なにわの姫

「えっ！もしかしなくてもだよね、？！」

ｺﾝｺﾝ

?「はーい」

「やっぱり廉だー！！」

廉「○○！！？」

「何でここいるの〜！？」

廉「こっちのセリフな？？」

「なるほどなるほど。雑誌って訳か。」

廉「いや、合ってるんやけど。○○は？」

「CM撮影。」

廉「誰と？」

「山田くん。」

廉「マジで！？w」

「そうなの。発表してから決まって。」

廉「良かったな？」

「うん。」

廉「山田くんのとこ行かんくてええの？」

「それがまだ来てないんだよねぇー」

廉「そうなん？」

「そー。忙しいみたいで。」

廉「じゃあここでゆっくりしていけば〜？」

「いいのっ！？」

廉「ええけど、w」

廉「なぁ、w」

「なぁに？？」

廉「もうちょい向こう行かん？」

「何で？？？」

廉「いや、さすがに近いというか。」

廉「嬉しいんやけどな？」

廉「○○から甘えられるなんて珍しいからええんやけ、ど、、え、？」

「なぁに？」

ﾋﾟﾄｯ

廉「おまっ、熱あるやん！」

「熱ぅー？？ないないー」

廉「いやいや、マジで熱あるって！」

「廉が冷たいだけじゃないのー？」

廉「いや。絶対熱ある。」

廉「ほら、○○。ぎゅー。」

「ぎゅー？」

ｷﾞｭｰ

廉「ほら。いつもの○○なら有り得んやん。俺に自分から抱きつくなんて。」

廉「…自分で言っておいてやけど、悲しいわ。」

「れーん♪れん♪れーんれん♪」

廉「うわぁ〜、俺の手で遊びだしたし。」

廉「絶対体調悪いやんな？」

廉「体ダルいとか、頭痛いとかある？」

「ん〜、何かね、廉がいつもよりイケメンに見える〜」

廉「マジか！それは重症やな！って何でや！w」

廉「ん？ほんまに重症？え？待って待って、分からん分からん！！」

廉「とりあえず寝とけ！、って、もう寝てたわ。」

廉「ちゃっかり膝枕。」

廉「俺、○○に振り回されすぎやろ、w」

涼「○○〜」

廉「あ、山田くん。」

涼「やっぱりね。○○、熱あるでしょ」

廉「え。何で、」

涼「朝電話したときにおかしいと思って。」

涼「○○〜？」

「んー、？にぃ、？？」

涼「起きれる？」

「ん、」

涼「ゆっくりでいいよ。」

「起きれた〜」

涼「偉いねぇ〜よしよし！」

涼「れん、悪いんだけど○○楽屋までお願いできる？」

廉「分かりました。」

涼「ゆっくりでいいからね。」

廉「○○、歩ける？」

「やなの！廉抱っこ〜」

廉「え〜、抱っこ出来るかなぁ〜、w」

「ん！」

廉「しっかり捕まっといて」

「はーい。」

廉「あ、いけたわ。」

「にぃ〜。」

涼「出番までもうちょっとあるから寝とこうね。」

涼「ありがとう。」

廉「いえ。」

---

涼「○○〜、起きてー、」

「ん〜、」

涼「出番だって。着替えられる？」

「できる、」

涼「いい子だね。ん。背中のっていいよ」

「ありがと、」

涼介Side

ス「山田涼介さん入りまーす」

涼「お願いしまーす」

○○、ちゃんと着替えれたかな、、

やっぱ中止してもらった方が、、

ス「藤原○○さん入ります！」

おぼつかない足取りで現場入りする○○。

涼「○○！大丈夫？」

「にぃ、、」

涼「よく頑張ったね、ここ座っときな。」

「ごめんなさい、」

涼「何が？」

「体調崩しちゃって、」

涼「○○のせいじゃないでしょ？それよりも、出来そう？無理そうなら中止を、」

「できる。」

…そうだった。この子、自分の限界を知らないんだった。だからと言って今中止したら後で自分を責めそうだし。

涼「じゃあしんどくなったら言うんだよ？」

「ん。」

そんなこと言っても、中々SOS出さないのは知ってるけど。そう言わずにはいられなかった。

てか、まともに歩けないのに出来んの、？

ス「山田さん、藤原さん、お願いします！」

涼「あ、はい！」

「分かりました」

涼「肩貸そうか？」

「ん、ごめんね、」

涼「ほんとに無理しないでよ？」

「ん。」

ス「じゃあいきまーす、」

勿論だけど、撮影はすぐ始まらない。

動きの確認して、指導してもらって、リハーサルして、、その間にも辛そうにしてる。

涼「○○大丈夫？」

「大丈夫、だって心配しすぎ、だからw」

いや、そりゃ心配するでしょうよ。

ス「本番いきまーす」

涼「もうちょっとだから頑張れる？」

「いける。」

涼「ん。」

頭を撫でるくらいしか出来なくて。

そんな自分が悔しかった。

ス「カット！」

ﾖﾛｯ

涼「○○！」

ｶﾞｼｯ

涼「大丈夫！？」

「ごめん、ありがとっ、」

涼「無理すんなって、、」

カメラが回ってる時は、女優スイッチが入るみたいで、体調が悪いようには見えない。けど、カットが掛かると、力が抜けて倒れそうに。

「大丈夫だから、」

涼「大丈夫じゃない！」

