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私は拘束を力強く解き放つ。
空へと。
あの白い雲の朝と星空の夜の境界線のある空へと浮上する。
それと同時にウロボロスという名の蛇が目を覚まし、尾を飲み込み始めた。
「ルゥーダーよ、もう一度殺すのだ!」
カルダはルゥーダーの背中に何かの印を結ぶ。すると、ルゥーダーの背中に巨大な黒い翼が生えた。その姿はまるで黒い死の天使。
「おのれー! もう一度殺す! お前さえいなければ! 俺の母は俺を後継者と……!」
ルゥーダーが槍を手放し私を追って羽ばたいた。
私は空中で迎え撃つ。
拳、蹴りなどをルゥーダーに打ち当て、ルゥーダーも雄々しく応戦するが、私はいきなり飛び蹴りを放つために遥か上空へと昇り、急降下した。
下ではディオや蒼穹の戦士たちが、上を向いて騒いでいる。黒い霧は……一体もいなかった。
飛び蹴りは見事。翼の生えたルゥーダーの腹にめり込む。
「う!」
ルゥーダーは吐血して、両手で私の脚を掴んだ。
そして、遥か下方の森へとジャイアントスイングをして、投げる。
私は鬱蒼と茂る森へと、ものすごいスピードで落下する。地面に激突。背中を地面にしたたかに打ち、こちらも血を嫌と言うほど吐いた。
けれど私は起き上がり、片手をルゥーダーを狙って前に突き出した。ルゥーダーは何とか上空でかわしたが肩が少し破裂した。
「もう一度! もう一度!」
ルゥーダーは苦悶の顔をし、呪文のように同じ言葉を何度も繰り返す。
「俺は夢の世界では死ぬことはない!」
私は一喝し、
今度は渾身の力で両手をを突き出した。
こちらに向かって来たルゥーダーは翼を羽ばたかせ猛スピードで回避しようとする。
私はそれと同時に、飛び蹴りの態勢をしながら、ルゥーダー目掛けて空を飛んだ。
私の足はルゥーダーの腹に再度、直撃。吐血と同時に黒い翼がカルダの闇の力が無くなったかのように薄くなり出した。
ふらふらになったルゥーダー。
私は最後の力を振り絞り両手をルゥーダーへと突き出した。
不思議な力は、翼で防御しようとしたルゥーダーの巨大な翼に当たり片方がどこかへ吹っ飛んだ。
ルゥーダーは下方へと墜落した。
空は今では、眩しい朝日の光が闇夜に打ち勝っていた。天は、太陽の光が降り注ぐ大空へと変わる。
「後はカルダだな」