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12月30日 AM10時 大魔術学校ルーン 体育騎室
学生たちは今日、そこで終業式で呼び出された、俺もおまけで王子たちが見通せる体育騎室の後ろで教員たちと混ざって見渡している
ローザ「では、サダベル学園長先生から最後の一言を頂きます。学園長、よろしくお願いします。」
ローザを後に、登壇するサダベル
ガルル「ふわぁ…」
まだ学園長が話してないのに大あくびをかます王子
サナ「寝ちゃだめだよお兄ちゃん、お城帰ってからお昼寝してね」
ガルル「分かってるって」
20分後…
サダベル「では皆さん、良い冬休みを」
この一言に至るまでに何人もの生徒が立ったまま爆睡している
王子も王女も寝てるな
カーン!カーン!
時報のベルが鳴り、終業式を終えた学生たちが次々に帰っていく
カイラ「アレン、飯でも行かないか?」
アレン「いいね、行こうか」
カイラ「ギャバットはどうする?」
ギャバット「あーわるい、今日はこのあと家で親の薪割り手伝いにスモーク山まで行かなきゃいけないんだ」
カイラ「そうか、頑張ってな」
アレン「アリスたちは?」
アリス「ごめんね!今日はカノンと一緒に服屋さんに行くの!」
カイラ「結局俺らだけか」
アレン「そうみたいだね」
PM12時 学園長室
俺はサダベルに呼び出された
サダベル「さて、短い期間だったがよく頑張ってくれた。感謝しているよ探偵君」
悠「何も起こらなくてよかったよ、王子たちも今のところは問題なさそうだし」
サダベル「その通りだな」
サダベル「実は、今日はクライスが話していないことを君に話したい」
悠「どういう意味ですか?」
サダベル「紅茶を淹れよう」
サダベルは立ち上がり、やかんに水を入れ始めた
サダベル「君の世界の人間たちがティード海賊団に誘拐されている、この事実は私たちの世界では問題視されている。だがその一方で、人間を食料にしている家庭もある」
サダベル「だがな、探偵。みんながみんなそうではないんだよ」
サダベル「君が恋人をさらわれて怒るのはわかる、だがその怒りの先を間違えるな、君が怒るべきは海賊やその人間を買ったエルフだろう」
悠「…そうかもな」
サダベル「ティード海賊団はアジトとなる島が存在する。ケッカイ島だ」
サダベル「そこに、誘拐された人間が一旦護送される」
悠「まさか、そこに雪が…」
サダベル「だが君の恋人がさらわれてある程度時間が経ってる、もうそこにはいなくなっていて、どこかのエルフに買われているかもしれない」
サダベル「クライスは…駒として君を利用している。その根拠として一度君はティードとの交換材料として拉致されていたはずだ」
サダベル「いいか、君にとってこの世界に本当の味方などいない」
サダベル「今君がすべきことは、その島を調べて、潜入することだ。もし仮に護送されていたらその護送先はおそらく魔国ジーンだ」
悠「魔国ジーン?なんだそれ」
サダベル「この世界では3つの種族が存在する、我々エルフ、拉致された大量の人間、そして”魔族”だ」
サダベル「魔族はとても凶暴な性格の種族で争いや力を好む種族だ、特徴として体の肌が赤く染まっていて、何より目立つのが頭に生えたツノだ」
サダベル「魔族が住む国がジーン、各国で魔国ジーンと呼ばれているよ。誘拐された人間を最も多く取引されている国だ」
悠「わかった、ありがとう」
俺は立ち上がった
サダベル「行く気か?」
悠「行かなきゃ、俺は一生後悔する」
そうだ、まだ雪が生きている可能性が1%でも残されているのならおれはそれに賭ける
やってやる、おれが全部取り返してやる!!!