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22歳の私は4年生の女子大学に通い
食物栄養学を学んでいた
母が亡くなってから料理に
興味を持つようになりその興味関心は
栄養学までに及んだ
本来ならみんなと同じようにこの時期
卒業に向けて食品会社などに
就職活動をしなきゃいけなのに
私は社会に出て働く勇気がなかった
まだ学生でいたかった
アルバイトなども一度もしたことがなかった
地味で人とのコミニュケーションが
苦手な私は就職せず
大学院に進みたいと父にねだった
父は一言
「好きにしなさい」と言った
なので後2年父は学費を出してくれて
私はまだ学生でいられた
美知恵おばさんは
ここへきて少し年老いた感じがした
日中は椅子に座って昼寝か編み物をして
夕方に自転車で夕食の買い物にでかける
毎日その日々を過ごしていた
もう私達はお互い空気のような存在で
喧嘩などもしないかわりに特別仲良しで
一緒に出かけたりするような仲でもなかった
その頃父は今の父の工場が上手く回っているのは
昼間働いてくれているパートの
女性社員さん達のおかげだと
よく私達に話してくれた
実際今まで父の工場の従業員は男性ばかりで
父は女性を入れるのはあまり興味が
なかったらしいが
いざ女性の従業員を雇ってみると
とても生産効率が上がったと喜んでいた
私も雄二もリビングでパパを囲んで
父の会社で働いてくれている
パートの女性社員さん達に父と同様感謝した
そして女性パートさんのために
三時の休憩時間を10分伸ばし
初の女性の正社員制度も導入
したことを私達に伝えた
「かわいい制服も用意してあげたら?」
私は言った
可愛い制服で働くと
その女性社員さん達も喜ぶはずだ
父は良いアイディアだと言ってくれた
私は父の役に立ててとても嬉しかった
そして・・・・
運命の時がやってきた
ある日父がいつも会社の為によく働いてくれる
従業員達を呼んでうちの庭でガーデンパーティーをやりたいと言った
美知恵おばさんも私も賛成した
そして今週の日曜日にうちの庭で行われる
ガーデンパーティーの準備が始まった
私は美知恵おばさんとお料理や
おもてなしの支度を必死で考えた
招待客は全部で30人
うちの庭でバーベキューコンロを
置いて楽しくワイワイやってもらいたかった
おばさんは庭師を呼んで植木を手入れさせ
ガーデンセットを私は倉庫から出してきて
綺麗に拭いた
お酒もソフトドリンクも沢山用意した
母が生きていた頃は父は会社の従業員を
よくうちに連れてきていた
そして母のもてなしは会社の人にも
評判が良かった
私は母と同様この家の女主人として
会社の人をもてなし喜んで欲しかった
だっていつも父が私達に言うように
私達の生活が成り立っているのは
従業員の人が父の会社で
安い賃金で働いてくれるからだ
会社の仕組みは私にはわからないけど
その人達がいてくれることが大切なのは
私にもわかった
そして日曜日
母が亡くなってからうちの庭にこれほど人が
沢山溢れるのは初めてだった
パパの会社の従業員達はみんな楽しく
バーベキューをしてワイワイと話し込んでいた