テラーノベル
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恋愛、それは多くの人が異性を好きになり、付き合う。まさに今の私くらいの人たちが経験するザ青春だ。
けれど私は違った。
ピンクブロンド色の髪色に、私よりも高い背。
高い声なのに大人っぽさがあり、優しい声。
運動も勉強もできて、まさに理想の男。
セラフ・ダズルガーデン、私はまさにこの男を好きになってしまった。
ーーーーーーーーー
「ん〜…」
セラ夫が眉と眉の間に皺を寄せて何かを悩んでいる。
「セラ夫が悩むなんて珍しいですね」
「いや、将来のことってわかんないよねぇ」
「あぁ、卒業したあとの話ですね」
高校三年生。私もセラ夫もたらいも奏斗も、卒業したらそれぞれの道に進む。私もまだ定められていない、未知のこと。
「気楽に行こうやーーー!!」
「雲雀もいたんだ」
いつのまにか真横にいた。たらいと奏斗。
二人きりは終わり、四人の“仲間”が揃った。
「将来のことってほんとわかんないよね。僕もうそれ放置してる」
「それもそれでどうなんですか…」
いつもの日常、だったはずなのに。みんなの一言一言を気にして、セラ夫に話しかけられると鈍った反応をしてしまう。
将来のこと。私はみんなと一緒にいたいと思ってる。
けど少し、セラ夫とのことが頭をよぎる。
将来、セラ夫とはどうなっているのか、恋は実らず、生涯を終えてしまうのか。
考えれば考えるだけ、無駄だった。
ーーーーーーーーー
「セラ夫って好きな人いるんですか?」
勇気を最大限振り絞り聞いてみた。
今までにないくらい心臓がバクバクしていて、手もかすかに震えていた。
笑顔だけは維持して、目線を合わせる。
「好きな…人?」
「ええ。なんか特別だなって思う人、いないんですか?」
「特別…かぁ。…まだ、俺にはわかんないな。」
まだ、暗殺者を辞めたばかりのセラ夫には、まだ恋とは早いものだった。
早いというより、その感情を知らないのだと思う。
わかっていた。いないし、そのものを知らない。予想できたことなのに、私はチクリと針が刺さったような痛みがした。
ーーーーーーー
「脈なしだ…」
「まじで?全然あると思うけど」
「好きな人っていう概念を知らない感じだった…」
「それはどんまい」
私の恋愛相談相手、たらい。いつも優しく話を聞いてくれて、本音も言ってくれるし本当に楽。
アドバイスも時たましてくれる頼れる人。
「んー…それにしてもそれはまじ困ったなぁ…」
「うわぁん泣終わったー」
「ww、そんな弱っとるアキラ初めて見た!w」
「何笑ってんだ!」
「ごめんごめんw、でもさ、ポジティブに考えればセラおは女子も男子も好きにならんってことやろ?」
そう、それだ。
私は目を輝かせ、たらいの話を聞き続けた。
「セラおに恋愛っていうのをアキラが教えてあげるんよ!そしたらセラおもアキラにキュンってするだろ!」
「!、それですぅ!ありがとうたらいぃ〜泣」
「頑張れよ!アキラ!」
「うん!」と元気に返事をした後、たらいと解散した。
この日の夜。恋愛を教えるとはどういうことなのか、考えた。
とりあえず好きな人とはなんなのか、セラ夫の迷っていた将来にも関係することだ、ということを言わないといけない。
地味にそれがつらかった。早く私はくっつきたい。抱きしめてもらいたい。なのに、セラ夫は1ミリもその感情を知らない。
ますます悲しくなってきた。これからどんどん片思いは続く。
泣きそうになって、でも堪えた。
私は強い。絶対セラ夫を振り向かせてやる。
まずはセラ夫の特別な人、にならないといけない。
本音を話さないセラ夫が話せる唯一の人になれば、特別になれる。
そう思っていた。
ーーーーーーーー
「セラ夫ー」
「?」
「この前話した、好きな人について、教えてあげます!」
「う、うん」
さっそく私はセラ夫に話題をふった。
「セラ夫にとって特別な人ってどんな感じ?」
「んー…話して楽な人、?」
「うんうん、そういう楽に過ごせる人、も好きな人の証だと思う!」
「へぇ…そうなんだ」
「あとは!まえ、将来のこと、迷ってたでしょ?」
「うん」
「恋人っていう関係になると、その人が自分の将来に関わってくるの!」
「へぇ…すごいね、恋人って。」
「でしょ!セラ夫も、そういう人、将来的に必要だと思う!」
話せば話すほどどんどんセラ夫も学んでゆく。
これが、セラ夫の第一歩!
