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りるら
334
𝒩𝑜𝒶 𑁍𓏸𓈒
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シャルル・アント
64
汐梨
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ある日、竜馬は鼻歌を歌いながらハーレーを飛ばし、ホールストリートの「セント・マイルズ・リサイクルショップ」 前にバイクを止めた
ここは何かと日本食や珍しいものが置いてあるので、今日は何か夕食に日本食を作ってみようと思ってた
「あ~・・・ちょっときみ!・・君!」
呼び止められて竜馬が振り向くと、赤い電話ボックスの前で一人の紳士が竜馬を見て手招きをしていた
「僕?」
「そう!そうだよ・・・そこの君・・・申し訳ないんだけど、25セント硬貨を貸してもらえないだろうか? 急に妻に電話しないと行けなくなったんだけど、10ドル札しかないんだ・・・」
紳士はキョロキョロと、どこかに両替できる店はないか探している、とても困っているようだ
「おじさん!僕、持ってるよ 」
ハイ!と竜馬はジーンズのポケットからコインを出し、その紳士に差し出した
「おお!本当にすまないね・・・」
色あせた灰色の中折れ帽に、同じく灰色のトレンチコートに身を包んだ長身の男性は、心から助かったと安堵のため息をもらした、そしてじっと竜馬を見た
「君みたいに親切な少年は見たことが無いよ・・・いつこのお金を返したらいいかな?」
褒められて竜馬は少し照れた
「ええ~?そんないいよ~、困ったときはお互い様だよ 」
へへへと竜馬は笑った
「君は高校生かい?」
「そうだよ!イリノイ大学の付属高校だよ」
「へぇ~そうかい」
口ひげの端を上げて、穏やかに微笑む紳士の灰色の眼は眼光するどく、気さくであると同時に、どこか抜け目がなかった
竜馬もすっかりこの街の風習に慣れて、見知らぬ人でも人懐っこくおしゃべりをするようになっていた、なんでも奥さんが少し風邪をひいているので何か買い物が無いか聞きたいのだが、携帯電話を家に忘れて来てしまったと情けない顔をしてその紳士は言った
キヒヒッ 「おじさん、案外おっちょこちょいなんだね」
竜馬が少し紳士をからかった
「いやぁ~面目ない・・・いつも妻に怒られているんだ、とにかく助かるよ、明日もここに来るかい?借りたお金を返したいんだ」
「あっ!じゃぁさ!僕!ナルシソのカジノでバーテンダーをやっているんだ!一度飲みに来てよ!すっごく高級な所だけどカクテルなら安くしてあげれるよ、僕がいるからね」
紳士は驚いた顔で言った
「なんと!高校生なのに君はすごいな!」
チッチッチッ! と竜馬は一指し指をふりかざす
「カジノと言ってもちゃんとした合法のお店だよ!それに僕は高校生だから10時までだしね! ナルシソはちゃんとした所なんだ!」
「学生なのにアルバイトもしてるなんて、偉いね 」
「いや~それほどでもないよ、とにかく一度飲みに来てよ、竜馬の友達だって受付で言ったら、バーへ通してくれるよ、じゃぁね!」
中折れ帽の紳士は、微笑んで走り去る竜馬のハーレーが、広いヤシ並木の道を進んで行くのを見送った
ハーレーが見えなくなり、ゼレンスキーの善良な微笑みは瞬時に憎悪の怒りに変わった、そしてタバコを一本吹かし、ニヤリと笑った
「これはまた・・・随分と可愛らしいペットを飼っているもんだな、ジャスティン・・・」
.。 .:・.。. .。.:・
ルビーのショーは大盛況で、観客はチャックの予想通り、アメリカ中からやってきた
さらにショーのおかげで、ナルシソホテルはハリウッドの有名人が集う場所になり、オペラのプリマドンナや様々な分野のスターはもちろん、新聞社王に花形コラムニスト、 有名弁護士、市会議員や銀行の頭取などでラウンジはごった返し、夜ごとあちこちで交流会やアフターパーティが繰り広げられた
ジャスティンも竜馬も、この繁盛期に駆り出されていて、忙しく働いていた、ショタコン趣味のルビーはチャックとの約束を守り、ホテルの若い従業員には一切興味のない様子で、そのかわりハリウッドから愛人を4人連れて来ていた
彼らも全員10代のティーンエイジャーの男の子達で、金髪、黒髪、茶髪、ブルネットと一通り美形が揃っていた、しかしそこはさすがルビーはプロで、ショーがある時は朝早くからリハーサルに徹し、精力的に活動している
その間、彼らはルビーの特別スイート・ルームのキングサイズのベットに毎日全裸で川の字になって寝ており、昼過ぎまで起きてこないため、毎日ルビーの部屋の掃除に誰が行くかで客室掃除係の女の子達は大騒ぎだった
今はプールサイドのバーに黒いビキニを着たルビーが、カウンター越しに頬杖をついて、バーテンダーの竜馬に文句を言っていた
「ひどいわ!キャンディ!あなた初めて会った時はドーテーだったのに女とやったわね! 私がやりたかったのに 」
―どうしてわかるんだろう・・・―
竜馬は頬を赤らめて言った
「プ・・・プライベートのことはお話できません、もし今度あんなことをされたら、胴元に言いつけますからね 」
ルビーがフフンッと高慢ちきに笑った
「そりゃぁ、チャックにあなたを襲ってはいけないと言われているけど、おしゃべりをしてはいけないとは言われていないわよ 」
「あの方達はいいんでしょうか・・・その・・・彼らを放っておいて僕とこうしていると・・・」
竜馬がプールサイドを見るとルビーの愛人達が、ワイワイスイカの浮き輪に乗ったり、ビーチボールを飛ばしあったりして水遊びをしていた
「あの子達は私を満足させてくれるけど、あなたは観賞用にとっておくわ 」
「ねえ・・・ルビーさん 」
「なぁに? マイラブ(はぁと)」
「彼らも・・・俳優さん達なんですか?」
「あの子達は、来年の春にもう少し顔をいじってアイドルボーイズグループとして売り出すの、そのうちミッキー・マウスと肩を並べるぐらい、雲の上の存在になるわよ、でも4人束になっても、あなたほど可愛くはないわ」
ムッとした竜馬がぷくっと頬を膨らまして ルビーを睨む
「僕は男です! 可愛いと言われても嬉しくありません!」
「んもう~~~そういうところよぉ~~ ダーリン~~~ 」
ルビーはムキになる竜馬の仕草があまりにも可愛くてカウンターに突っ伏して 身もだえした
「おっしゃっている意味がよくわかりません!」
竜馬はムキになって自分が男らしい所を見せようと、色々ルビーにアピールしていたが、かえってショタ趣味のルビーを喜ばせるだけだけになっていた
コメント
1件
うわっ、この話、冒頭の紳士の雰囲気が一瞬で変わるところ、めちゃくちゃゾクっとしました。親切な竜馬の好青年ぶりと、その後の「憎悪の怒り」のギャップが効いてますね。ルビーとのやりとりも相変わらず可愛くて、男らしさアピールすればするほど喜ばれるの、もう笑っちゃいました(笑)。伏線っぽいあの紳士、今後どう絡んでくるのかすごく気になります!