「手放す縁、つなぐ縁」
新幹線のホームは夏休み中で多く、小雨も手伝ってかなり蒸し暑かった。
8号車の指定された席につくと、まもなくして新幹線が発車し、車窓が流れ始めた。
窓側の席にいる紀坂は、外を見ていて特に話しかけてくる様子もない。
京都のどこにいくつもりか聞きたいけど、何となく聞けず、私もじっとしていた。
やがて車内販売のワゴンで彼がお弁当を買ってくれ、それを食べた後、 紀坂(きさか)はスマホで記事かなにかを読み始めた。
熱心に読んでいることから、それがどんなものか興味があるけど、やっぱり聞けず横顔を盗み見る。
(何度見てもきれいな顔立ちだな)
さっきもホームにいた女子大生たちが、紀坂を見てなにか囁いていた。
当の本人は気にしていなさそうだけど、そういうところも含め、改めて本当に不思議な人だと思う。
私のことを気にかけてくれることもそうだし、突然京都に行こうと思*****************************
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