俺は1度も夢を見た事が無い───。
人はみな眠っている間だけ夢を見る
それが普通なんだ、当たり前なんだ
じゃあ俺は異常なのか?俺は人じゃないのか?
じゃあ俺は一体なんなんだ?
中也「ボーッ……」
中也はベンチに座って考えていた
ガシッ!!
突然背後から両肩を掴まれる
中也「ビクッ!?」
ぷっ…あっはっはっ!w
背後から笑い声が聞こえた
中也「…ってめぇ急に何すんだ、太宰」
太宰「いやぁ、名前を呼んでも聞こえてないみたいだったから」
中也「…あっそ
(名前呼ばれてたのか、気づかなかった…)」
太宰「よいしょっ(隣に座る)
君が考え事なんて珍しいね、何かあったの?」
中也「…少し前にてめぇが言ってただろ
夢を見た…って」
太宰「あぁ、そういや言ってたね」
中也「夢は絶対見るものなのか、?」
太宰「んー…絶対、では無いと思うけどほとんどの人がほぼ毎日見てるんじゃないかな?」
中也「……(下を向く)
…俺は1度も夢を見た事がねぇ、夢を見ない人なんて居ない、、なぁ、太宰…(顔を上げる)」
太宰「…ん」
中也「俺は…人じゃ…ないのか…?
(少し泣きそうな顔で)」
太宰「!」
…君そんな顔も出来たんだね
太宰「中也はちゃんと人だよ、、
知ってるかい?この世には中也みたいに夢を見たくても見れない人が沢山いるんだよ
(頭を撫でる)」
中也「そう…なのか………(下を向く)」
中也の目から涙がこぼれ落ちる
太宰「?…中也…泣いてるのかい、?
(顔を覗き込む)」
中也「っ…五月蝿い、泣いてねぇよっ…!
(目を擦る)」
太宰「…ギュッ(抱きしめる)」
中也「っ!なに…してっ…」
太宰「よしよし、いい子いい子〜
(抱きしめて頭を撫でる)」
中也「…てめぇ…俺は子供じゃねぇぞ…💢
頭撫でんな、てか離れろ…💢」
太宰「パッ(離れる)」
中也「…ったく(立ち上がる)」
太宰「おや、もう行くのかい?まだ撫でたりないのだけれど」
中也「俺はてめぇと違って暇じゃねぇんだよ、撫でたいなら犬の頭でも撫でとけ」
太宰「えぇー、私犬は苦手なんだけど…」
中也「知るか、じゃあ俺は行くからな、スタスタ」
太宰「…中也」
中也「…あ?(立ち止まって振り向く)」
太宰「いつか君にも楽しい夢を見せてあげる、だからそれまで待っててよ(微笑む)」
中也「!…はっwそうかよ、、」
楽しみにしてるぜ、相棒───。
ーENDー