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『好きのメーターが壊れた日』

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『好きのメーターが壊れた日』

7 - 第6話 一瞬だけ触れた光

♥

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2025年04月26日

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tg視点



放課後。

あっとくんとふたりで歩く帰り道。

tg(あっとくんが隣にいる……)

それだけで、息が少しずつ浅くなる。

心臓も、どくどく、うるさい。

at 段差…

tg えっあ、ありがと…

言われたとおり、ほんの少し高くなってるとこを、ぴょんってまたぐ。

そのまま、そっとあっとくんを見上げた――

その時。

ぱっと。

あっとくんの頭の上に、「1000」って、光る数字が浮かんだ。

tg っっ!?

思わず、立ち止まりそうになった。

tg(え、なに…いまの…)

まちがいじゃない。

はっきり、ちゃんと、見た。

でも、次の瞬間には、何もなかったみたいに、

いつもの「0」に戻ってた。

tg(え?)

頭が、ふわって真っ白になる。

あっとくんの数字は、いつだって「0」で。

誰にでも、すごく優しいのに、距離は絶対詰めない感じで。

クールで、かっこよくて、

なのに――

今、たしかに、俺には見えた。

at ちぐ?

名前を呼ばれて、はっとする。

tg っ!な、なに?

at どうしたの。ぼーっとしてた

優しい声。

それに触れたくて、でも触れちゃいけない気がして、

ぎゅって手を握りしめた。

tg な、なんでもない!

ぎこちなく笑った俺に、

あっとくんはちょっとだけ眉をひそめて、でも何も言わなかった。

at ちゃんと前見て歩けよ転ぶぞ

それだけ言って、

またふつうに歩き出す。

俺は慌てて、そのあとを追いかけた。

tg (……1000って、なに?)

ぐるぐるぐるぐる、

考えが止まらない。

tg(俺のせい、なの?)

胸の奥が、ざわざわする。

改札が近づいて、

もうすぐこの時間も終わっちゃうってわかってるのに、

なんにも言えなかった。

あっとくんの隣にいるのが、

こんなに嬉しくて、こんなに苦しいなんて、知らなかった。

tg(……ずるいよ、あっとくん……)

俺ばっかり、

こんなに苦しくなってる。




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