テラーノベル
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朝の光がカーテンの隙間から差し込む頃。
私は、ミンスの腕の中で目を覚ました。
「…..ん」
背中に当たるのは、ミンスの体温。
どこかぎこちないようで、でも妙に落ち着く抱きしめ方。
ついこの前まで、こういうのは全部私の担当だった気がするのに —— 。
「おはよう、セミヌナ。……あ、起こしちゃった?」
後ろから優しくかけられた声に、私は思わず小さく笑った。
「あんた…私のこと、扱い慣れてきたよね」
「えっ…そう…?前のほうが、良かったかな…」
「別に、あんたがその気なら、ま、付き合ってあげるけど」
口ではそう言ってみせるけど、本当は。
こうしてあんたが自然に私の背中を撫でてくれるの、ちょっとズルいって思ってる。
最初は、私の方があんたを引っ張ってた。
「もっと自信もちなさいよ」とか、
「あんなヤツら関わらなくていいから」
とか言いながら、
内心では、小動物みたいに怯えがちなあんたのことが、どうしようもなく可愛かった。
付き合い始めたとき、
あんたは目を潤ませながら「本当に僕でいいんですか…?」なんて言ってたくせに、
気づけば、こうして私の後ろで腕を回して、背中越しに頬まで寄せてきたりする。
「…ヌナ、今日は何する?お出かけする?それとも、もう少しこうしてたい?」
その声が、やけに近い。
うなじにふわっとかかる息が、くすぐったい。
「……っ、ミンス」
「はい?」
「…そういうの、調子狂う」
「え、嫌だった?」
「いや…嫌じゃないけど…。」
そう言うと、ミンスは私の肩にぽすんと額を預けた。
「今の僕がいるのは、ヌナのおかげですよ」
「…あんたってほんとずるいね」
「何がですか?」
「そんな甘いこと言われたら、反論する気なくなるじゃん」
「…ふふ、だからその分、僕はヌナを甘やかしたいだけです」
私は思わず、顔をそむけた。
…なによそれ、こっちの台詞なんだけど。
午前十時。
ミンスの提案で、近所のパン屋に行くことになった。
私が身支度してリビングに戻ると、
ミンスがにこにこして待っていた。
「わぁ…似合ってる、その服」
「はいはい、私が何着ても似合うって言うんでしょ…」
「いや、本当です。今日は一段とかわいい」
「っ….うるさい。行くよ」
手を伸ばそうとしたら、先にミンスが私の手をとった。
自然に、迷いなく、指と指が絡まる。
…ちょっと前まで、私がリードしてたのに。
「…なんでそんなに、平気な顔して手とか繋げるようになったのよ」
「平気じゃないですよ。心臓、バクバクです」
「はぁ?」
「だって…セミのこと、今でもずっと好きだから」
その言葉に、私は一瞬動けなくなった。
「…ミンス」
「?」
「私が、あんたのことかわいがってたのに…。今じゃ、完全に逆転じゃん」
「逆転なんかしてないよ…?
かわいがるのは、両方でいいんだ」
その笑顔も反則。
ちょっとだけ背伸びしてるくせに、
私のことちゃんと見てて、
時々甘えてきて、
でもたまに思いっきり抱きしめてくる。
「…好き、って言ったら、また調子乗る?」
「もちろん」
「……じゃあ、言わない」
「えぇーっ」
「かわいがられるの、別に嫌いではないけど、ミンスが調子乗りすぎるのも考えもんね」
そう言いながら、私はミンスの手を強く握った。
これから、どっちが上とか下とか関係なく、
あんたといっしょにいられたら、それでいい。
帰り道。
パン屋で買ったクロワッサンを頬張りながら、ミンスがぽそっと言った。
「ねえ、セミ」
「なに」
「今日も一日、大好きだよ」
「……馬鹿」
そう言った私の声が、ほんの少し震えてたのに、 ミンスはきっと気づいてるんだろうな。
あーあ、ずーっとやられっぱなし。
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どうも霜月です
実は、イカゲ関連で同じくイラストとかも投稿してみたいなって思ってたんですけど、なかなか躊躇してます。
何が怖いかって、それは
身内にバレること…
たぶん絵柄でバレちゃうとおもうので😱
バレないようないいアイデアがあればぜひ教えてください笑🙏
コメント
1件
はああああん... ほのぼの尊いぃ..😆😆もうバレるのはしょうがないことですから開き直った方が吉だと思います😉