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光男はうっとりと前の席に座って本を読んでいる女子を見つめていた。
「小川ああゆうのがタイプなんだ。」
「蘭子さんってミステリアスで良いよなぁ。」雄大は呆れていたがお構いなしに蘭子の隣に行った。
「何読んでるの?」
「多分知らないと思う…。」と本を渡してきた。
「ううん知ってるよ曲亭馬琴でしょ?俺も大好きなんだ。」
光男が興奮しながら言うと蘭子はニコリと笑った。
「小川君だっけ…?」
「覚えてくれたんだ。」蘭子はコクリと頷いて
「趣味合うね…。」と呟いた。
「俺も嬉しい。」2人の距離が縮まった。
翌日デートに行きドキドキと胸が高鳴った。
「あっあのさ…。」
「何…?」蘭子が聞くと
「前から好きなんだ良かったら…。」光男は勇気を出して告白した。
「まずは…友達から。」
「そうだよな。」少し落胆したが笑顔を取り戻した。
2人は本屋に入り蘭子がサブカルチャーブースに入るのを見計らって「異性からモテる本」を手に取って読んだ。
「何読んでるの?」
「あ…いや…別に。」蘭子が手にしてる本に目が行く風を装いながらハウツー本を隠す。
「これはねサブカルチャー全集って言う本なんだ。」
「そうなんだ。」光男はたじろぎながら言った。
蘭子が上の本を取ろうとした瞬間足を崩し慌てて助け出したタイミングでハウツー本が落ちてしまった。
「こんなの読まなくて良いよ…。」
「これは…その…ごめん。」どう言えばば良いか光男は悩んだ。
「小川君はそのままでいて。」優しい言葉を聞いて安堵した。
「ありがとう蘭子さん…いや蘭子。」
「近いよ小川君…。」光男はハウツー本に書いてあった「仲直りのキス。」を蘭子にした。
「ん…。」光男の唇の柔らかさを感じたのか身を委ねてた。
「蘭子…。」