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一時的な逃げ道。
それでも守りたい。
化身狩りが始まっても
今までなんとか生きていた
一つ年上の兄に、ずっと大きい背だけどずっと年下のかわいい弟。
決して楽な生活ではないし、人間たちに怯えることもあったけど
家に帰ったら兄と弟がいる。
それだけで幸せだった。
それでも日に日に、化身狩りの勢いは強くなっていく。
…でも大丈夫、私たちは上手く紛れている。
バレるはずがない。
そうなんども、心配性な兄と弟に言い聞かせた。
自分に一番、言い聞かせた。
ある日
弟が化身狩りの標的に選ばれたというのを
運よく噂で先に聞いた。
どうしてバレたの?
擬態は完璧で、能力も使ってないし…
…
そういえば、弟の擬態がほんの一瞬だけ解けたことがあったっけ。
あの時は周りに誰もいなかったはずだけど…もしかしたらいたのかも
ちゃんと周りを見ておけばよかった、いやまずなんであの時弟の擬態が解けたんだろう
…今更考えても意味はない。
今考えるべきなのは、どうやって弟の事を守るか。
……もう、大切な人がいなくなるのはごめんだからね。
「それじゃあ、また後で。…大丈夫よ、私がそう簡単に捕まるわけないじゃない!!」
……
足の震え、バレてないよね。
兄には、バレたかもしれないけど。
笑顔は、いつも通りだったよね?
…っ、泣くな、まだ泣くときじゃない。
私には、もう一つ残ってるんだ。
兄がくれたマフラーをつけて
弟がくれた耳飾りをつけて
家族の集合写真が入ったロケットペンダントをつけて。
家のドアが開く。
私が、守るんだ。
強く、はっきりとそういった。
思ったより声は震えなかった。
大丈夫、私は死なない。
これから何が来ようと、死ぬことは無いから。
生きて、生きて、生き続けて
こいつらが死ぬまで生き続けて
絶対に抜け出してやるんだから。
たとえ途方の無い時間がかかったとしても。
絶対に、ぜったい、に……
なんで、あなたが、
コメント
2件
ベラｧｧｧｧｧｧｧｧ(இωஇ`｡)カッコイイよｫｫｫｫｫｫ(( 兄弟思いのベラ、最高です🥰😇どうかこの可愛い兄弟が皆生き残りますように🙏🏻(
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