ポジティブに考えて私は勇気づけていた。
「はぁっ、はぁっ、好きな人がどんなものか、わかった?」
「笑、息切れてんじゃん」
「セラ夫にとって大事なこと、だからね、?」
「大事なこと…」
「なにか好きな人について困った時は頼ってくださいね!ではまた」
「ばいばい」
手を振り合って家に帰った。二人きりで、楽しい時間だった。
今も胸のドキドキは続いている。
これからどうなってしまうのか、セラ夫がどう変わるのか。楽しみなことだらけだった。
ーーーーーーーーー
家に帰って時刻は9:30
今日のドキドキが忘れられなくて眠気がしない。
ベッドにダイブして、たらいとの通話の画面を開いた。
「たらいー?!」
<うおっ!元気やなぁ!どした!
「私、今日セラ夫と話せちゃった!」
<おー!めっちゃええやん!どんな?
話すくらい、友達や他人とでもすることであるのに、たらいはそれを突っ込まず話を聞いてくれる。さすが最年長。
「恋愛のこと!セラ夫もへぇ〜って学んでくれてたと思います!それで、息切れるくらい一生懸命に話したら、笑ってた!」
<せ、セラおが笑うぅ!?アキラぁ…ちょーいい感じやん!
「…まぁそうですけど、悩みはあるんですよね…」
<うぇ?いい感じやのに?
「だって、今日知ったってことはそうそう好きな人はすぐできないじゃん。これから長い間また片思いが続くってこと…」
<それはぁ…悲しいなぁ
「…いや!私頑張る!諦めん!」
<ふはっ、その感じが一番ええよ。アキラだけにな?
「うるさい」
会話を終えると、一気に部屋は静まり返り、しんみりとした雰囲気だった。 こういう時間ほどネガティブに考えてしまう。 セラ夫が好きな人というものを知った以上、女性を好きになるかもしれない。私ではない人と付き合うかもしれない。 セラ夫も普段からカップルを時たま見ている。異性でいるのが普通、と思っているかもしれない。 男同士や女同士というものがあるのを知っているのか。 私がセラ夫に好きと言ったら…? 引かれる、いや、きっと困るだろう。 あいつは優しい。からこそ断られる時に心が痛む。 こんなに焦って、悲しくて、ときたま楽しくて、不安で。こんな感情を揺さぶられるのはなかった。
恋って辛いのか、わかんない。
ーーーーーーーーー
翌日。いろんな感情が混ざったまま、学校に向かった。
一限目、二限目、三限目と、どんどん時間は進んでいく。
六限目終わりのチャイムがなった。
セラ夫の方へ向かい、話しかけた。
「セラ夫、一緒に帰りましょう」
いつもの会話。ほんとならOKと言ってくれるはずだった。
「…ごめん。今日は、その、用事が、あって」
まだ感情もまともに育っていないセラ夫は、断ることさえ難しいのか、焦っていた。
落ち着けと言わんばかりに、頭を撫でた。
「大丈夫です。断ることも、大事なことですからね!」
少し悲しかったけど、我慢した。拳を握る。その手は震えていた。偽りの笑顔も、歪だったと思う。
「っ、ごめん、っ」
セラ夫は私に背を向けて教室を出て行った。
もう誰もいない教室はやけに静かで、外のざわざわとした人の声しか聞こえなかった。
「…しょうがない。だいじょうぶ」
さっきセラ夫を落ち着かせた身なのに、全然私は落ち着いていなかった。
いつもより足が重く、ゆっくりと歩いた。
下駄箱を出て、少し歩いたところ。
絶対に見たくなかったものを見た。
「ッ、なぎ、ちゃ__」
セラ夫は女性とハグをしていた。していたというよりセラ夫は女性に飛びつかれたようだった。
