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小さな神社

26 - 秋

2023年11月04日

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大分、気候が良くなった。

朝と夜は寒いくらいの日もあるが、日中は過ごしやすい。

ぼくは境内で背伸びをする。

そこへ美子が来た。

「気持ちいいね」

そして一緒に背伸びをした。

ぼくは洗濯物を干し、美子は花壇に水やりをした。

大体終わったころ、女神様が出てきた。

「朝食の片付け終わったから、ちょっと休憩に散歩に行かない?」

ぼくたちはすぐに出かける準備をした。


行き先は神社と道を挟んだところにある公園だった。

「勤務先だね」

美子が自慢げに言う。

座敷童子の仕事は土日祝日はお休みだそうだ。

「ここって女神様の公園なんだよね」

???

「正確にはうちの土地を市に貸して市が公園として利用しているのよ」

うわぁ…初めて知った…

女神様は笑って言った。

「そんなことより、公園に行きましょう」


公園の花壇には、コスモスが咲き誇っていた。

白とピンクの2色だった。

「秋の花って言われたらまずはコスモスを思い浮かべるな」

女神様はうっとりと言った。

「ピンクが綺麗だよね」

「コロナが一番かっこいいと思うよ」

「?」

女神様は言った。

「奥にはどんぐりもあるよ」

ぼくたちは奥の大きな木の方に歩く。


木の回りには大きなどんぐりが落ちていた。

美子は楽しそうに拾う。

「この木ってどんぐりの木なの?」

ぼくは答える。

「どんぐりの木っていうのはなくて、ブナ科の木の実がどんぐりなんだよ」

美子は渋い顔をした。

「よくわかんない」

女神様は笑う。

「どんぐりのなる木はたくさんあるのよ」

「ふうん…そうなんだ」

美子はなんとなく納得したようだ。

「ね、ここを見て」

女神様が言った。


画像


「これは…何?」

「緑色だけど…どんぐりっぽいね」

女神様は言う。

「そう、まだ木になっているけどどんぐり。

なかなか落ちている分しか見ないからね」

「へぇ…初めて見た」

「緑色なのも綺麗だな」

普段、何気なく見ているもにも新しい発見がある。

小さな木の実だが、大きな感動を感じた。

「さ、帰ろうか」

満足そうに、女神様は言うのだった。


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