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誰も知らない、高嶺の花の裏側2
第40話 〚孤立の余波〛(りあ視点)
……なんで。
教室に、
私の居場所が、ない。
昼休みが終わっても、
誰も話しかけてこなかった。
さっきまで、
あんなに人がいたのに。
笑って、
頷いて、
私の言葉に同調してくれていた——はずなのに。
視線が、合わない。
合っても、
すぐ逸らされる。
ひそひそとした声が、
背中に刺さる。
「……なに」
小さく呟いても、
返事はない。
机に座る。
いつもなら、
誰かが隣に来て、
「ねえねえ」って言ってくれたのに。
今日は、
椅子を引く音すらしない。
——私が、悪いの?
胸の奥が、
じくじく痛む。
だって。
澪が悪いんじゃん。
三軍のくせに。
目立たないくせに。
なのに、
橘海翔に守られて、
みんなに囲まれて。
……ずるい。
ぎゅっと、
拳を握る。
私だって、
努力してた。
可愛く振る舞って、
空気読んで、
上に行くために。
それなのに。
「……なんで、あっちなの」
思い出す。
えまの、冷たい声。
しおりの、静かな怒り。
みさとの、はっきりした言葉。
玲央の、失望した目。
そして——海翔。
あの目は、
完全に“拒絶”だった。
胸が、
ひゅっと縮む。
——怖い。
クラスで、
一人になるのが。
今まで、
誰かの後ろにいればよかった。
強い人にくっついていれば、
守られると思ってた。
でも。
今は、
誰の後ろにも行けない。
視線の端に、
恒一の姿が映る。
……あの人なら。
一瞬、
そう思った。
でも、
すぐに違和感が湧く。
あの人、
私を見てない。
最初から。
利用する時だけ、
優しかった。
それに気づいた瞬間、
背筋が冷えた。
——私、使われた?
頭の中で、
何かが崩れる音がする。
澪を落とすために、
一緒に動いた。
でも。
落ちたのは、
私だった。
チャイムが鳴る。
誰も、
私を呼ばない。
机に伏せたまま、
りあは思った。
……私、
これからどうすればいいの?
孤立の余波は、
まだ始まったばかりだった。