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一目惚れ

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一目惚れ

1 - 一目惚れ

♥

30

2025年04月23日

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🍣×🐤


🍣…名前はないこ。社会人、🐤と同じ会社で働いている、🐤の2つ上の先輩で兄弟のように仲がいい

🐤…名前はりうら。🍣と同じく社会人で同じ会社で働いている、ツンデレで自覚はないが天然な部分もある


ちょっとしたBL要素があります。無理な方は↩してください

急展開かもしれないけど、そこは許してください

結構長いから見にくいかもしれないけど、頑張って呼んでくれると嬉しいです!


🍣心の声…『』 🐤心の声…【】

👥←会社の人達



🍣side


🍣「おはようございまーす」

👥「おはようございます」

ぽつぽつと帰ってくる返事に耳を傾けつつ、俺は自分の席に座る。

🍣『めっちゃ眠い、昨日の残業の影響かな…』

鞄をデスクの横に掛け、軽く肩を揉んだ。昨日は特に残業が長引いて、家に帰ってもあまり寝付けず、

しっかり睡眠がとれなかった。…まぁ、いつものことだけど。この会社は所謂ブラック企業というやつだ。

今日もまた、夜遅くまで残業して終電逃して、タクシーで高い金を払って家に帰るんだろうな…。

…っていうか、そんなこと考えてる暇があるなら仕事しろよ、俺。

🍣「…さ、仕事やるか」

そう小声でつぶやいて、パソコンに向かう。まだ俺は一度も彼女ができたことがない。

きっと、これから先も仕事だけをして、そのまま独り身で死ぬんだろうなぁ…。なんて考えていたその時だった。

🐤「おはようございまーす…」

👥「おはようございます」

俺より2つ下の後輩、りうらが来た。唯一会社の中で仲が良く、兄弟のような仲だ。

🍣「おはよ、りうら」

🐤「おはよう、ないくん」

🍣「今日は早いね、なんかあった?」

いつもよりも、10分ぐらい早く来たので本人に聞いてみた。

🐤「うん、今日はなんか目覚めが良かった…それだけ」

🍣「そっか…今日も頑張ろうな」

🐤「うん…じゃあね」

🍣『今日はまだいいほうかなぁ…』

そして、りうらはものすごくツンデレである…実際にはツンツンツンデレぐらいだ。

いつもなら、なんかあった?って聞いても「うん、まあね」で、すぐ自分のデスクへ行ってしまう。

🍣『なんかいいことでもあったかな…よかったよかった♪』

さ、俺も仕事するかな。


🐤side


🐤【あ~、仕事だるいなぁ…休みたい】

心の中で文句を言いながら、今日もいつもの見慣れた道を行く。仕事が始まるのは朝早い。

なのに、終わるのは日付が変わるころ、大体が残業だ。いつも電車で通勤しているが、駅から会社までは

徒歩で3分ほどで結構近い。今日もまた地獄の一日が始まるなと思いながら、自分の仕事部屋へ。

🐤「ふぅ…」

いつもこの部屋に入る時、深呼吸をする。この部屋に入ると、地獄の一日が始まると思うと息が詰まる。

なので、深呼吸してから入る。今日も頑張るぞ…あの人もいるんだから。

🚪ガチャッ

🐤「おはようございまーす…」

👥「おはようございます」

ぽつぽつと帰ってくる挨拶、どれも気持ちが籠っていない…ま、りうらも人のことは言えないけどねっ!

