チャイナマフィア2世のユウマとミツキをパラドックスで保護して3日後。
「顔色良くなってきたな」
「アニキ、3日も連絡なくて寂しかったっす」
いつからコイツらのアニキになったんだ。。。3日間、ユウマとミツキはたっぷり食事に睡眠で体力が回復してきた。
ミツキの肩口の傷も完治してきて順調に回復に進んでいる、しかしコイツらに取り憑いたものは以前と変わらずへばりついている。
古井戸にもう少し、力を吸収させないと祓うことは難しいだろう。
「お嬢はどうしたんですか?」
「お嬢?藍原の事か?」
「アニキの彼女さんじゃないんですか?」
「あいつは昔勤めていた会社の後輩だ」
なら俺たちにもチャンスがあると言わんばかりの目の輝きだ。
今回、風間が訪れた理由はこの2人にいざお祓いをする時のために修行というか少しでも霊力をつけてもらえるよう、その方法を教えにきた。これはまさに僧侶の修行に似ていて今までの道楽していた世界から精神を離脱させる事である。
若者の2人にとっては厳しいかもしれないが命を落とすよりはマシなことだ。
「それとだな、お前らに取り憑いているのは人の形はしているものの、奇妙な札を全身に貼り付けているように俺にはみえる。おそらく呪術をまとった怨念だ。揉めた宗教団体ってなんだ?」
「宗教団体の名前は知らないですが、バックにいるのが日本の893です」
ユウマの話によると893は村上組だというだとすると、宗教団体はおそらく黒真会と推測される。
先日藍原から聞いた村上組とツグミの関係といい、世間は狭いものだ。黒真会、ノエルやユリ、そしてコイツらもそうだが、皆強力な呪術で陥れられている。
ノエルは帰らぬ人だがユリやコイツらは救ってあげたい。
「じゃあまた来るから、修行に励め、サボったら死ぬからな」
そう言って風間はパラっドックスを後にした。
「いらっしゃいませ、ご指名はございますか?」
「リキト呼んでくれ」
ボーイは慌てた様子で裏手へ小走りで入っていった。
ここはあの歌舞伎町クラブルージュノエルとユリの職場であり、支配人はあのリキトだ。
だいぶ儲かっているのだろう、規模や見栄えも一流だ、従業員も客も、満席状態。
ボーイが戻ってきて個室に案内され、ソファーに座りリキトをまった。
「ゴーストの総長タツシ、風間、なんて呼べばいい?」
相変わらずゴリラのような図体のリキトのおでましだ。
「タツシは架空の人間だ、風間でいい、久しぶりだな」
10年以上ぶりの再会だ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!