涼「すみません、先にソロカットいいですか？○○休ませたいんですけど」

ス「わかりました。」

涼「○○、楽屋戻っ、」

「ううん。戻んない。」

涼「何で」

「集中力切れちゃう。そこの椅子で待ってる」

涼「…分かった。でもせめておでことか冷やしておいて。」

「…分かった」

早く○○を休ませたい。

その一心で過去最速なんじゃないかってくらいはやくソロカットを撮り終えた。

涼「○○いけそう？」

「大丈夫。」

明らかに熱上がってるし、○○の口から“大丈夫”って言葉が出てる時点で限界に近いんだろうけど。

もうスイッチ入っちゃってるんだよね。

涼「よし。じゃあ一緒に頑張ろう。」

「ん〜！お兄ちゃん！すんごい美味しい！」

涼「んふふ。良かった。」

---

ス「カット！以上で終了になります！」

涼「お疲れ様でした！」

涼「○○、大丈、」

テ「すみません、インタビューいいですか？」

涼「え、、あ、」

「はい！お願いします！」

涼「そうですね、、○○が隣に居て撮るって言うのが新鮮で。楽しかったです。」

「今日一緒に撮影をして、改めて山田くんのプロ意識の高さに驚いてますw」

涼「ほんとに？w」

「うん！私も頑張ります！w」

<アイスに関するエピソードを教えてください。>

涼「うーん、そうですね、、あ。あれいつだっけな、、いつか、僕が熱を出してて寝てたんです。そしたら○○が、僕にアイスをくれて。」

「あー、、w」

涼「そのスプーンで自分もアイスを食べたもんだから、その後○○も体調を崩しちゃってw」

「ありましたねー、そんなこともw」

「あとさ、にぃ、遊園地でアイス乗せられたよね？w」

涼「あー、そうそうw」

「子供の時、家族で遊園地に行って、お化け屋敷の後にアイス買ってもらったんです。食べてる時に、山田くんが悪ふざけで私をおどかしてきて。それにびっくりしてアイスを投げちゃったっていう。」

涼「それが僕の頭に乗るんですよ。凄くないですか？w」

「大切な思い出だね〜」

涼「ね〜。すみません、朝から変なエピソード放送しちゃうことになるw」

テ「ありがとうございました！」

涼「ありがとうございました！」

涼「○○、」

涼「○○？？おい、」

「ぐるぐるす、」

涼「危なっ」

ﾍﾟﾀﾝ

支えきれず、○○と一緒に倒れ込んだ俺。

○○の体がすんごい熱いのが分かる。

涼「○○、大丈夫か？」

「にぃ、、」

弱々しい声で俺を呼ぶ○○。

涼「辛いよな、部屋戻ろっか。」

「ｺｸﾝ」

涼「よし。掴まれる？腕回して、そうそう。」

涼「あ、マネージャー。もう○○帰らして下さい。」

マネ「分かりました！」

マネ「車用意出来ました！」

涼「○○、抱っこするよ。もうちょっとだから頑張ろうな。」

🚗

涼「じゃあ、お願いします」

「にぃ、、」

涼「んー？」

「ごめんなさい、」

涼「大丈夫大丈夫。皆んなには連絡しとく。そんな顔しないで〜？」

涼「お願いします。」

マネ「分かりました」

「にぃ、好き、」

涼「にぃも○○好きだよ。」

こんな時にもちゃんと挨拶してくれるの。

本当に○○は凄いわ。よく頑張ったね。

『○○、大丈夫か？』

「きょ、、」

『ほら、掴まり。』

「ん、」

『頭気を付けよ？』

流「○○帰ったよ！」

丈「○○！！」

大「顔真っ赤、！」

謙「○○、！」

駿「疲れが出たんやな。ゆっくり休みや。」

和「後で食べられそうなの持ってくわな。」

『ありがとうございます。』

『ん、下ろすで。』

「ごめんね、ありがとう、」

『謝らんでええよ。頑張ったな。』

「きょくんっ、泣」

『よしよし。○○はよぉー頑張った！偉いで！』

「にぃのコマーシャルだからっ、迷惑かけちゃいけないってっ、思ってっ」

『辛くても頑張ったんや。』

「んっ、」

『○○の気持ちもよくわかる。やけどな、無理しちゃあかんよ。皆んな心配したんやで？』

「ごめんなさい、」

『まぁ、みっちーも言っとったけど、最近○○忙しかったから疲れてたんや。』

『大橋くんが来るまで寝とき。』

「下降りちゃうの、？」

『ずっとここおったるから。』

「手、ずっとぎゅってしててくれる、？」

『もちろん。』

「ありがと、」

その後、○○が頑張って撮影したCMが放送された日には声をかけられるのだった。

海「○○ちゃん、CM見たよ〜！頑張ったねー！」

「ねぇ、これ何回目？」

『分からん。』

「てか何で皆んな体調悪かったって知ってるの？」

大「事務所は○○ファンばっかやからなぁ。」

流「○○の情報回るの速いよなー」

廉「あ、○○〜」

「なぁに、黒ちゃん。」

廉「いや、ちゃん付けやめろ？」

「で、どうしたの？」

廉「あのCM頑張っ、」

「あー、ありがとうー」

廉「え、やっぱ俺の扱い雑じゃない？？最後まで言わしてくれんやん。」