女性は泣いていて、ぎゅっとセラ夫の服を握っていた。
嗚呼、見たくなかったなぁ。
わかってた。こうなるかもって。
でも、悲しいよ。悔しいよ。
私の目からは雫が溢れて止まらなかった。
「っ、ぁ」
見られたくなくて、両手で顔を隠した。そして素早くその場から逃げた。
「ぁ、凪ちゃ、っ、!」
最後に、そう聞こえた。
走った。走る間も涙は止まらなくて、ボロボロと溢れていた。
走り疲れて歩き始めた頃。
がしっと手首を後ろから掴まれた。
「っ、せ、ら」
後ろを向くと、息を切らしたセラ夫がいた。
「はぁっ、はぁっ、凪ちゃん」
ずっと聞きたかったその声に、余計に涙が出始めた。
見られたくない。もうこの場から逃げたい。
手を振り払おうとした。けど、力は勝てなくて、両手ともと掴まれてしまった。
露わになった私の顔を見て、セラ夫は唇を噛んでいた。
「ねぇ、聞いて?」
優しいセラ夫の声に、逃げるのを諦め、大人しく聞いた。
顔は俯いたまま。
「あのね、凪ちゃん。俺、凪ちゃんに出会ってから色々、全部言えないくらい、日常が変わったよ。」
「最初のうちはね、あんま感情とかわかんなかった。凪ちゃんのことも警戒してなんの感情もなかった。」
「けど、過ごしているうちに、凪ちゃんと話してると楽しいって感情があることに気づいた。」
「毎日凪ちゃんに会うのが楽しくて、話したくて、触れたい、って思った。」
驚いた。そんな感情を持っていたなんて。
そしてそのセラ夫の気持ちは、もしかして…?
「凪ちゃんに教えてもらうまで気づかなかった。俺が凪ちゃんのこと、“好き”って思ってたなんて。」
「っ、!」
「友達以上の関係だって凪ちゃんとならなれる。いや、なりたい。」
「…話長くなっちゃったけど、最後にまとめていうね。」
「凪ちゃん」
私は恐る恐る顔をあげ、セラ夫と目を合わせた。
「俺、凪ちゃんのことが好き。こんな不器用な俺でもいいなら、付き合って欲しい」
その言葉にまた涙が出た。悲しいんじゃない。嬉しい。
「っ、あぁ、っ、うぅ」
セラ夫に包まれた。セラ夫の胸元に顔をつけて、泣いた。
「ごめんね。辛い思いさせちゃって。」
「俺からの、お詫び。」
くいっと顎を上げられて、口付けされた。
もちろん唇に。一瞬の出来事に、頭がパンクした。
「…ぇ、あ、うぅ ? // 」
「ふはっ、かわいいねぇ。」
涙は引っ込み、顔が真っ赤になった。
「これから、よろしくねぇ」
「は、はいぃ… / / 」
セラ夫には、かてないな。
後日。
「おめでとーーーー!!やっとくっついたぁ!」
「長かったねぇ〜、で、もうキスとかした?」
「さすが、に」
「…ふへ」
「うぅぇぇ!?!?」
「まじか。よかったねぇアキラぁ」
「うるさいぃ… / / 」
恋って、楽しいな。
ーーーーーーーーー
めっちゃ長編ー
んじゃまた
コメント
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はぁ…読んでて胸がいっぱいになったよ🥺💔 最初の「脈なしだ…」って落ち込むところから、たらいとの会話で前向きになって、それでも不安がよぎる描写、すごくリアルだった。セラフに「好き」って言葉を教えるngちゃん、健気すぎて泣ける…。 最後の告白&キスのシーン、もう「よかったねぇ!!」って叫びたくなったよ😭💕 セラフも感情を知って、ちゃんとngちゃんのこと見てくれてて…両想いになってほんと良かった。 yhj√さん、切なくて温かい恋愛物語、ありがとうございます🤍 続きも楽しみにしてます!