コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
彼を真上から見下ろす恰好になって、
「お、下ろしてください」
と、うろたえて声に出した。
「お仕置きだと、そう言っただろう?」
「お仕置きって、何を……」
「先に教えてしまっては、お仕置きにならなくなる。目を閉じて、このタオルで覆いなさい」
いつにない命令口調の彼に、ややびくびくとしながら、手渡されたタオルで目元を覆い頭の後ろで結んだ。
彼の顔が迫る気配がして、
「視覚が奪われていると、何をされるかわからないだろ」
耳の奥に、吐息とともに密やかな囁きが吹き込まれる。
滑らかな指先で髪が耳に掛けられると、次はどうされるのかという期待とも恐れともつかない気持ちが、体の奥からじわりと湧き上がった。
「動かずに、じっとしていなさい」
不意討ちで濡れた舌の触感が耳の穴を抉るように挿し入れられ、びくんと身体が震える。
「ふっ、あ……」
彼が告げたように、視界が閉ざされていると他の感覚が研ぎ澄まされるようで、耳の中の音がよりエコーがかかって聴こえて、
舐るような舌触りが内側の薄い皮膜をなぞると、ぞくりとした身悶えが襲った。