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#💛💜
愛日
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特務調査局の事務所。コントロールルームから出てきた阿部は、ソファに座っている宮舘を見つけると、とたとたと近づいた。
💚「お待たせ」
❤️「もういいの?」
💚「うん、終わったよー」
❤️「じゃあ、行こうか」
そう言って立ち上がる宮舘と阿部の姿に、執務机に向かっていた佐久間が立ち上がって二人の方を見る。
🩷「え、なに、二人デート?」
❤️「そ。デート」
💚「ねぇ舘様ぁ。なに食べるのぉ?」
❤️「えー、どうしようね」
🩷「ガチのデートじゃん!」
💚「ふはっ。うそうそ。昨日ね、一緒に休みになるってわかったから、どっか行こうかって話してたの」
❤️「そうそう」
💙「いいなー」
佐久間の向かいの席に座っていた渡辺が呟く。
💚「翔太も来る?」
💙「え、いいの?!」
💚「もちろん。ね?」
❤️「いいよ。ふっかの許可さえ取れば」
💙「えっ? なんでふっか?」
❤️「今日、翔太は休みの日じゃないから。サボりはさすがにね」
💙「あ、確かに」
そうして話していると、奥の給湯室からコーヒーを持った深澤が出てきた。
💜「んー、いいんじゃない? たまには3人で出かけてきなよ」
💙「よっしゃー!」
🩷「じゃあ、俺も!」
💜「お前はダメ」
🩷「なんで?!」
💜「昨日の報告書、まだ出してないだろ。ちゃんと提出しろ」
🩷「それ言ったら阿部ちゃんだって……」
💚「俺は昨日のうちに出したよ」
🩷「えっ、早っ!」
💜「ついでに言うと、本来、佐久間がやる分の資料もさっき貰ったから」
🩷「あ、だから早い時間から来てたんだ」
💚「そういうこと。じゃあ、舘様と翔太と3人で行ってくるね!」
💜「いってらっしゃい。気を付けてなー」
💚「はぁい」
いってきますと言って三人は事務所から出て行った。
時刻は間もなく10時。
💚「今日、どうしようね」
💙「決まってないの?」
💚「一緒に遊ぼうってことくらいしか話してなくて」
❤️「じゃあ、それぞれが行きたいところに行く?」
💙「いいね」
💚「それ楽しそう!」
💙「最初、誰いく?」
❤️「時間的に、俺からでもいい? この近くにいいとこあるから」
💙「お、いいねぇ」
誰かの意見を否定せずに、いいねと言い合えるのがSnowManのいいところだ。誰がどんな提案をしても、まず否定しない。それぞれを尊重しているというのがよくわかる。
宮舘の案内で向かったのは、古着屋。
💚「あー、舘様っぽい」
💙「好きだねぇ」
❤️「ちょっと見てみよう」
お店の中に入って服を見ていく。急に凄い値段のが出てくるから気を付けてね、と古着上級者の宮舘に言われて、マジ?と渡辺と阿部は驚いていた。
そうしてTシャツなどを見ていて。
💚「え、かわいっ」
❤️「阿部さんっぽい」
💚「ね」
可愛いと言っていたパーカを持っていった阿部が試着室から出てくると。
❤️「いや、似合うんかい!」
💚「ははははっ」
💙「え、いいじゃん。阿部ちゃんぽいねー」
💚「やった。じゃあ、これにしようかな」
褒められて嬉しそうな阿部は、とたとたと店員の方に向かって行っていて、その後ろ姿を見ながら宮舘も渡辺も愛おしさを噛み締めていた。
初めての古着にテンションが上がって試着しまくる阿部に、ずっとニヤニヤが止まらないゆり組。
総じて可愛いなと思っているのは一目瞭然だ。
存分に古着屋を楽しんだ三人は、お昼時ということもあって飲食店に入ることになった。
向かった先は、イタリアン。
何故、イタリアンかというと、ピザが食べたいけれど一人で行く事ができない!と渡辺が言ったからだ。
理由が渡辺らしくて可愛いなと、宮舘も阿部もふふっと笑う。
ランチの後は、阿部が来たかった水族館にやって来た。
💚「わぁ~! すごぉい! キレー!」
中に入るなり目をキラキラと輝かせる阿部に、ゆり組二人は声を押し殺しきれずに笑っている。
黒い壁で水槽が綺麗に見えるようになっており、各水槽に色とりどりの熱帯魚が泳いでいる。
これは確かに綺麗だ。
💙「めっちゃテンション上がってんな」
💚「これは上がるでしょ!」
❤️「気持ちは分かるけどね」
💚「でしょー」
💙「でも、水族館なんて久しぶりかも」
❤️「案外、近いんだけどね。それでもなかなか、行こう!とはならないか」
