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あの日までは極普通で、今想えば奇跡なのかもしれない、一番幸せな毎日だった。
ymd「母ちゃん!今日のご飯、オムライスがいい!」
母「ymdはオムライスが大好きね~」
ymd「だって、美味しいんだもん!」
母「嬉しいこと言ってくれるわね~!ymdは素直で真面目な大人に育ちそうね、お父さん」
父「そうだな!」
12/1、父親が一週間出張に出ることになった。
12/8、それは父親が帰ってくるはずだった日。
それから、父親が事故にあった日。
俺の孤独と嘘依存が始まった日。
母「お腹が痛い…」
ymd「母ちゃん大丈夫!?病院行ってきて!ymdはひとりで留守番できるから!」
母「ごめんね…」
俺がひとりで留守番してる時に、二件の電話がかかってきた。
母親からの電話と、遠い所にある病院からだ。
俺は先に母親からの電話に出た。
母「ymd?あのね、お母さん、あなたの弟を妊娠したのよ!」
ymd「ymdに弟できるの!?やった~ッ!」
母「それで、入院が決まったのだけれど…ymd、お父さんが帰ってくる時間までひとりでいられる?」
ymd「うん!もちろん!」
その時は、後数十分でお父さんが帰ってくるって思ってたから。信じてたから。
そういえば、もう一件の電話は…と思い、一応その電話にも出た。出なければよかった。
『山田さんのお宅ですか?大変申し上げにくいのですが…そちらのご主人が……
交通事故で亡くなりました。』
その日から、地獄が始まった。