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びゅうっと冷たい風が頬を撫でる
赤色に色づいた葉は枯れ落ち、冬の訪れを告げているようだった
学校が終わり、帰路に着く
いつも通りの景色だった
君がいないこと以外は
あの楽しかった君との日々が、昨日のように思い出される
まだ君がいなくなったなんて実感がわかなくて
隣の家から、ひょこっとまた出てくる気がして
それを、君の遺影が嘲笑うように否定をする
あぁ、最悪だ
君にまだ、言いたいことがたくさんあったのに
君としたいことも、まだ、
「クシュッ」
肌寒くなってきた
くしゃみが出ても、隣から心配な声はない
思い出せば、何をするにも君がいた
僕の隣に、ずっと
無邪気な笑顔も
初対面の人に緊張して僕の後ろに隠れる君も
必死に歌う真剣な顔も
全てに絶望した君の目も
僕に向けた、温かい顔も
僕の頭の中で、飽和していた
僕はあの時、どうすればよかっただろう
君はどうすれば死なないでいてくれたのだろう
本音を言うなら、僕もきっと死にたくなかったんだろう
ただ、君のいない世界が、どうしようもなく怖かったんだ
なんとなく、君の家に行くことにした
家の玄関に鞄を置き、君の家に向かった
たった10秒歩けば着く、とても近い君の家
インターホンを押した
君のお母さんは、優しく迎えてくれた
君の部屋に入る
物の位置も
少し散らかった机も
書き込みだらけの台本も
匂いも、全部
全部あの時のままで
ただ、君だけがいなくて
でも、君に伝えたくて
「…寧々」
君の名前を呼んだ
返事はない、当たり前だ
それでも続けた
「僕なりに考えたんだ、君が、僕にどうして欲しかったのか」
不思議と涙が溢れてきた
君の葬式ですら、一粒も流れなかったというのに
嗚咽混じりに、僕は続けた
「誰も、何も悪くないよ
君は、…っ寧々、は、何も悪くはないから」
死ぬなんて言わないで
でも、もう抱え込まないで
あんな奴らのために、君は悩まないで欲しい
何も気にせず、歌って欲しかった
「全て投げ出してしまおう」
そう言って欲しかったのだろう
なあ?
最後までお読みいただき、ありがとうございました
とても楽しかったですが、曲パロは結末が分かってしまうのであまり向いていなさそうですね
おそらくもうしません笑
このお話には関係ないのですが
私はずっと類のことが好きで、類単推しだったんですけれど
最近行われた寧々バナーの「超克のプロタゴニスタ」でとんでもない量の幼馴染を浴びた上に
寧々の素晴らしい演技、類の寧々への言葉などいろいろ重なってしまい、
なんと寧々推しにもなってしまいました
リリース当初からずっと単推しだったのに今更推しが増えるとは…
これからは類最推し、寧々2推しとなります
類寧々推しであることには変わらないので特に変化等はありませんが、ちょっとしたご報告ということで
最後に、次の作品は曇らせの予定です
また次回作でお会いしましょう