💚「俺も久しぶりだったから来たかったんだよね」
ワクワクとしているのがわかる阿部の姿に、宮舘と渡辺も同じように魚を見ていく。
ビルの一角にある水族館だから大きいわけではないけれど、見せ方が上手な水族館で満足度が高い。
普段、あまりこういうものに興味がある方ではないが、楽しそうな阿部につられているのかゆり組も結構、前のめりになって見ている。
途中に、ペンギンが泳ぐトンネルがあって、頭上を泳いでいるペンギンがまるで空を飛んでいるようだ。
💚「わぁ~! めっちゃ飛んでるぅ!」
💙「ふはっ」
❤️「ふふふっ」
💚「えー、なにぃ?」
💙「いや、飛んでるみたいだよな」
❤️「そうそう」
愛しさが隠しきれていない二人が笑っているのを、阿部は不思議そうに見ていた。
カワウソにエサをあげたり、ドクターフィッシュに手をつつかれてバタバタしたり、イワシのショーに興奮したりと満喫している。
今は、ビルの五階分をくりぬいて縦長にした巨大な円柱の水槽前に居て、そこではサメやエイなどの大型の魚類が悠々と泳いでいる。半円部分が見られるようになっており、水槽のすぐ傍は自由に観覧できる。そこから少し場所を開けて10段ほどの階段状の座席が三区画に分けられている。
阿部は最前線で水槽にかぶりつくように眺め、宮舘と渡辺は座席最後列の更に後ろに設置されている手すりのところから、阿部を眺めている。
💙「なんか、こんなはしゃいでる阿部ちゃん、久しぶりに見た気がする」
❤️「だね。いっつも、コントロールルームからみんなに指示を出したり冷静に対処したりっていう感じだから、あんまり見てなかったかも」
💙「元々六人でいた時は一番下だったから、真面目でしっかりしてるのは変わんないけど、末っ子感みないなのはずっとあったじゃん?」
❤️「俺も照も同い年だけど、やっぱなんだろう、弟感みたいなのはあるよね」
💙「反応が素直だからかな……たまに拗ねたり怒ったり、あとあれ、一口ちょうだいとかね」
❤️「よくやるね。まあでも、下三人が入ってきてからも何やかやで年下っぽく見えるのは何でだろうね」
💙「めめはさ、あんな感じじゃん。クールで落ち着いてて大人っぽいから。康二はよく阿部ちゃんに甘えてるけど、実は阿部ちゃんのこと可愛がってるし」
❤️「可愛いって言ってるのはよく聞くね」
💙「そう。で、問題はラウールだよ。最初の頃は高校生だったし馴染めてなかったからわかんなかったけど、身長も抜いて大人びてきたらさ、めっちゃ阿部ちゃんのこと可愛がるようになったじゃん?」
❤️「年下の女の子みたいって言ってるの聞いたことあるね」
💙「阿部ちゃんに投げチューしてんのも見たことあるし。ぼそっと可愛いって言ってるガチ感ね」
❤️「わかるわかる。まあ、そう言う翔太も阿部に対してお兄ちゃんになるし。佐久間も翔太も阿部にだけじゃない? そういうお兄ちゃん感出すのって」
💙「んー……かもね。俺らはさ、阿部ちゃんに優しさをめっちゃ貰ってるじゃん。いっつも助けてくれるし。いろいろ気付いてフォローしてくれるし。なんか、それに返したいって思うんだろうね」
❤️「SnowManは優しい人が多いなって印象あるけど、ふっかとか佐久間とか照とかね。でもなんだろう。陰で全部支えてくれてるのは阿部って感じで、阿部がひたすら優しいから俺らも優しくなれてる気がするね」
💙「本人にはマッジで伝わんねえけど」
❤️「翔太さ、よく阿部のこと気にかけてるんだけど、遠慮がちだからか気付かれてないこと多いよね」
💙「げ、バレてる?」
❤️「ふふっ。何回か目撃した。両面テープが剥がせなくて困ってるの見て手を出したら、康二がさっと取ってあげてるのとか。キャッチボールの時に翔太は阿部にボール渡したけど、その後もらおうとしたら佐久間にあげてたのとか」
💙「うわっ、マジか」
❤️「まあ、ボールの時は目黒も手を出してたんだけど、二人して気付かれてなくてちょっと笑ったよね」
終始、甘々な顔をしているのは二人とも気が付いているだろうか。
そんなゆり組に気付くことなくずっと水槽を見続けている阿部は、周りの音すら聞こえないほどに没頭している。
すぐ傍に男が立っても、水族館には人がたくさんいて何人も通り過ぎていたから気にもならない。
だから、耳元で声が聞こえた時も一瞬、理解はできなかった。
「隙だらけだな」
💚「えっ?」
振り向くとそこには見知らぬ男が立っていた。