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🍣×🐤
🍣…名前はないこ。社会人、🐤と同じ会社で働いている、🐤の2つ上の先輩で兄弟のように仲がいい
🐤…名前はりうら。🍣と同じく社会人で同じ会社で働いている、ツンデレで自覚はないが天然な部分もある
ちょっとしたBL要素があります。無理な方は↩してください
急展開かもしれないけど、そこは許してください
結構長いから見にくいかもしれないけど、頑張って呼んでくれると嬉しいです!
🍣心の声…『』 🐤心の声…【】
👥←会社の人達
🍣side
🍣「おはようございまーす」
👥「おはようございます」
ぽつぽつと帰ってくる返事に耳を傾けつつ、俺は自分の席に座る。
🍣『めっちゃ眠い、昨日の残業の影響かな…』
鞄をデスクの横に掛け、軽く肩を揉んだ。昨日は特に残業が長引いて、家に帰ってもあまり寝付けず、
しっかり睡眠がとれなかった。…まぁ、いつものことだけど。この会社は所謂ブラック企業というやつだ。
今日もまた、夜遅くまで残業して終電逃して、タクシーで高い金を払って家に帰るんだろうな…。
…っていうか、そんなこと考えてる暇があるなら仕事しろよ、俺。
🍣「…さ、仕事やるか」
そう小声でつぶやいて、パソコンに向かう。まだ俺は一度も彼女ができたことがない。
きっと、これから先も仕事だけをして、そのまま独り身で死ぬんだろうなぁ…。なんて考えていたその時だった。
🐤「おはようございまーす…」
👥「おはようございます」
俺より2つ下の後輩、りうらが来た。唯一会社の中で仲が良く、兄弟のような仲だ。
🍣「おはよ、りうら」
🐤「おはよう、ないくん」
🍣「今日は早いね、なんかあった?」
いつもよりも、10分ぐらい早く来たので本人に聞いてみた。
🐤「うん、今日はなんか目覚めが良かった…それだけ」
🍣「そっか…今日も頑張ろうな」
🐤「うん…じゃあね」
🍣『今日はまだいいほうかなぁ…』
そして、りうらはものすごくツンデレである…実際にはツンツンツンデレぐらいだ。
いつもなら、なんかあった?って聞いても「うん、まあね」で、すぐ自分のデスクへ行ってしまう。
🍣『なんかいいことでもあったかな…よかったよかった♪』
さ、俺も仕事するかな。
🐤side
🐤【あ~、仕事だるいなぁ…休みたい】
心の中で文句を言いながら、今日もいつもの見慣れた道を行く。仕事が始まるのは朝早い。
なのに、終わるのは日付が変わるころ、大体が残業だ。いつも電車で通勤しているが、駅から会社までは
徒歩で3分ほどで結構近い。今日もまた地獄の一日が始まるなと思いながら、自分の仕事部屋へ。
🐤「ふぅ…」
いつもこの部屋に入る時、深呼吸をする。この部屋に入ると、地獄の一日が始まると思うと息が詰まる。
なので、深呼吸してから入る。今日も頑張るぞ…あの人もいるんだから。
🚪ガチャッ
🐤「おはようございまーす…」
👥「おはようございます」
ぽつぽつと帰ってくる挨拶、どれも気持ちが籠っていない…ま、りうらも人のことは言えないけどねっ!
