り声をあげる。
机や椅子などを倒し、壊しまくる音が聞こえる。
「グォォォォォォォオオオオオオオ」
何をそんなに怒っているのか、怪物の声を聞くたびに
怒りが増しているように感じる。
数秒経つと、部屋から出ていく音が聞こえ、白井からも、もう出てきて大丈夫だと言われたので、竜一と高橋れなはタンスから出る
「いつまでくっついてるの!!」
高橋れなは竜一を突き飛ばした。
竜一はそのまま転びそうになる。
「な、なにすんだよ。」
恥ずかしかったのか竜一に背を向け、何も言わずに部屋の探索を始めた。
部屋の机や椅子は壊され、とても使えそうにはない。
やつら怪物はなんの目的があって俺達を襲ってくるのか、まったく理解できない。
竜一は、警察官2人に言われた言葉を思い出す。
もしかすると僕達のクラスメイトにこの夢の原因がわかる人、もしくは黒幕がいるのではないかと考えたが、あまりに非現実すぎて馬鹿げてくる。
だが実際、非現実的なことが今も今までも起こってきたのだ。僕達の考えつかないようなことは必ず起こると思った。
この部屋には更に、左側へ続く扉と、正面にも扉があるのを見つけた。
とりあえずこの大広間にも監視カメラをセットし、
竜一達は左側の扉から開けることにした。
「ガチャ」
扉を開けるととても綺麗なキッチンだった。
「この家主は相当な綺麗好きなのかな…」
高橋れながキッチンの中に何かいい道具が落ちてないか漁り出す。
「ん?これは?」
キッチンの中から出てきたのは誰かの写真だった。
「この写真に写ってるのは…子供だな」
小さな子供がキッチンの中で隠れている写真、顔は写ってないので誰かまではわからない。何か異様なオーラをその写真から感じる
「なんだか不気味…」
少し肌寒くなったのか、高橋れなは身震いする。
というより、少しこの部屋自体、室温が低いみたいだ。
2人は部屋から出て、大広間へ戻る。
次は正面にあったら扉を開けると、奥には赤い扉があった。
「見つけた!」
2人は喜び、白井に報告する。だが白井からの応答は返ってこなかった。
2人は疑問を抱き、白井の部屋へ戻ることにした。
寝室を超え、左の方へ行こうとすると、なんと怪物が白井の部屋の前で出待ちしていた。
「グゥゥ」
怪物はこっちへ気づき、竜一達の方へと歩きだした。
「まずい!さっきの大広間へ行って先に逃げろ!!」
高橋れなは大広間へ走り出した。
竜一は図書室の方へ行くと、怪物も竜一の方へきた。
「今度は負けねぇぞ」
今までたくさんの恐怖を乗り越えた竜一には、今の怪物には一切恐怖を感じなかった。
怪物が長い髪を伸ばし竜一を捉えようとするが、
すぐさまハサミを取り出し腕などに絡みつくハサミを切る。
「グォォォォォォォオオオオオオオ」
怪物は怒りだし凄い速さで猛突進してきたが、
危機一髪のところで避ける。
持っていたハサミを思いっきり怪物の目にぶっ刺すと怪物の目から大量の血が噴き出る。
「どうだ!みたか!」
苦しんでる間に図書室から出ようとすると、怪物の姿は田中みゆの姿へ豹変した。
「竜一…痛いよ…助けて…ここからだして…」
竜一は耳を塞ぎ、白井の部屋へと向かう。
もう怪物は追ってくる気配はなかった。
白井の部屋へ入ると、白井はベッドの下に隠れていた。
何があったのか聞いてみるが、恐怖で喋れないみたいだ。
「ほら!いくぞ!」
強引に部屋から連れ出し、大広間へと向かう。
「あの怪物が…話しかけてきたんだ…」
白井が急に喋り出した。
竜一は何を喋っていたのか聞いてみた。
「怪物が一方的に話しかけてきてたんだが…こんなことを言っていた。」
白井は怪物の言っていた言葉を思い出す
「ねぇ白井、私の演技力どう??似てる?」
その声は明らかに藍沢叶の声だった。
この話を聞いて、怪物が藍沢叶や、その他の体を完全に制御できるようになったのだと竜一は確信した。
大広間へ着くと、赤い扉は開いていた。
「高橋れなはちゃんと脱出したみたいだな。俺達も行こう!」
2人は走り出し、赤い扉へ飛び込んだ。
徐々に意識を失い、今回の夢はこれで脱出した。