🍣「おはよ、りうら」

🐤「おはよう、ないくん」

この人は、りうらの2つ上の先輩。いつも朝はちゃんと俺の目を見て挨拶してくれる。

🍣「今日は早いね、なんかあった?」

そう、今日はいつもよりも10分ぐらい早く着いた。そんな細かいことにも気づいてくれるんだね。

ないくんとは仲がいいし、ちゃんとりうらのことを見てくれてる…そう思うと嬉しい。

🐤「うん、今日はなんか目覚めが良かった…それだけ」

🍣「そっか…今日も頑張ろうな」

🐤「うん…じゃあね」

軽く挨拶をかわし自分のデスクへ。

🐤「はぁ…」

今日もないくんと喋れた、しかもいつもよりちょっと多く。いつもは恥ずかしすぎて「うん」、とか「まあね」で

終わらせてしまう。そして、なによりもないくんは「今日も頑張ろうな」と言ってくれた。

あの言葉を思い出すだけで、今日一日頑張れるような気がした。それぐらい大切で、安心できる存在なんだ。

…そしてりうらは、ないくんのことが好きだ、大好き。

🐤【ほんと、一目惚れだったよな…】

その後も、あの人の健気さと明るさと優しさがどんどん俺を好きにさせた。でも、俺がこの想いを伝えることはできない。

だって男同士だし、俺と付き合うぐらいなら普通に女の人と結婚して、幸せな家庭を築いてほしい。

ま、付き合うってOKを貰えたら、だけどね。


🌙 🍣side


🍣「やーっと仕事終わったぁ…」

達成感を感じながら、軽く伸びをする。現在の時刻は深夜一時、ほんとに昨日の今日だ。

こんなことしてたら、ほんとに体壊すわ…なんて思いながら帰り支度をする。

🍣「…さて、帰るか」

戸締りをして、エレベーターで一階へ降りる。エントランスに着いて帰ろうと思った時、人影が見えた。

🍣「え…りうら?」

🐤「あ、ないくん…」

柱に寄りかかって、今にも泣きそうな顔でこっちにやって来る。

🍣「なにしてんの、こんなとこで」

🐤「その…りうら家の鍵を家に忘れてきて」

🍣「え、ヤバいじゃん…なんとかできないの?」

🐤「それがさ、りうらの家のドア閉めたら、自動的にロックがかかっちゃうやつで…っ」

オートロックか、それは厳しいな。確かりうらの家はマンションの2階だったよな…。

うーん、業者さんを呼んでもいいけど、もう遅いしなぁ…。あ、そうだ。

🍣「嫌じゃなかったらさ、その…俺の家来る?」

🐤「え…いいの?でも、迷惑じゃ…」

🍣「全然、迷惑じゃないよ…むしろ遠慮なんてしなくていいし」

🐤「ほんとにいいの?」

🍣「うん、そんな心配しなくていいよ」

🐤「…ほんとに、ありがとう」

か弱い小さな声で呟くその姿が、余りにも幼子に見えて思わずりうらの手を引いた。

🐤「ちょっ…ないくん⁉///」

りうらは顔を真っ赤にして俺の方を見る。その姿がなんだか面白くてつい吹き出してしまった。

🍣「ははっ♪ほんと面白い反応するよな、りうらw」

🐤「笑い事じゃない…面白くもないしっ///」

🍣「そんな怒るなよwほら、行こう?」

🐤「もう…」


🐤side


🍣「おー、やっぱり深夜でも賑やかなんだな…」

🐤「そう、だね…」

この夜の街は本当に賑やかだ。日付が変わってすぐにもかかわらず、あちこちで人の声がして

キラキラと輝いている。

🍣「…この道、通らない方が良かったかもな」

🐤「うん…」

今、手を繋いでないくんとこうして夜の街を歩いている。そのことが嬉しすぎて、幸せすぎて返事もまともに返せない。

でも、この時間も明日、厳密にはあと数時間で終わる。それが、辛かった。

🍣「やばー…なんかお腹すいてきたw」

横で楽しそうに笑っているないくんの顔。何時ぶりにこんな顔を見ただろうか。ずっと、ずーっとこうして

いられれば良かったのに、そうなればいいのに。

🍣「ちょ、ちょっとりうら?どうしたの…急に//」

🐤「え?…は⁉///」

気づけば普通に繋いでいた手が、恋人繋ぎに。どういう状況?これ…。

🐤「な、なんで…?//」

🍣「なんでって…りうらがこうしたんでしょ…?」

もしかして、さっきの想いが強く行動に出すぎた?まずい、そうだとしたら相当まずい。