🍣「おはよ、りうら」
🐤「おはよう、ないくん」
この人は、りうらの2つ上の先輩。いつも朝はちゃんと俺の目を見て挨拶してくれる。
🍣「今日は早いね、なんかあった?」
そう、今日はいつもよりも10分ぐらい早く着いた。そんな細かいことにも気づいてくれるんだね。
ないくんとは仲がいいし、ちゃんとりうらのことを見てくれてる…そう思うと嬉しい。
🐤「うん、今日はなんか目覚めが良かった…それだけ」
🍣「そっか…今日も頑張ろうな」
🐤「うん…じゃあね」
軽く挨拶をかわし自分のデスクへ。
🐤「はぁ…」
今日もないくんと喋れた、しかもいつもよりちょっと多く。いつもは恥ずかしすぎて「うん」、とか「まあね」で
終わらせてしまう。そして、なによりもないくんは「今日も頑張ろうな」と言ってくれた。
あの言葉を思い出すだけで、今日一日頑張れるような気がした。それぐらい大切で、安心できる存在なんだ。
…そしてりうらは、ないくんのことが好きだ、大好き。
🐤【ほんと、一目惚れだったよな…】
その後も、あの人の健気さと明るさと優しさがどんどん俺を好きにさせた。でも、俺がこの想いを伝えることはできない。
だって男同士だし、俺と付き合うぐらいなら普通に女の人と結婚して、幸せな家庭を築いてほしい。
ま、付き合うってOKを貰えたら、だけどね。
🌙 🍣side
🍣「やーっと仕事終わったぁ…」
達成感を感じながら、軽く伸びをする。現在の時刻は深夜一時、ほんとに昨日の今日だ。
こんなことしてたら、ほんとに体壊すわ…なんて思いながら帰り支度をする。
🍣「…さて、帰るか」
戸締りをして、エレベーターで一階へ降りる。エントランスに着いて帰ろうと思った時、人影が見えた。
🍣「え…りうら?」
🐤「あ、ないくん…」
柱に寄りかかって、今にも泣きそうな顔でこっちにやって来る。
🍣「なにしてんの、こんなとこで」
🐤「その…りうら家の鍵を家に忘れてきて」
🍣「え、ヤバいじゃん…なんとかできないの?」
🐤「それがさ、りうらの家のドア閉めたら、自動的にロックがかかっちゃうやつで…っ」
オートロックか、それは厳しいな。確かりうらの家はマンションの2階だったよな…。
うーん、業者さんを呼んでもいいけど、もう遅いしなぁ…。あ、そうだ。
🍣「嫌じゃなかったらさ、その…俺の家来る?」
🐤「え…いいの?でも、迷惑じゃ…」
🍣「全然、迷惑じゃないよ…むしろ遠慮なんてしなくていいし」
🐤「ほんとにいいの?」
🍣「うん、そんな心配しなくていいよ」
🐤「…ほんとに、ありがとう」
か弱い小さな声で呟くその姿が、余りにも幼子に見えて思わずりうらの手を引いた。
🐤「ちょっ…ないくん⁉///」
りうらは顔を真っ赤にして俺の方を見る。その姿がなんだか面白くてつい吹き出してしまった。
🍣「ははっ♪ほんと面白い反応するよな、りうらw」
🐤「笑い事じゃない…面白くもないしっ///」
🍣「そんな怒るなよwほら、行こう?」
🐤「もう…」
🐤side
🍣「おー、やっぱり深夜でも賑やかなんだな…」
🐤「そう、だね…」
この夜の街は本当に賑やかだ。日付が変わってすぐにもかかわらず、あちこちで人の声がして
キラキラと輝いている。
🍣「…この道、通らない方が良かったかもな」
🐤「うん…」
今、手を繋いでないくんとこうして夜の街を歩いている。そのことが嬉しすぎて、幸せすぎて返事もまともに返せない。
でも、この時間も明日、厳密にはあと数時間で終わる。それが、辛かった。
🍣「やばー…なんかお腹すいてきたw」
横で楽しそうに笑っているないくんの顔。何時ぶりにこんな顔を見ただろうか。ずっと、ずーっとこうして
いられれば良かったのに、そうなればいいのに。
🍣「ちょ、ちょっとりうら?どうしたの…急に//」
🐤「え?…は⁉///」
気づけば普通に繋いでいた手が、恋人繋ぎに。どういう状況?これ…。
🐤「な、なんで…?//」
🍣「なんでって…りうらがこうしたんでしょ…?」
もしかして、さっきの想いが強く行動に出すぎた?まずい、そうだとしたら相当まずい。
