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ジャイアンとスネ夫は退屈していた。 いつもの日常。代わり映えのない毎日。
テレビ、ゲーム、喧嘩、どれももう刺激がない。
そんなとき、のび太をちょっとからかったら、ドラえもんが「空気砲」で助けに来た。
あっという間に2人は現実味のない道具に興味を惹かれていく。いつもの日常など比ではない。
二人は気づく。「のび太をいじめれば、面白い道具が出てくる」。
。
次の日から、「何が出てくるか試してみようぜ」とのび太を毎日のように虐めるのが日常になってゆく。
次はどんな道具が出てくるのか。いつもの日常なんかどうでも良くなるような。
そんな刺激を受け激しい興味が2人を襲う。
「ドラえもん〜!ジャイアン達に虐められた〜!なにかいい道具出してよ!」
のび太くん、今日も虐められたのかい?
またいつもどうりドラえもんに泣きつくのび太。2日に1回程度の虐めが最近は連日で虐められている。
のび太は考えた。今日は道具でやり返すのを辞め油断させて明日事前に虐められないための道具を使う事にした。
ジャイアンとスネ夫はまた次はどんな道具を出すのか待っていた。待っていたがらその日は来なかった。二人はイライラとしている。なぜ来ないのか。もう諦めてしまったのか?
怒りは焦りに変わってゆく。
この日常がなくなってしまったらどうする。
次の日、のび太はウキウキとしながら空地にいく。この道具で二人にやり返してやるんだ!!
からかって怒らせてから、やり返してやる!
ジャイアンとスネ夫は安心した。
なんだ来たきたじゃないか。
安心は怒りに変わる。無駄に心配させやがって。昨日退屈させたぶん今日はたっぷりと楽しませてもらう!
そんな2人の思いも知らずに呑気に、ニコニコとしながら2人に近ずいていく。
「ねぇ二人と…も?」
のび太が2人を呼ぶと同時にジャイアンに背負い投げをされる。道具を出す暇もない。
いつもより力が強い。「うぅ、痛い。」
これじゃあやり道具を使う前にやられてしまう。「ちょっと待ってよ!」
そんな言葉も虚しくのび太は持ち上げられ頭から地面に叩きつけられてしまう。
のび太は動かなくなった。
ふぅ。驚かせやがって!そんな捨て台詞を吐いて立ち去ろうとする。その時スネ夫が気づいた。「ジャイアン!道具が転がってるよ!」
「お!ラッキー。待たずとももう道具を使えるなんて」2人はのび太を置いて
道具の使い方を考えた。けれど2人はどう考えても分からない。のび太に聞こう。そう思った。そこでようやく2人は異変に気づいた。
…のび太まだ起きないのか?
2人は青くなった。
ジャイアン「おい、のび太?」
スネ夫「おい!起きろよ!」
応答はなく置物のように動かない。
ジャイアンは揺さぶった。
スネ夫はジャイアンを制止して、脈と呼吸を確認した。
「ジャイアン!のび太が息してない!!」
2人は逃げた。道具とのび太を置いて。
夜ご飯は食べる気がしなかったが、ジャイアンは家族に異変をきずかれない為に食べた。
結局トイレで吐いてしまったが。
スネ夫は今日はお腹空いてないからいいや。
そういってご飯を食べなかった。
朝方に母親達が言う、のびさんの家の息子さんが死んでしまったと。
その日の学校は休みになった。
退屈しのぎなんてもう考えたくないくらいには心臓がバクバクとしていた。
2人は空地を見に行く。警察が取り囲んで立ち入り禁止になっている。立ち入り禁止テープの外から様子を学校のクラスメイト達が見ている。
「のび太土管の裏で見つかったらしいよ。」
「殺すなんて…なんかの事件に巻き込まれたのかな…?」
そんな声が聞こえる。まさか人殺しを同じ小学生がやるなんて誰も考えてはいない。
2人は汗が止まらない。「ねぇジャイアン!」
スネ夫がジャイアンの腕を掴む。ジャイアンは頭が追いついていない。
そんな混沌とした声の中から声がハッキリと聞こえる。いつものび太と一緒にいる聞き間違えることの無い声。
「二人とも…」
ドラえもんの声が聞こえる。
鼓動はさらに早くなる。痛いほどにおおきくなる。ドラえもんにも聞こえて来そうなくらいに音も大きくなる。
「ドラえ…もん…」
吐くようにして声を出す。
「二人共来て欲しい。昨日何があったか教えてくれ。」
ついて行ったはいいが2人は黙っていた。
その沈黙を破るかのように
ドラえもんは自分とのび太くんの間にどんな会話をしたか何があったか一方的に話し出した。機械のように。俯いていて表示はずっと見えない。
それでも2人は何も言えなかった。ドラえもんが怖かった。
怖がる2人を見て限界が来た。
自分のせいでこうなったかもしれないと叫ぶようにして自分を責めている。 ドラえもんは自分が出した道具の事故だと思っている。
ドラえもんはいつものび太くんを虐めているけれどなんだかんだ仲がいいと疑ってかからない。
その様子を見てひとまず自分たちにはまだ被害がないと安心する。何があったから分からないフリをした。
そしてドラえもんはこれからなぜのび太くんが死んだか見てこようと思う。と言った。
ドラえもんは過去に行って物事を止める事を考えてはいないのか。
そもそも焦りすぎてそこまで考えが行かないのか。
2人は止めた。もし、自分たちが犯人だとバレたらさすがのドラえもんもタダでは済ましてくれないだろう。恐れたふたりはドラえもんを止める。
スネ夫が言う「道具が原因だったらドラえもんは精神的に壊れちゃうだろう!」
ドラえもんは精神が半分壊れた状態で言う。
「まだ、僕のせいだと決まった訳じゃないじゃないか!!」
ジャイアンはこれなら大丈夫だと考える。
「いや、あんなまぬけに道具を出すからこんなことになったんだろ…!!」
ドラえもんは頭が真っ白になってしまう。
「…でも!」 「…全部ドラえもんが悪い、あんな道具を出すから」とスネ夫がトドメを刺した。その言葉を最後に完全にドラえもんは壊れてしまった。
声を一切出さずに無言で立ち去った。
ドラえもんは自責の念に押し潰され意識が朦朧としている。気づいたらのび太くんの部屋の中にいた。暫く待つこともせず。
2分間ほど部屋で呆然とする。
ゆっくりとのび太の部屋で座り、充電を止めた。