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父の事業は相変わらず大きく発展していた

そしてある日父の第二の段ボール工場を

広島に建設すると言うので父はおよそ

1か月ほど広島に出張に行くことになった




以前にも父の出張はあった

その時は私達家族に綺麗な写真の絵葉書を

何枚も送ってくれたり

必ず何度も電話をくれたりした

しかし今回の広島の出張は違った




父からはまったく私に絵葉書も

雄二と二人でどうしてるかい?という

電話もまったくなかった


私は父に雄二がヘンな事をしている写真を

LINEで送ったり,庭に咲いた綺麗な

ガーネットの花の画像を送ったりした

しかしまったく返事をよこさなかったのは

なんだか父らしくなかった




さらにそこから三か月父の出張は伸びた

その間2~3度私は父と話し

自分の事は心配しなくていいから

父がいない間雄二をよろしく頼むと言われた




私は父の言いつけ通り毎日雄二の宿題を見て

学校の個別懇談会にも参加した

私は父がいなくても立派にやっているんだと

家の事は気にしないで父に

仕事に打ち込んでもらえるようにした




10月のはじめ私は駅の改札で

百貨店で有名なケーキ屋さんが

出張で出している出店のケーキを

美知恵おばさんと雄二と私の分と

3個買って家路についた



するとダイニングテーブルで美知恵おばさんが

タブレットを目の前に置いて泣いていた

私は背筋が凍った




「美知恵おばさん!父に何かあったの?

悪い知らせなの?」




私はおばさんに駆け寄った

おばさんはティッシュで鼻をかんで私に言った




「いいえ・・・悪い知らせではないわ

どちらかと言うと良い知らせですよ

スミレちゃんと雄二君に新しい

お母さんが出来るの・・・・ 」



ボロりとまたおばさんの目から涙が

こぼれた・・・新しいお母さん?




「これを読んでちょうだい」




とオバサンが私にタブレットを見せた

それは父から美知恵おばさんに宛てた

メールだった




「親愛なる美知恵さんへ

以前からお付き合いをさせて頂いていた

鳩山美鈴さんと再婚することになりました

一度うちでバーベキューをした時に

美知恵さんも彼女と会っていると思います

私達はもう3か月ほどこちらで暮らし

広島で新事業を軌道に乗せた後本家で彼女を

連れて子供達と一緒に暮らすつもりです

このことを美知恵さんから

子供達に伝えてくれませんか?

美知恵さん・・あなたは私が妻を無くして

一番辛い時に【義妹】として本当によく

尽くしてくださいました

感謝してもし足りません

これからは美鈴と二人で頑張って行こうと

思っています

今まで本当にありがとう

もちろん私の家をすぐに

出て行くことはありません

それでもいつまでも引き止めてもいけないとも

思っています。あなたの都合の良い時で結構です

私達はこれからも助け合える良い親戚なのですから」




私はそれ以上父のメールを

読む気になれなかった

おばさんのタブレットをへし折りたかった




「いったいどういうこと?」




私は叫んだ

あの女は父の出張について行っていたのだ

父はあの女にたぶらかされのだ




「さあさあ、興奮しないで」




と美知恵おばさんは言って鼻をかんだ




「泣いたりなんかしてごめんなさいね

あんまりにもびっくりしたものだから

お二人が幸せになること願っているわ

私はすぐに九州の実家に連絡をするわ

あそこには私の部屋と思い出があるのだから」



「どうしてっっ!

出て行く必要なんかないわよ!!

パパ達が再婚するからって

何も変わらないわ!今まで通り

ここでみんなで仲良く暮らしましょうよ!」




私は叫んだ

するとフッとおばさんは両手で

私の頬を挟んで微笑んだ

しかしその目には涙が浮かんでいた




「可愛い、可愛い、世間知らずのねんねさん

そういう訳にはいかないのよ・・・

私は負けたの・・・

今はこの意味がわからなくてもいいのよ」





私はハラハラ涙を流した







「お願い!私達を置いていかないで!」

継母は同級生【毎朝10時更新】

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