どうしよう、嫌われたかな?気持ち悪いって思われたかな…。嫌だ…嫌われたくない…っ。

🐤「っ…((ポロポロッ」

🍣「え、りうら⁉どうした…」

🐤「ごめんっ…ごめんねっ((ポロポロッ」

🍣「…とりあえず、あっちの方行こうか。人少ないし」

🐤「うん…っ、ごめんね…」

🍣「いいよ、気にしなくて」

優しいなぁ、ないくんは。ごめんね、りうらのせいで家に帰るのが遅くなっちゃう…。ないくんも仕事で疲れてるのに…。


🍣「ほら、一旦落ち着きな」

そう言って、りうらの呼吸が整うのを待ってくれてる。急かすこともなく、優しい目で。

🍣「…落ち着いた?」

🐤「うん…」

🍣「あのさ、言いたいことあるなら言いな」

🐤「へっ?」

🍣「いいよ、俺なんでも受け止める」

真っ直ぐ俺の目を見つめて、そういってくれるないくん。そんな目を見てたら、言いたくなっちゃうじゃんか…っ。

🐤「あのね…りうら、ないくんのことが」

これを伝えたら、もう戻れなくなる。前のような、兄弟みたいな関係に。それでも…今はこの気持ちを伝えたい。

🐤「ないくんのことが、好き」

🍣「…そっか」

🐤「…もちろん、恋愛的に見てだよ」

🍣「うん…」

そう言ってないくんは静かに目を伏せた。きっと、振られるだろう…でも、そっちの方がいい。これで潔く諦められる。

🐤「…ごめんね、急にこんなこと言って!忘れて?w」

沈黙に耐え切れず、思わず自分から喋ってしまった。でも、振られることは確実で…。

🍣「俺も…りうらのこと、好きだよ」

🐤「…え?」

どうして、そんな返事が。もしかして、りうらが傷つくとか心配してそんな返事をしたんだろうか。

🐤「いや、無理にそんなこと言わなくてもいいんだよ!振ってくれていいんだから…」

🍣「そんなこと言うなよ…ほんとに好きなんだから」

🐤「え…それはどういう」

🍣「そのまんまだよ、もちろん恋愛的に見て、ね」

🐤「そう、なの?」

🍣「うん…さっき考えたんだ。俺にとっての好きがどんな気持ちなのか」

🐤「…うん」

🍣「そのときに浮かんだのがりうらと過ごしてるときの、安心する楽しい幸せな気持ちだった」

🐤「うん」

🍣「それで俺思ったんだよね…りうらと過ごすその時間が、俺にとっての一番楽しい幸せな時間だって」

ないくんがりうらの目を見てにこっと笑いかける。その目を見て確信した、これは本気なんだなって。

🍣「だからね、ほんとにりうらのことが好きなんだよ」

🐤「…そっかぁ」

🍣「だから…こんな俺で良ければ付き合ってほしいな」

🐤「うん…りうらのほうこそ、よろしくお願いします…っ((ポロポロッ」

🍣「ふふっwなんで泣くんだよw」

🐤「だって…嬉しすぎて、ホッとしたら涙が…っ」

🍣「もう、泣き虫だなぁw…ほら、こっちおいで?」

引っ張られて、ないくんにぎゅっと優しくハグをされる。

🍣「よーしよし、もう大丈夫だよ」

🐤「子供扱いしないでよっ…///」

🍣「ごめんごめん」


🍣「落ち着いた?」

🐤「うん…ごめん、今日ずーっと泣いてばっかだったよね」

🍣「いいよ別にw気にしなくて」

🐤「ほんとに…ありがとね」

🍣「こちらこそ、これからよろしくね」

🐤「もう遅いし帰ろっか…ないくんの家だけどw」

そうやって、歩き出そうとしたその時。ないくんに抱き寄せられた。至近距離で少し見つめ合う。

そして、少してないくんがりうらの唇に唇を重ねてきた。りうらは反射的に目を瞑る。少しすると、離れた。

いや、離れてしまった…か。

🍣「…ごめん、ちょっとしたくなった」

🐤「うん、いいよ…りうらもしたかったから//」

🍣「…りうら、顔真っ赤だよ//」

🐤「そっちこそ…//」

🍣🐤「…………」

🍣🐤「ははははっw」

🍣「こんな所で男二人、何やってんだかw」

🐤「ないくんが先にしてきたんだからね…?」

🍣「うん、そうだったw」

🐤「その…これからよろしくね、ないくん」

🍣「俺の方こそ、よろしく」

それから、りうらたちはないくんの家へ帰った。…もちろん、恋人繋ぎでね。


end

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