「知りたい」
「俺の予定はこれで終わったよ。これからどうする?」
紀坂(きさか)に聞かれ、私は目を瞬いた。
紀坂が私をここに連れてこようとしたのはわかったけど、本当にそれだけが目的だと知ると、申し訳なくてあたふたする。
気にかけてくれるのはありがたいものの、せっかく京都まで来て、これだけで引き返すのはもったいないし、申し訳ないし……。
「紀坂さんはどこか行きたいところとかないんですか?せっかく来たんですし、行きたい場所があれば行きましょう」
「じゃあ、千尋(ちひろ)がいいなら、嵐山に行っていい?前に知人が「なかなかよかった」って言ってた場所があって。さっきすこし調べてたら、まだ空いてそうだったから」
「もちろんです」
嵐山も言わずと知れた観光地だ。
彼が行きたいところがあるなら、そうしてくれるほうがいいとほっとする。
「わかった、じゃあ連絡してみるからすこし待ってて」 **********
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