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初恋組が…、可愛い…。
ということで、私にしてはめずらしく他カプです。
今さら感はありますが国名呼び注意
ーーーーー
「ーーーア、」
『ん、…』
「イタリア! 」
「こんなとこで寝てたら、危ないだろっ!」
『…ヴェ~、ごめんよドイツ…
でもおれ、まだ眠いや…』
「…?ドイツ…?
まったくお前は、いっつもどっかで寝てるよな…。
その、俺が折角帰ってきたんだから、ええと…いや、なんでもないけど…」
『…帰って?』
目蓋を開くとそこには、あのときの思い出がいた。
「神聖、ローマ?」
『あぁ、そうだよ!
“帰ってくる”って、約束しただろ?
身長は大分伸びたかもしれないが…、もう俺のことは、忘れちゃったのか?』
「…っ、そんなこと!」
「…俺、すっごい頑張ったんだ!
見てよ神聖ローマ、俺だって身長、すっごく伸びたでしょ!
それにね、神聖ローマが居ない間、沢山のことが起こったんだ…!
友達だっていっぱいできたんだ、日本に、ドイツ…」
「あぁ、その話はまた今度!
でも、いつか神聖ローマにも紹介するよ!
きっと皆、驚くと思うなぁ…」
「それにね!俺、絵だってたくさん描いておいたんだよ!
いつか神聖ローマが戻ってきたときに、また一緒に描きたいから…」
「そうだ!また野原に行って、今から一緒に絵を描こうよ!
それでお昼寝して、また絵を描いて…」
「…ね、神聖ローマ?」
『…』
「…ねえ、神聖ローマってば!
なんとか言ってよ!」
『…ごめん。 』
「なんで”ごめん”なんか言うの?
折角また会えたんだよ、そんな悲しいこと言わないでよ…!!」
『俺だって、お前だって、歴史の一部分だろ?
過ぎ去った歴史を変えることなんて、此瀬会で誰1人としてできない。』
『な、イタリア。』
「…でも、神聖ローマ…」
「俺、ずっと待ってたよ…」
『…お前には、沢山の友達がいるんだろ?
日本に、”ドイツ”…。
知ってる、皆。』
『大丈夫、お前ならきっと。』
「駄目、神聖ローマ、行かないでよ…!!」
「まだ、話したいことがたくさん…!!」
『俺は、ずっといる。』
『お前の思い出のなかに。』
「…ヴェ、…?」
『む、ここにいたのか。』
『休日だから良いが、こんなところで寝ているとは…』
「…神聖……、」
「……ドイツ?」
『あぁ、お前が呼んだんだろう。
鍵が開いてたぞ、不用心だ。
それにしてもここは…、アトリエか?随分沢山の絵があるな。
年期が入っているものもある、何年から集め始めたんだ?』
「あぁこれは、俺が…」
「俺が、描いたやつだ…。」
『な、これほどの数を、お前1人で!?
…それを、仕事にも当ててほしいものだが…。』
『この、正面のものは何を描いているんだ?
一等古く、大きいキャンパスだな。もしよければだが、見せてもらうことはできないか?』
「ヴェ、もちろん!
でも大分昔のだから、下手かも…
まぁ、とりあえず見てみよっか!」
『これは…』
『軍服…少年の絵か?
にしても俺に、何か通ずるものが…。
いや、それにしても見事だ…。懐かしささえ覚える。』
『、イタリア!?
どうした、やはり見られたくなかったか?
すまない、まさか泣くほど嫌だったとは…』
「ううん、違うんだよドイツ。」
「俺はね、ずっとどこかに行っちゃったままだと思ってたんだ。
一生、帰ってこないと思ってた。」
「だけど、ほんとはずっといたんだね。」
「おかえり、俺の思い出。 」
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