どうしよう、嫌われたかな?気持ち悪いって思われたかな…。嫌だ…嫌われたくない…っ。
🐤「っ…((ポロポロッ」
🍣「え、りうら⁉どうした…」
🐤「ごめんっ…ごめんねっ((ポロポロッ」
🍣「…とりあえず、あっちの方行こうか。人少ないし」
🐤「うん…っ、ごめんね…」
🍣「いいよ、気にしなくて」
優しいなぁ、ないくんは。ごめんね、りうらのせいで家に帰るのが遅くなっちゃう…。ないくんも仕事で疲れてるのに…。
🍣「ほら、一旦落ち着きな」
そう言って、りうらの呼吸が整うのを待ってくれてる。急かすこともなく、優しい目で。
🍣「…落ち着いた?」
🐤「うん…」
🍣「あのさ、言いたいことあるなら言いな」
🐤「へっ?」
🍣「いいよ、俺なんでも受け止める」
真っ直ぐ俺の目を見つめて、そういってくれるないくん。そんな目を見てたら、言いたくなっちゃうじゃんか…っ。
🐤「あのね…りうら、ないくんのことが」
これを伝えたら、もう戻れなくなる。前のような、兄弟みたいな関係に。それでも…今はこの気持ちを伝えたい。
🐤「ないくんのことが、好き」
🍣「…そっか」
🐤「…もちろん、恋愛的に見てだよ」
🍣「うん…」
そう言ってないくんは静かに目を伏せた。きっと、振られるだろう…でも、そっちの方がいい。これで潔く諦められる。
🐤「…ごめんね、急にこんなこと言って!忘れて?w」
沈黙に耐え切れず、思わず自分から喋ってしまった。でも、振られることは確実で…。
🍣「俺も…りうらのこと、好きだよ」
🐤「…え?」
どうして、そんな返事が。もしかして、りうらが傷つくとか心配してそんな返事をしたんだろうか。
🐤「いや、無理にそんなこと言わなくてもいいんだよ!振ってくれていいんだから…」
🍣「そんなこと言うなよ…ほんとに好きなんだから」
🐤「え…それはどういう」
🍣「そのまんまだよ、もちろん恋愛的に見て、ね」
🐤「そう、なの?」
🍣「うん…さっき考えたんだ。俺にとっての好きがどんな気持ちなのか」
🐤「…うん」
🍣「そのときに浮かんだのがりうらと過ごしてるときの、安心する楽しい幸せな気持ちだった」
🐤「うん」
🍣「それで俺思ったんだよね…りうらと過ごすその時間が、俺にとっての一番楽しい幸せな時間だって」
ないくんがりうらの目を見てにこっと笑いかける。その目を見て確信した、これは本気なんだなって。
🍣「だからね、ほんとにりうらのことが好きなんだよ」
🐤「…そっかぁ」
🍣「だから…こんな俺で良ければ付き合ってほしいな」
🐤「うん…りうらのほうこそ、よろしくお願いします…っ((ポロポロッ」
🍣「ふふっwなんで泣くんだよw」
🐤「だって…嬉しすぎて、ホッとしたら涙が…っ」
🍣「もう、泣き虫だなぁw…ほら、こっちおいで?」
引っ張られて、ないくんにぎゅっと優しくハグをされる。
🍣「よーしよし、もう大丈夫だよ」
🐤「子供扱いしないでよっ…///」
🍣「ごめんごめん」
🍣「落ち着いた?」
🐤「うん…ごめん、今日ずーっと泣いてばっかだったよね」
🍣「いいよ別にw気にしなくて」
🐤「ほんとに…ありがとね」
🍣「こちらこそ、これからよろしくね」
🐤「もう遅いし帰ろっか…ないくんの家だけどw」
そうやって、歩き出そうとしたその時。ないくんに抱き寄せられた。至近距離で少し見つめ合う。
そして、少してないくんがりうらの唇に唇を重ねてきた。りうらは反射的に目を瞑る。少しすると、離れた。
いや、離れてしまった…か。
🍣「…ごめん、ちょっとしたくなった」
🐤「うん、いいよ…りうらもしたかったから//」
🍣「…りうら、顔真っ赤だよ//」
🐤「そっちこそ…//」
🍣🐤「…………」
🍣🐤「ははははっw」
🍣「こんな所で男二人、何やってんだかw」
🐤「ないくんが先にしてきたんだからね…?」
🍣「うん、そうだったw」
🐤「その…これからよろしくね、ないくん」
🍣「俺の方こそ、よろしく」
それから、りうらたちはないくんの家へ帰った。…もちろん、恋人繋ぎでね。
end