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94日目

 

 

今日はのんびりするんだって。

 

 


この間泊まったホテルで寝るのは今日が最後だと思うし……

 

 

楽しまなきゃね

 


 



 

 


「奏?どこ行くの?」

 

 

私が外を散歩しようとでも思っていると絵名に声を掛けられた。

 

 

エントランスをウロウロしてたからかな…

 

 

『あ、絵名。…ちょっと、散歩行こうと思って』

 

 

「ふーん……じゃ、私も着いて言っちゃおうかな!夜だから奏1人じゃ危ないし」

 

 

『だ、大丈夫だけど……2人の方が楽しいよね、』

 

 

「…うん、行こっか」

 

 

 

ーーー

 


ベンチに座り夜空に輝く星を眺める。

 

 

夜風が心地よくて思わず寝そうになる。

 

 

「……ねぇ、奏」

 

 

『ん?どうしたの、絵名』

 


「…っ、やっぱり……まだ、消えたいの?」

 

 

『……』

『…そう、だね……うん、そう思ってるよ』

 

 

「…そっ、か………」

「……あ、あのさ!奏に…その、まだ上げたい物があって…っ、、」

 

 

『あげたい物…?……この前絵を貰ったよ?』

 

 

「あの絵はおまけみたいな物で…、!」

「……その、本当の贈り物はこっち、」

 

 

『?何、これ……』

 

 

絵名から渡された物を受け取る。

 

 

至って普通の赤色のラッピングに黄色のリボンが巻かれた四角いプレゼントボックスだった。

 

 

「開けてみて」

 

 

『?う、うん…』

 

 

 

リボンを解き、蓋を開ける。

 

 

すると中には__

 

 

『……何、これ…?』

 

 

「……、」

「見て分からない…?カッター、ナイフ……」

 

 

絵名の言う通りプレゼントボックスの中にはたった1つ、深紫色のカッターナイフが置かれていた。

 



『……え、何で、こんな物…』

 

 

「…消えたくなった時に、使ってよ…… 」

「も、勿論…リスカに使ってもいいけど……」

 

 

『っ…あ、ありがとう……?』

『そ、その…何でカッターナイフを、?』

 

 

「……奏、日記が終わるまで家に帰れないでしょ?だから…あげようと思って」

「ホラ、買ったら怪しまれちゃうでしょ?

だから……私と奏の秘密ね、、‪𐤔」

 

 

そう苦しそうな顔で微笑む絵名を見て、私まで苦しくなった。

 

 

きっと絵名は優しいから。

 

私の為に少しでも心の支えとしてカッターナイフを贈ったんだろう。

 

 

『…ありがとう、絵名。私の為に……』

 

「う、ううん…好きに、使って……、、」

 

 

『……そう、するね』

 

 

プレゼントボックスは絵名に返して、私は黄色のリボンとカッターナイフをポケットに閉まった。

 

 

……きっと、これを取り出すのはそう遠くない未来だと思う。

100日後に自✘‎するかもしれない私の日記

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奏だけが死ぬことがバッドエンド?バッドエンドも書きたいってそゆこと?

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