テラーノベル
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告白された翌日。
達宣は、祐希の姿を見つけた瞬間、足を止めた。
いつもなら何も考えずに近づいていた。
「祐希さん!」と声をかけて、昨日の続きを話して。
それだけだったのに。
今日は、何を話せばいいのかわからなかった。
祐希は達宣に気づくと、いつも通りに手を上げた。
「おはよう、大塚」
「……お、おはようございます」
声が少し裏返った。
自分でもわかるくらい、ぎこちなかった。
祐希は何も指摘しなかった。
「今日、少し寒いね」
「そ、そうですね!」
「……大塚?」
「はいっ!」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です!」
全然、大丈夫じゃなかった。
祐希の顔を見るだけで、昨日の言葉が頭の中によみがえる。
――好きなんだ。
あの声。
あの表情。
いつも落ち着いている祐希が、少し緊張していたこと。
思い出すたび、顔が熱くなる。
祐希はそんな達宣を見て、胸の奥が少し痛んだ。
困らせてしまっただろうか。
今まで通りに話したいのに、達宣が自分を意識していることが伝わってくる。
それがうれしくないわけではなかった。
けれど、戸惑わせたくなかった。
「大塚」
「は、はい」
「無理にいつも通りにしなくていいよ」
達宣は、はっと顔を上げた。
「……え?」
「昨日のこと、気にしてるでしょ」
「……」
「俺は、大塚がどう思っても、大塚のことを大切に思ってるから」
その言葉を聞いて、達宣は少しだけ息をついた。
祐希は、何も変わらない。
急かさないし、答えを求めない。
昨日、告白したばかりなのに、今日も自分のことを気遣ってくれる。
それが、うれしかった。
うれしくて。
同時に、少しだけ寂しかった。
(……俺、何を期待してるんだろ)
祐希は、自分の気持ちを伝えてくれた。
でも、自分はまだ何も返せていない。
それなのに、今まで通りに接してほしいと思っている。
祐希の隣にいたいと思っている。
昨日までと同じように、何気ない話をして笑いたいと思っている。
それは、ただのわがままなのだろうか。
「……祐希さん」
「うん?」
「俺、ちゃんと考えます」
祐希は、少しだけ目を細めた。
「うん。ありがとう」
それだけ言って、いつも通りに笑った。
達宣は、その笑顔を見て思った。
――やっぱり、この人と話したい。
今までみたいに。
でも、今までと同じ気持ちではいられなくなってしまった。
それが何なのか、まだわからないまま。
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