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#憑依
成瀬りん
633
#家族
たつ
53
#日常
ももは
551
戦いが終わり、戦場に静寂が戻る。
崩れ落ちたロキが、血を吐きながらゆっくりと口を開いた。
「……勝った褒美をやろう。」
「俺たちが、なぜ”あの男”に従ったのかをな……」
公太たちは黙って耳を傾ける。
ロキは苦しそうに息を吐いた。
「俺は孤児だった。
強くならなきゃ、生き残れなかった。」
「……そんな時、鷹野が現れた。」
「『力を手に入れれば未来は変わる』……
そう囁いたんだ。」
その目に、一瞬だけ懐かしさが宿る。
「最初は……救いだと思った。」
「だが、気づけば俺たちは鷹野の駒だった。」
「逆らえば潰される。
結局……従うしかなかった。」
唯我は静かに目を伏せる。
一祟は拳を強く握り締めた。
公太は何も言わない。
ただ、力を求め続けたロキの人生を思い、静かに頷いた。
ロキはかすかに笑う。
「……間違いだったのかもな。」
「でも、お前たちと戦えて……
少しは報われた気がする。」
そう言い残し――
ロキは静かに瞳を閉じた。
彼らの戦う理由は、あまりにも悲しく、逃げ場のないものだった。
場面は変わる。
薄暗いアジトの最深部。
狂気に蝕まれた鷹野が叫ぶ。
「正義だと……!?」
「人を救えるなら……
僕は苦しまなかった!!」
「これが……
僕の進化だァァァッ!!」
灰色に変色した皮膚から瘴気が噴き出す。
背中から無数の触手が伸び、異形の姿へと変貌していく。
原田は言葉を失った。
「修司……!」
畑中は静かに構える。
「……お前は力に溺れただけだ。」
「俺たちは……
“想い”で戦う。」
漆黒のネオコード――
《黒牙》が解き放たれる。
轟ッ!!
黒き衝撃が鷹野を吹き飛ばした。
しかし――
鷹野は血を吐きながらも立ち上がる。
「なぜだ……」
「俺の方が……
力は上のはずなのに……!」
その瞬間――
ドォォォンッ!!
巨大な爆音とともに扉が吹き飛ぶ。
煙の向こうから三つの影が姿を現した。
「遅くなったな。」
公太。
唯我。
一祟。
三人がついに合流する。
鷹野は完全に追い詰められた。
誰もが、勝利を確信した――
しかし。
「……どこまで……」
鷹野の身体が震え始める。
「どこまで俺を怒らせる気だァァァァァッ!!!」
咆哮が響いた。
黒い光が天を貫き、鷹野の全身を包み込む。
街全体を飲み込むほどの瘴気が噴き上がる。
大地が裂ける。
ビルが蒸発する。
夜空は赤黒く染まり、世界は終末の景色へと変わっていく。
「やめろォォォッ!!」
公太、唯我、一祟が同時に飛び出す。
しかし――
「下がっていろッ!!」
畑中が三人の前へ立った。
黒牙を最大まで解放する。
漆黒の力が鷹野の災厄と真正面から激突した。
轟音。
衝撃。
爆発。
余波だけで、公太たちは大きく吹き飛ばされる。
「ぐっ……!」
「なんて力だ……!」
「原田さん、大丈夫ですか!?」
崩壊していく街の中。
煙がゆっくりと晴れていく。
そして――
そこに、畑中の姿はなかった。
「……畑中?」
公太の声が震える。
「嘘だろ……
消えた……?」
唯我が呆然と立ち尽くす。
一祟は絶叫した。
「畑中さんッ!!!」
その光景をモニター越しに見ていたジュリーも、その場へ膝をつく。
「うそ……
畑中が……
そんな……」
静まり返る空間。
誰も言葉を失っていた。
その時――
瓦礫の奥から、かすかな呻き声が響く。
「……ハァ……
ハァ……」
崩れた瓦礫を押しのけながら、一人の男が立ち上がる。
鷹野修司。
半身は吹き飛び、全身は血に染まっている。
それでも、その瞳だけは狂気を宿したままだった。
「フフ……」
「あんな捨て身で……
俺を止められると思ったのか。」
鷹野はゆっくりと笑う。
「……馬鹿だな。」
「畑中浩一。」
その一言で――
三人の空気が変わった。
公太が拳を握り締める。
「……今、何て言いやがった。」
唯我が龍焉刀 を静かに抜く。
「二度と……
その口を開けさせない。」
一祟の瞳に怒りが宿る。
「畑中さんを……
侮辱するなァッ!!!」
怒りが爆発する。
公太。
唯我。
一祟。
三人は同時に地面を蹴った。
最後の敵――
鷹野修司との最終決戦が、今、幕を開ける。
コメント
1件
ああっ、82話読み終わった……! ロキの最期、めちゃくちゃ切なかったわ。「間違いだったのかもな」って言葉に、彼の人生の重みが全部詰まってた。孤児で、強くなるしかなくて、でも結局駒だったって……報われなさすぎるよ。 でも、戦えて少し報われたって言えたのは、せめてもの救いだったのかな。 後半の鷹野戦はもうヤバすぎ。畑中さんが消えたと思った時の絶望感やばかった……。 でもそこからの三人の怒りの爆発、熱すぎた🔥 「二度とその口を開けさせない」唯我のセリフに震えたわ。 次で決着か……もう待てない!続きが気になる!!! たけっちさんのバトル描写、毎回神ってるわ👏